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行け!稲中卓球部 前野天才論④ 良心

行け!稲中卓球部のコーナーです。先日、前野天才論①の記事にコメントを頂いていたことにようやく気付いて、書きたくなってきました。

前野君の天才ぶりを解説します。

この話は、前野君がゴミ拾いのスペシャリストを目指すという話になります。13巻のお話です。

彼がそのことを竹田に伝えた所、卓球をしろと言われました。

ですが、ダリーんだよ!と言って、ゴミ拾いをしに出掛けます。

しかし、たどり着いた川では、既にゴミ拾いをしている男がいました。


私が前野がすごいと思ったところは、スペシャリストを目指すという発想を持ったことです。

この世界では、生き残るために最も良い手段です。何かのスペシャリストになること。その人にしか頼めない。そういう存在になることです。

一方、竹田は前野に対して、真面目に卓球をしろといいます。しかし、学校でどれだけ3年間真面目に卓球に打ち込んだとしても、3年がたったら他の部活に変わったりすることもあります。

大人になってずっと卓球を続けるかというと、そういうことは少ないのです。

今、世界卓球に日本人選手が参加していますが、この場所にまで到達できるのはせいぜい4~5人であり、しかも全盛期はたったの3~4年という非常に短い時間です。

だから、真面目に卓球をやるのではなく、自分が何らかのスペシャリストになることに時間を使った方が、はるかに有意義であると前野は考えたのでした。


九州大学の箱崎キャンパスで放火事件が起きたことはご存じでしょうか。憲法を専攻していた元院生が放火自殺を行いました。彼は生活費がないため、キャンパスの1室を無断で借用し、そこで生活をしていました。

いくつものバイトを掛け持ちし、とうとうお金も尽きたのでしょう。自殺という道を選んだのです。

彼はこのような言葉を残していました。大切なことは、何かのスペシャリストになることだと。



思えば、竹田は将来の夢を書けと学校の宿題を出された時、何も書けませんでした。竹田は真面目なので、上の言うことはしっかりと聞きます。しかし、命令以外のことを自分で考えて行動するというのは苦手です。何をすればいいのかわからないのです。

こういうタイプの人は、学校のように上からの指示があり、そのいうことを聞いていさえすればクリアできる環境では活躍しますが、いざ大人になって、社会に放り出された時、自分の頭で考えて何かを行いなさいと突然言われると、とたんに何をすればいいのかわからなくなります。

だから、学校の部活で卓球をすることが、今のきわ、彼がやることで、彼はそのことだけを考えて行動しているのです。そして、それが彼にとっては居心地のいい状態なのでした。

それに対して、前野はいち早く卓球が自分の人生にとっては大した役に立たない、ということに気が付いて、自分はスペシャリストを目指すと言う決断をしたのでした。

すごいぞ前野!!!


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