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都市対抗からクラブ選手権まで

シードから始まった都市対抗予選。
代表決定戦で北ガスに敗戦してから回った敗者復活戦では第3代表決定戦、第4代表決定戦とコールド負けを喫し2次予選進出すら出来ませんでした。

負けて次がある難しさや投手の起用方法など、まだまだ私に取りこぼす事なく2次予選にチームを勝ち上げるだけの器がなかったのだと痛感しました。

切り替えるにも時間がかかりました。約4週間後にはクラブ選手権が始まるのでいつまでも凹んでいる訳にもいきません。そう自分に言い聞かせても、心のどこかにモヤモヤした感情は簡単には消せませんでした。

支えてくれたのはスタッフ陣です。
宮越部長にコーチとして現場に復帰してもらい、田中ヘッド、秋山コーチ、緒方コーチ、宮越コーチ、古田アナリストが選手との関わりを細かく行なってくれました。本当に助かりました。そして報告をきめ細かくしてくれました。徐々に私の気持ちもブレずにクラブに向くことができました。お恥ずかしいのですがこれが生々しい正直な気持ちでした。

大会の先発ローテーは3週間前には投手陣に通達しました。

初戦の櫻田
2回戦は福田or高橋
準決勝に宮澤
決勝に櫻田

櫻田の成長が著しかったので開幕と決勝で行かせる事を早々に決めました。
チームを勝たせる投手になったと思いましたし、その実力もついてきたと感じていました。期待に応える開幕7回完封勝利をチームにもたらしてくれました。

2回戦はギリギリまで迷いましたが、準決、決勝とゲームがもつれれば高橋の投入は避けられないので少しでも負担を軽くしておきたいのと、福田の状態も上がってきたので福田に経験も含めていかせることにしました。福田は5回零封と素晴らしい投球でした。

準決、決勝と同日2試合のあるクラブ選手権は準決勝をいかに勝ち上がるかが重要です。

今年は宮澤が延長含めた10イニングを魂のこもった投球をしてくれました。本当に痺れました。これが鍛えあげられたピッチングなんだと感動をもらいました。投手陣全員が宮澤に良い刺激をもらって成長しています。この1試合にピークをしっかり持ってくるところもさすがでした。

決勝の櫻田はただただ素晴らしいの一言とチームを背負える投手に成長したなと感じました。最後はホーネッツをずっと支えてくれている高橋で締めたかった。熱い男でめちゃくちゃ力んでましたが(笑)最後、マウンドでガッツポーズしている姿に今のホーネッツが表現されているようでした。

投手陣は4試合で2失点と素晴らしい結果を出してくれました。
100%シナリオ通りでブルペンがバタつく事がなかった大会でした。
当番機会のなかった投手陣もベンチの指示通りスクランブルで準備してくれたり、大会期間中のブルペン練習も手を抜く事なく準備してくれました。本当に感謝しかありません。

この投手陣を支えてくれた緒方コーチ、そしてアナリストの古田さんの存在は大きかったです。

4試合2失点は投手陣だけでなくキャッチャー陣あってのことです。
都市対抗後のオープン戦は中村でいきました。クラブ選手権を見越しての起用でした。中島と中村は、本当にどちらを出しても遜色はなく、ちょっとした差です。クラブ選手権3試合、中村は良いリードをしてくれました。決勝も中村と考えていましたがハムストリングスに張りが出て急遽中島にマスクを託しました。

中島は自分が試合に出れなくても腐ることなくベンチでも1番良い声を出し続けていました。この姿勢が決勝に現れたと思います。櫻田、高橋の完封リレーを牽引し、打っては貴重なダメ押し適時打を放ちました。本当に素晴らしい姿勢を貫いてくれました。彼から優勝のウイニングボールを受け取った時はめちゃくちゃ感動しました。

秋山キャッチャーコーチが2人を支え続けてくれました。

野手の硬い守備も素晴らしかったです。
特に二遊間の大和と浦田の硬い守備が光りました。
二遊間を中心に声を回し、要所で本当に素晴らしい守備を見せてくれました。

外野手は熾烈なレギュラー争いとなりました。
成田が怪我から復帰して、誰がどこを守るか試行錯誤を繰り返しました。

一ノ戸の1番センターはチームの攻撃の流れを変えてくれました。

打撃の話しになると都市対抗予選では強風の中、簡単にフライを打ち上げるケースが多く目立ちました。

都市対抗後、打撃意識改革を田中ヘッドを中心に行っていく中で、セーフティバント、盗塁、で相手チームを掻き回すプレイスタイルは、クラブ選手権に向けて大きく攻撃の流れを変えてくれるものでした。何よりもオープン戦からヘッドスライディングでチームを鼓舞する姿勢は本当に頼もしくリーダーシップを感じるものでした。

初戦の一打席目にセーフティで出塁しすかさず初球に盗塁を決めると、先制のホームを踏み、大会全体に大きな流れを呼ぶ先制点につながりました。

2番の大和との1・2番コンビが打線の流れを作ってくれました。

打撃は全体的にまだムラはあるものの、風などの条件をしっかりと考えた打撃が出来始めました。特に2回戦の帯広倶楽部戦では、田中ヘッドの指示で速球派の好投手の前にファーストストライクまでは手を出さない事をチームで徹底し球数を稼ぎました。2回の集中打は大振りすることなく繋ぐ意識が結果的に長打も生まれ良い得点を重ねることができました。

準決勝の決勝ホームランを放った高卒ルーキー山口のホームランは野球の面白さを改めて教えてくれるものでした。山口に付きっ切りでバッティング指導にあたった宮越コーチから、「準決勝で山口あるかもよ!」と報告もらっていました。前日の練習も2人で随分と打ち込んでいたようです。コーチと選手の頑張りが素晴らしい結果となりました。

チームの中心格でもある浦田の成長は今大会の優勝に欠かせない要因だと思います。打撃は調子を落としていましたが、それでも気持ちを切らすことなくチームを鼓舞し支えました。これは本当に大きかったと思います。

怪我から復帰した成田はチームに真摯さとガッツを与えてくれました。

改革初年度の選手が良きリーダーとして成長を見せてくれています。

そして何と言っても主将ラミレスのホームランがチームの優勝を手繰り寄せました。ラミレスも調子を落として大会に入り、正直起用に迷いがありました。準決、決勝も前々日の夜中まで迷いに迷って、でもやっぱり最後はラミで腹をくくりますとスタッフに意思を伝えました。企業チーム退部後、縁もゆかりもない北海道に来てくれた。そして今年の全国大会はラミレスの地元の栃木県開催。何かの縁。ラミレスで優勝が決まるイメージが最後に湧いてきました。この決断を後押ししてくれたのはメインスポンサーである企業の社長からのLINEでした。「ブレるな」というメッセージに、腹を決めることができました。信じる力は本当に大切だなと学ばせていただいた経験となりました。

今大会、強がるのではなく強くなろうとチームに話し続けてきました。プレッシャーや弱さを変んなノリで誤魔化す強がりではなくて、全部受け入れて立つという強さ。自分に言い聞かせていました。監督は一番誤魔化しちゃいけない立場。選手は本当に最後まで力強く戦ってくれました。選手から強さとは何かを教えてもらった大会となりました。

全日本は、まずはベスト4を目標にその先の日本一を目指したいと思います。残された期間、更にチームが成長できるようにスタッフ・選手と共に毎日を充実させていきたいと思います。

大会期間中のご声援、本当にありがとうございました。

感謝

札幌ホーネッツ
監督 岩原








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