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Lenticchie Zine第3号 『Half-Baked : Cookbook』を刊行しました
3月15日、Lenticchie Press(レンティッキエ・プレス)によるzineシリーズの第3号『Half-Baked : Cookbook』を刊行しました。
タイトルに"cookbook"とありますが、レシピの載っている料理本ではありません。
写真の世界にはフードフォトというジャンルがあります。
それは食べ物を被写体とする写真で、古くは静物写真だったり、市場経済が発展すると野外広告やパンフレットに掲載されるための写真となったり、そのようにして写真が発明された19世紀から、つねに食べ物というのは見る者の欲望をかき立てつづけてきました。
(フードフォトの歴史に興味のある方は、アメリカのAperture社から発売されている写真集『Feast for the Eyes』がおすすめです。ぼくの運営する別サイトでもご紹介していますので、よかったらご一読を)
そして現代。
インスタグラムの広まりとともに食べ物を被写体とするイメージはそれこそ「もう満腹」ってくらい身近にあふれていますが、その多くは印刷物として定着することなく、ただただディスプレイの上にただよい、そして消費(消化)されていきます。
物だけではなく、イメージすらも消費される時代。
そんな時代の流れにあえて逆行して、「いかにも消費されそうなイメージ」を消化しないzineを作ってみることにしました。
被写体には「映える」ものがいいなあと思っていたところ、ウェブを眺めていたら、日本を代表する一流ホテルが桜を見る季節にぴったりのスイーツを販売しているのを見つけました。
どれも見た目に美しく、また使用する素材にも非常にこだわっていて、これぞただ消費するには惜しい、歴史に定着すべき被写体だと思いました。
紙面には参考情報としてそれぞれのスイーツの価格と宣伝文句も掲載。
値段とクオリティのバランスってなんだろう、ということも感じていただけると思います。
一流ホテルには味覚や美的感覚の研ぎ澄まされた一流のお客さんがついていて、本当に優れたものには金銭的対価を惜しまないので、作り手は素材や価格に妥協をすることなく、品質の高いおいしい料理を追求することができるんでしょうね。
* * *
このzineシリーズには「2020年代を記録する」という全体を通じた大きなテーマがあります。
その長大な時間のなかで、きっと多くの社会的事件が起きては忘れられ、起きては忘れられしていくことでしょう。
少なくともぼくたち写真家はこうした事件を忘れないこと。
そして事実をしっかりと記録し、のちに嘘や改竄があっても証拠を突きつけて対抗できるように、意識的に世界を切り取り、あるいは彩り続けていかなければと思います。
書誌情報
書名:Half-Baked : Cookbook
著者:早川純一
発行所:Lenticchie Press
発行年月日:2020年3月15日
サイズ:297mm×200mm
ページ数:6ページ
写真数:8点
印刷方法:インクジェット印刷
使用用紙:更紙
販売価格:600円(消費税・送料込)
購入方法
ご購入を希望される方は、以下のいずれかの方法でLenticchie Pressまでご連絡ください。
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2. メールアドレス(lenticchie_pressアットマークicloudドットコム)までEメールで。
代金はzineに同封される銀行振込先まで、お時間のあるときにお振込ください。
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