なぜ、カシミアは暖かいのか?糸の番手でわかる暖かさの秘密
寒い季節になると、暖かい衣類が欲しくなりますよね。モコモコしたセーターもいいですが、できればスラっと着こなしたい。
今日は、インドの生地屋さんと(Ahmedabad)と10年間あーでもない、こーでもないと取引をしてきた中で、私なりのウールとカシミアの違いについて簡単に説明したいなと思います。
ウールとカシミアの違い
ウールとカシミアは、どちらも動物の毛から作られた繊維ですが、毛を取っている動物の種類や毛の特徴が異なります。
基本的にウールは、羊の毛を指し、その中でもメリノウールは最も上質なウールとされます。
ウールは、保温性・保湿性・伸縮性に優れており、厚みのあるしっかりとした質感やモコモコした感じが特徴です。
ウールは、世界中で多くの羊が飼育されており、一頭あたり約4kgの毛が取れるため、比較的安価に入手できます。
カシミアは、カシミール地方(インド北部)の山岳部に住むカシミヤヤギの産毛を指し、その中でも若いヤギから取れる毛は非常に貴重です。
カシミアは、ウールよりも繊維が細く、編んだ時に風を通しにくくなっているため、ウールに比べカシミアの方が暖かいです。
また、カシミアは、軽く、上品な光沢があり、肌触りがとても滑らかです。カシミアは、カシミヤヤギの数が少なく、一頭あたり約250gしか毛が取れないため、希少性が高く、高価なんです。
カシミアの魅力って何?
カシミアは、カシミア山羊から採れる獣毛のことで、その繊維は非常に細くやわらかく、保温性・弾力性があります。
カシミア山羊は、夏と冬の寒暖差が激しい地域に住んでいて、冬になると表面の粗い毛の間にほそーい産毛を生やします。
その産毛がカシミアの原料になります。この産毛は、1本1本パーマがかかったようになっていて、空気をたくさん含んで熱を保温してくれます。細くてくるくるの毛がぎっしり生えていたら、確かに暖かそうですね。
カシミアの暖かさの秘密は、繊維の細さと捲縮(クリンプ)にあります。繊維の細さは、マイクロンという単位で表され、カシミアは14~16マイクロンです。
羊の毛は20.5~22マイクロン、人の髪の毛は70~80マイクロンですから、どれだけ微細かがわかります。
繊維が細いほど、繊維同士が複雑に絡み合い、空気をたくさん服の中に包み込むことができます5。空気は熱を伝えにくい性質があるので、外気を遮断して体温を逃がさない効果があります。
捲縮とは、繊維がねじれて波打つことで、繊維の間に空気の層を作ることです。これも空気の保温効果を高めます。
カシミアは、繊維の細さと捲縮によって、空気をたくさん含んで暖かさを保つことができるのです。
糸の番手(細さ)がわかりやすい
糸の番手とは、糸の太さを表す単位で、番手が高いほど細い糸になります。カシミアは、糸の番手が高く、細い糸で編まれていることが多いので、暖かさが高いと言えます。
以上が、カシミアの暖かさの秘密です。カシミアの服は、冬の寒さに負けない素敵な味方ですね。
カシミア製品を買ったはずなのに、wool100%と書かれているのはなぜ?
カシミヤは、ウールの一種です。ウールとは、動物の毛から作られた繊維の総称で、羊毛だけでなく、カシミヤ山羊やアンゴラウサギなどの毛も含まれます。
日本では、羊毛のことをウールと呼ぶことが多いですが、英語ではwoolという言葉は動物の毛全般を指します。
日本の家庭用品品質表示法では、動物の毛が原料のものは「ウールまたは毛」と表示することになっています。
これは、洗濯方法に関する情報を提供するための表示で、動物の毛の種類によって洗い方が変わることはありません。しかし、2000年の改正で、カシミヤやアンゴラなどの指定動物の種類は表示してもよいということになりました。
ですから、カシミヤの製品には、ウールまたは毛の表示の下に、カシミヤの割合や原産地などを記載することができます。
しかし、ウールまたは毛の表示を省略することはできません。そのため、カシミヤの製品でも、表記にはウールと書かれていることがあります。これは、法律に基づいた表示であり、カシミヤの品質には影響しません。
カシミヤの製品は、繊維が細くて柔らかく、保温性や光沢が高いことが特徴です。カシミヤの品質は、繊維の細さや長さ、色や光沢などによって決まります。
カシミヤの品質を確かめるには、タグに書かれた情報だけでなく、手触りや風合いなどもチェックすることが大切です。
cashmere100%とwool100%で、関税は変わる?
カシミア100%とウール100%では、関税が変わります。
カシミアは、ウールの一種ですが、関税の分類では別の品目になります。カシミアは、HSコードの51類に属し、関税率は3.2%です。ウールは、HSコードの51類に属し、関税率は3.2%です。
しかし、これらは繊維の関税率であり、衣類になると別の関税率が適用されます。
衣類の関税率は、材質だけでなく、織り方や原産国によっても変わります。カシミアやウールで作られた衣類は、HSコードの61類か62類に分類されます。61類はメリヤス編みやクロセ編みのもので、関税率は5.6%~11.2%です。
62類はメリヤス編みやクロセ編み以外のもので、関税率は4.4%~16%です。また、自由貿易協定や経済連携協定などの協定を結んだ国から輸入する場合は、関税が免除される場合があります。
つまり、カシミア100%とウール100%では、関税が変わる可能性があります。具体的な関税額を知りたい場合は、税関のウェブサイトなどのサービスを利用すると便利です。
と、カシミアの魅力がなんとなくわかっていただいた方へ、クリスマスプレゼントをご用意させていただきました。