割く文

活字が苦手

作文は得意だ、だが自身に内在する鬱屈とした
感情を文字に起こすとそれは作文と言えるだろうか、不完全で不健全、これはまるで割く文だ。

4月30日 日曜日 曇り
トイレに行くと何時も思い出す。
小5の運動会での徒競走。
私の出身の小学校はすごく田舎で人口が少ない訳では無いが、全校生徒が少なく1学年1クラス28名程のクラスだった。
私は運動が苦手では無いが特別足が早かった訳では無買ったので、徒競走などモロにスピード勝負の競技は苦手だった。
運動会前夜の晩御飯、父から「徒競走で1位になれなかったら明日の晩飯抜きやぞ」と釘を刺された。今考えるといくら厳しい父とはいえ、そのような事をする残虐性は持ち合わせていないことは容易に理解出来る。だが当時の私は疑う事はなく誰かに抜かされると晩御飯が食べられないという恐怖に怯えていた。その晩はろくに眠れず運動会当日の朝になる。
午後1時頃昼食の時間を終え、初めの競技が徒競走だった。順番待ちの列の中、負けたらどうしようという緊張と、昼食で食べた唐揚げの油が混ざり合い、それは便意へと変貌していた。
私の番が来た時には便意は限界へと近づいていたのだが、トイレに行きみんなを待たせる訳にはいかなかった。そうこうしているうちにスタートの合図が鳴り私は全力で走り出した、
順調な走り出しだったが、カーブ付近で体を倒し過ぎたせいか、横の友人と足が絡まり、激しく転倒した。その瞬間、肛門から屁と共にうんこが勢いよく飛び出して来たのだ。
すぐさま立ち上がりゴールテープに向かい疾走し、そのままの勢いでトイレへと駆け込んだ。
幸運にも体操服は上下白色だったのだが、パンツが阻止し、ズボンへ侵入していなかった。
パンツに付着したうんこをトイレットペーパーで綺麗に拭き取り、何事も無かったかのような顔で友人に「コケてもたわぁ、マジで最悪」と悪態を付いた、その時の私の顔はうんこを漏らした焦りと臭かったらどうしようという感情で歪みまくっていたに違いない、いや、確実に歪んでいただろう。
そのうんこ付きパンツのまま、綱引き、大縄跳び等の競技をこなした、周りのみんなはうんこ付きのパンツを履いているとはしらずに、、
そのまま運動会は進んでいき、最後のプログラムである、校長の挨拶が始まった、その頃には何故かうんこの存在を忘れ、放課後何をして遊ぼうか、という感情が支配していた。
運動会が終わり、駆け足で帰宅しランドセルを起きそのまま友人である直人(幼なじみ)の家に向かった。直人の家でスマブラをしたり録画した銀魂を見たりした。うんこ付きパンツのままカーペットに寝転んでいた。
ごめん直人。

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