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B'z 歌詞解読 motel

たどりついた小さなベッドの上で僕らは眠る
今日という日がまた消えてゆく
重ねてもはみ出す心
安い石鹸のようにすり減らし
ひとりじゃないから 汚れながら生きてる
罪に寄り添い あいつもなくよ
星降り注ぐ このモーテルだけが
僕らを 撫でてくれる

何を言っているのか出だしからよくわからない・・・という印象を持ちますが、歌詞全体を見渡すと、あ~あなるほど・・・ということになります。

モーテルとは、街道沿いの自動車旅行者用ホテルであり、風俗営業を目的とするものではない・・・と書いてあります。

二人の男女がモーテルへたどり着き、そこの部屋でぐったりと眠る様子が浮かんできますね。二人は肉体的な疲労よりは、精神的な疲労を抱えているようです。

生きている以上、私たちは罪を重ねることになります。生きるっていうことは、他人を攻撃し続けることでもあります。例えばお金を稼ぐという行為。お金を稼ぐのも、実は他者からエネルギーを貰って生きているということ。
これはその人への攻撃でもあるわけですね。そして、おそらくは、ちょっと心からは受け入れられないような、少しずるい方法か何かを使っているのかもしれません。そうすると、それなりに良心も傷んでくるでしょう。

ひとりだけじゃ生きれないから、汚れながら生きているのです。人は完全に一人では生きれません。他者からエネルギーを貰って生きているのです。
繊細な彼女はそのことに心を痛めているのですね。

勢いないシャワーで体を洗い流して
ただの一人よがりの禊ぎ
きれいなものだけを愛した君は
それでも僕といるね
ひとりじゃないから
忘れながら生きてる
根雪のような思いでが夢に出て
こらえきれずに塞がりかけた
傷をまたかきむしる

シャワーで自分の体の汚れを落とすと同時に、自分の罪も洗い流そうとしています。でも、それは独りよがりの禊であり、決して罪が消えていくことはありません。

きれいなものだけを愛した君、というのは、精神的に潔癖だった人なのでしょう。しかし、やっぱり生きていくためにはそれなりに手を汚さなければなかなか難しい・・・ということで、僕と共に、稼業を行っています。

ひとりじゃないから、忘れながら生きてる・・・

ここはちょっと難しい一文ですね。一人でも、複数でも、忘れる時は忘れるように思うのですが・・・。

ところが、忘れようにも、深層意識には深く刻み込まれているのでしょう。その思い出は夢となって表れてきます。せっかく長い間忘れていてかさぶたが出来ていた傷なのに、又その傷をかきむしり始める・・・。

相当苦しんでいますね。

ひとりじゃいられないなら
奪いながら生きてる
何も返せる物はなくても
冷たい風が窓を叩いて
僕は君抱き寄せる
明日はどこへ行こう

心が潔癖で傷ついた彼女。人を傷つけながら生きていく。奪う以上は返せない。彼女を責めるように吹く冷たい風。僕は君を温めようと抱き寄せる。

そして考える・・・。明日はどこへ行こうかと。

モーテルにたどり着くってことは、旅行者の一行なのでしょうか。それにしても、旅の途中なんでしょうね。人生を旅と考えると、このモーテルというのは、心が一時的に安らぐ場所・・・というのを暗喩しているのかもしれません。だから、実際はただの家だったり、ちょっと一息つける時間を指しているのかもしれません。

まぁ~。金貰ってとーぜん。お金持ちで幸せだわ~。人生余裕~って感じの人よりはずっと私は好きですけどね。


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