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【本要約】超訳・易経


2021/12/8

易は変化、経は理 ( ことわり ) だから、易経は変化の理である。

人の世は移ろい往くものである。また、自然も常に変化している。そうした変に応じて、「私たちは、どうやって道を選んでいくか」という、人生哲学を説いた本である。

易には3つの意味がある。

変易:変化
この世の中のすべてのモノゴトは常に変化し続けている
不易:不変
すべてのものは変化するが、その変化には、春夏秋冬・朝昼晩というような、一定不変の法則性がある
易簡:やさしい
変易と不易を理解できたならば、モノゴトがわかりやすくなる。
易経は「すべては同じ法則性を持って変化していく」と説いている。

状況が変わっても、人間は同じように問題に突き当たり、人間の行動によって成り行きが決まる。固定観念を捨て、時や状況とともに自分自身を変化させ、成長していく。

易経は、陰と陽で、中することを書かれた書物である。

中するとは?
弱った樹木を回復させるためには、わざと枝を落としたり、樹皮を剥いだり、根に傷を付けたりする。さらに陰を生じさせることによって、陽の生命力 ( 自然治癒力 ) を引き起こし、樹木を回復させる。中するは、バランスを取ることではない。現在の問題を、一段高い段階で解決し、新しく別な形に創造するはたらきを、中するという。

欠けたものがあって変化を起こす。

欠けたもの、陰が陽よりと少し多い方がモノゴトは通じていく。例えば、「損して得とれ」と言うが、損する方が陰で、得する方が陽である。

具体的には
・いつもいつも得する選択をしない
・少し不足する
・ちょっと損する
・満足を避ける
・譲る
惜福の工夫
幸いを後に残しておいたり、人に分けたりして、わざと不足の部分を作り出す。

幸田露伴「努力論」
天地人三才:モノゴトを成就するための3つの条件
・天の時:タイミング
・地の利:環境
・人の和:人の協力

易経では、天道・地道・人道、天の働き・地の働き・人の働きの3つの陰陽が合ったときに変化が起こり、新たなモノを生み出す。人間が自然の変化に順応するならば、その変化に正しく手を入れる ( 中する ) ことができる。

■乾為天 ( けんいてん ) の龍
乾 ( けん ) は、元 ( おお ) いに亨 ( とお ) りて貞 ( ただ ) しきに利 ( よ ) ろし

①潜龍:志を抱く。
②見龍:師に見習って基礎を学ぶ。
③終日乾乾:毎日、基礎を繰り返し実践して技と応用を身に付ける。
④躍龍:独自の技を持って、天に昇ろうと飛躍する。
⑤飛龍:雲を呼び、雨を降らせて人々を養う。志を達成する。
⑥亢龍:驕りたかぶって昇りすぎた龍。やがてくだり龍になる。

■坤為地 ( こんいち )
逆境に逆らわず、むしろ徹底的に受け容れ、従うことで、新たな道が開け、モノゴトは通じていく。

■天雷无妄 ( てんらいむぼう )
「富もう、豊かになろう」とする欲や期待をなるべく省いて、自然に順って生きることが、モノゴトを大きく通じさせる。

■地天泰 ( ちてんたい ) ・天地否 ( てんちひ )
平和な時を保つには、いたずらに恐れることなく、健全な危機管理意識を持つことが大切である。

■天火同人 ( てんかどうじん )
人と協力して大きな計画を成し遂げるには、私的な立場を忘れて取り組むことが大切だ。

■坎為水 ( かんいすい )・習坎 ( しゅうかん )
苦しみに陥ったなら、水のように流れる心を持って毎日を過ごし、少しでも前に進んでいくことだ。

■火沢睽 ( かたくけい )
こじれた人間関係を修復するには、小さな交流を積み重ねていくことだ。

■水沢節 ( すいたくせつ )
無理矢理モノゴトを推し進めると、かえってうまくいかないときもある。立ち止まってチャンスを伺うことも、人生には必要である。

■山天大畜 ( さんてんたいちく )
「進もう」という思いを止められることは、決してマイナスではない。大きな力を蓄積するための途中経過なのだ。


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湯浅淳一
あなたの琴線に触れる文字を綴りたい。

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