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孤高の人(上・下) 新田次郎(著)
上・下巻あるのか
長編だな〜 長いな〜 めんどくさそうだな〜
そう思いきや… 結構すぐ読める本。
なぜなら面白いからです。
通勤の合間とか お湯沸かすちょっとの時間でも
読み進めたくなるくらい面白いです。
おもしろくて毎日持ち歩きすぎて本の表紙がボロボロになってしまいました・・。
内容は
当時、裕福層だけで親しまれていた外国由来の「登山」を
--平日は会社休みは登山!--という社会人登山家としての道を開拓した
グループを組まずに一人で登る単独行の加藤文太郎の物語。
文太郎は
「仕事はがっちりちゃんとします!昇進します!貯金はちゃんとします!
趣味は趣味で死ぬ気でやります!友達想いです!妻思いです!」
といった本当に人間の鏡のような男。
「でも 自分・・人間・・苦手です、うまく笑えません・・・]
みたいなそんな男。このあたりの性格はなんだか親近感湧く。
お話の時代背景が戦前だし、価値観とかわかんないだろうな〜と思って
実は買ってから随分放置してました。
ある夜、眠れなくてなんとなく手に取り読み出して、数ページ読んですぐ気づきました。・・・昔も今も同じだ。
昔と今も変わりなんてありません、むしろ 同じなんです。悩んでることもだいたい同じ、うまくいかない感じもだいたい同じ、損することが多く感じるのもだいたい同じ。
多分昔から基本何も変わっちゃいないんです。
変化なんて起きてるようでたいして起きてなかったのさ。
主人公の上手に生きれない人見知り感とか、
ちょっと孤独好きなとことか。
毎日に疲れて孤独を求めて、冬山行でさんざん孤独になると
反動ですごい人を求めたり。
主人公のそういう気持ち なんかわかるな・・と思いました。
ちょうどいい感じなんてないよな 0か100かなんだよな。
中庸なんて理想論だわ。
もう人間ドラマが面白くて、読みながら「えーー?」「なんでよ」とかいいながら読む面白さ。
いやはや面白かった。やっぱ人気なだけある!
上下巻通しての加藤文太郎の心の変化もまた面白く・・・
成長していたり かといってまたやっぱ不器用なとこもあり・・・
なんとも切ないあれやこれや・・・・・
闇堕ちメンバー(数人闇堕ちする)も非常に気になる人ばかり、、、!!
ネタバレになるから内緒にしておく。
新田先生のは他のも読もう。
イラストは実家の猫と孤高の人。
私の愛猫も孤高の猫です。
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