Lenticchie Zine 第6号 『前肢とパレード』を刊行しました
7月25日、Lenticchie Press(レンティッキエ・プレス)によるzineシリーズの最新第6号を刊行します。
タイトルは『前肢(まえあし)とパレード』です。
東京都や神奈川県、千葉県などでは公道での開催が中止された東京オリンピック聖火リレー。
首都圏で唯一、公道での開催をおこなった埼玉県で、2021年7月6日に朝霞市内でおこなわれた聖火リレーのようすが題材になっています。
沿道の人びとの視線を集めながら、聖火を高々と掲げて誇らしげに走るランナーたち。
そんな彼らを先導する東京オリンピック公式スポンサーの車列。
しっかりと感染対策をしながら応援する沿道の人たち。
そしてこの人間たちの静かな祝祭を、どこか引いた目線で見守る散歩中の犬たちのようすを一冊のzineに構成しました。
この『前肢とパレード』は、ぼくが長期にわたって撮りつづけているシリーズのひとつ。
撮り始めたきっかけは、ジュネーヴ滞在中に旧市街で偶然でくわした警察の(?)パレードで、このときの写真は2014年にBCCKSで同タイトルで発行しています。
以来ことあるごとに国内でも撮影の機会をうかがっていたのですが、日本では大勢のひとがパレードを見に沿道にくりだすというシチュエーションになかなか出くわすことがなく、せっかく撮影に行っても犬がほとんどいなかったりして、今回の東京オリンピック聖火リレーは開催概要が決まったときからずっと期待していました。
にもかかわらず。
ここにきての新型コロナウイルス感染再々々々流行。
コロナさえなければひとで埋め尽くされたかもしれなかった沿道もまばらで、みな一様にマスク姿、キープディスタンスを呼びかけるテープが貼られるなど、ぼくが望んでいたような単純な「熱狂と退屈」の構図とはなりませんでしたが、「とてもパレードがおこなわれるような状況ではない状況でおこなわれた、2020年代の奇妙なパレード」の貴重な記録にはなったかなと思っています。
スイスの犬たちに比べて、日本の犬たちはけっこうパレードに興味津々だったのも印象的だったなあ。
* * *
書誌情報
書名:前肢とパレード
著者:早川純一
発行所:Lenticchie Press
発行年月日:2021年7月25日
サイズ:297mm×200mm
ページ数:6ページ
写真数:12点
印刷方法:インクジェット印刷
使用用紙:更紙
販売価格:600円(消費税・送料込)
購入方法
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