社会人の端くれ
先日、部屋の整理をしていると、昨年末に会社から渡された社員持株会の配当金等支払通知書が出てきた。
持株会に入って今年でちょうど20年になる。
これまでは忙しさもあって、定期的に発行されるこの通知書を受け取ってもそのまま放置していたため、中身をほとんど気にかけていなかった。けれど、今回よくよく見ると、かなりの株数が積み上がっていた。
何度、見直したことか。
これらをまとめて引き出し、社員株主としての所有株数を増やすことにしよう。そう決めて総務部に手続きを申し込んだら、何だか少し安堵した。
女性は短大卒しか採用していなかった時代に入社し、給与の少ない一般職で、長く勤めていることだけが何の取り柄になるのかと悩んだりもしてきたけれど、若い頃に持株会に入り、地道に自社に投資したりしてちゃんと貢献しているじゃないか。仕事以外にも、貢献しているじゃないか。
また、当時から計算すると、株価は約5倍にもなっている。業績向上もさることながら、私が13年間担ってきたIR活動の効果は確かにあったんだと。社内においては誰も褒めてくれなかったけれど、褒めてくれなくとも、市場が判断してくれていた。
私はもう少し、自分を信じてもよいのかもしれない。
もう少し、自分に安心してもよいのかもしれない。
もう少し、気持ちに余裕を持ってよいのかもしれない。
そんなことを考えながら、社会人の端くれとして、黄昏時のビジネス街をゆっくり歩いた。