トレンド入りする「淫夢ネタ」ハッシュタグと、声優 原田ひとみの発言について
今日、起きていること
本日8月10日、「#野獣の日」というハッシュタグがTwitterでトレンド入りしています。
言葉そのものは8/10という数字と「野獣」という語の語呂合わせですが、その中身はいわゆる「淫夢ネタ」の祭りです。
そして、人気声優の原田ひとみがこのハッシュタグを使ってツイートしているのを見つけてしまったのが、この記事を書いた切っ掛けです。(どうも、単にこのトレンドに乗っかっただけではないようで、淫夢ネタ・ミームを取り込んだ作品を制作しているようでした。ただし、既にブロックされているため詳細は確認していません。)
「淫夢ネタ」とは何なのか、何が問題なのか
ミーム的なものである故に、知らない人にこれを正確に説明することことが非常に難しいのですが、ざっと書いてみます。
いわゆる「淫夢ネタ」というのは、ある野球選手が出演(金に困って仕方なく出演したと後に本人が述べている)したことで話題になってしまったゲイAVがあって、その話題性と作品としてのチープさなどから10年以上の長きにわたって「ネタ」として消費され続けているというものです。
作中のセリフやそのパロディからくるいわゆる「淫夢語録」は、あまりに氾濫しすぎて単なるネットミームと判別が付かなくなっているほどですが、その中には明らかにゲイ差別としか言いようがないものが多数あります。
中でも特に酷いものを挙げると、積極的な淫夢ネタの話者(以下、”淫夢厨”と敢えて書きます)が淫夢厨自身を指して、あるいは淫夢ネタを鬱陶しがる人が淫夢厨を指して「ホモガキ」などと称するものがあります。こういった明らかに差別的なミームが、TwitterやYouTubeなどで数えきれず使われているのが現状です。
また、作品の登場人物には色々なあだ名のようなものが付けられており、そのうちの一つに「野獣先輩」というものがあります。これの語呂合わせとして使われている"810”の数字が、本日(8/10)Twitterトレンドに上がっている「野獣の日」というものにつながっています。
この登場人物を巡っては、過去に大島薫というタレントが「野獣先輩を探せ」などという企画(名称は記憶だよりなので正確ではないです)を立ち上げ、この出演者を特定しようとしたことで強く批判を受け、企画は中止になったというような事件もありました。
このほか、「淫夢ネタ」としてキャラクター化された複数の登場人物は、おかしなあだ名をつけられ、映像のキャプチャはあちこち無断転載され、そのコラ画像や映像が無数に作られて氾濫しています。
映像作品の無断転載や改変という著作権問題、出演者の名誉を損なう行為としての人権問題、ゲイAVであるということが「ネタ」化に拍車をかけているという差別問題、こうした複合的で重大な問題ですが、ミーム的な性質と元ネタがAVというセンシティブさなどにより、問題として認識されづらく、また批判的言論も拡散されづらいために、ここまで来てしまっているのだと考えています。
こうした問題のある「ネタ」をクリエイターやアーティストを名乗る人間さえも使ってしまうというのは、著作物について、個人としての出演人物について、属性としての差別について、何一つとして意識していないという自白であり、本当にあり得ない行為だと思いますが、それが平然と行われています。
そろそろ本気で歯止めをかけないといけない
俯瞰して見るとあまりにも低俗で悪質な悪ふざけですが、名の知れた人物ですらも平気でこの「ネタ」に乗っかり、それを制止する人すらいないというところまで辿り着いてしまっています。
どのように問題なのかをすべて理解してもらうことは難しいと思います。特に、露悪的な行為だと理解した上で悪ふざけをしている自覚のある人を止めることはまず不可能でしょう。
ただ、これらの「淫夢ネタ」は、どこを切り取ったとしても、まともな人間なら顔をしかめる類のものであるはずです。その最低限のラインすらも崩壊しつつあるというのは、本当に危機的状況だと考えます。
個人的な思い
これらは、原田ひとみのごく最近のツイートです。女性の同性愛、あるいは百合コンテンツについて複数な言及があります。
ちょっとした「淫夢語録」を使ったという程度ならまだしも、ここまで明らかな淫夢厨であれば、先に述べたような明らかに差別的なミームも「淫夢ネタ」に含まれていること、つまりこれがゲイ差別的なコンテンツであることは間違いなく知っているはずです。
どのような理由があっても同性愛差別は許されないのは当然ですが、このような態度・行動を取る人間に対しては、もう本当に吐き気のするような思いです。本気で憤っています。
声優という職業が関わるアニメやゲームコンテンツの消費者として、特に百合コンテンツを愛好する者として、こういった人間が自分の好きな作品に出演していること、今後も出演するであろうことが許せません。
同じ思いを持つ方に、是非、今こそ声を上げて欲しいと願っています。
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