Dance☆Bang Bang @恵比寿CreAto(20241108)
愉快と笑顔に包まれた、ファンキーなショータイム。
ダンス☆マンのライヴを観賞するのはいつ以来となるだろうか。記事にはエントリーしていなかったが、2019年7月に約10年ぶりに自身の作品として発表したミニ・アルバム『From Planet Mirrorball』のリリース・イヴェント(ミニライヴ)が8月15日にタワーレコード渋谷であった際に足を運んだのは記憶しているから、その時以来かもしれない。
以前はファンクラブにも入っていて、一時期は単独ライヴ以外にも、イヴェントやら学園祭出演時に観に行くなどもしていたが、本格的なステージとして最後に観たのは(過去記事が正しければ)2009年の横浜BLITZ公演か。特に嫌気がさしたとか、興味がなくなった訳ではないが、気づけば15年も経っていたというのが正直なところだ。
そのミラーボール星出身のダンス☆マンが、ウッチャンナンチャンの“ナンチャン”こと南原清隆のオルターエゴ(笑)ともいうべき、バンバン星出身のナンバラ☆バンバンと宇宙人ダンス・ミュージック・ユニット、ダンス☆バンバンを結成。5月にデジタル・シングル「ナンバラバンバンバンII」でメジャー・デビューを果たしていた。6月には1stライヴ「Dance☆Bang Bang First Live on Earth ~デビュー曲“ナンバラバンバンバンII”出来ちゃいました。1曲しかないけどやっちゃえBang!~」を開催。その第2弾「Dance☆Bang Bang 2nd Live on Earth~2曲め"恋にシズンテイカ(仮)"出来ちゃったからやっちゃえBang! でも持ち歌2曲でどうなるの?~」が11月に行なわれるということで、久しぶりのダンス☆マン詣となった。会場は1stライヴ同様、恵比寿と渋谷の中間地点にあるCreAto(クレアート)。当日は山手線が遅延し、まさに開演と同時に到着。関係者席以外の指定座席は埋め尽くされ、立見スペースもほとんど隙間がない状態。ドア入口近くの壁に張り付きながら、ダンス☆マンのステージでは恒例のイントロダクション「ダンス☆マンのテーマ」がフロアに響くと同時に滑り込んだ。
単独公演ではあるが、オリジナルが「NanbaraBangBangBang2」と10月30日に配信された新曲「恋にシズンテイカ」のみゆえ、ダンス☆マンの楽曲やカヴァーなどを組み込むのかと予想していたのだが、そこはともに笑いに固執する2人。基本軸をオリジナル2曲とその別アレンジ・ヴァージョンとして、ダンス☆マンがバラエティ番組『笑う犬の冒険』から誕生した、南原、ネプチューン、ビビるからなるユニット“はっぱ隊”に提供した「YATTA!」(2001年リリースだから、もう23年前になる)、南原が出演したバラエティ番組『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』の人気コーナー「ウリナリ芸能人社交ダンス部」での活躍を歌にしたダンス☆マンの「ダンス部部長南原」に、「宇宙人コント」なるコーナーを設けて、アンコール含めて約80分を乗り切った。
ナンバラ☆バンバンの「ようこそ地球へ!」や、ダンス☆マンによるコール&レスポンスの煽りなどで幕開けからフロアに熱気が溢れる。「何がすごいって、始まっても誰一人立ってない!」「みなさん落ち着いてるよ!」「気持ちが強いよね」と指定席の妙齢の男女たちを煽り、笑いを起こしていく。「でもね、ほとんど宣伝してないのに、よくぞ見つけてくれました、アリガトゥー!」と感謝を述べつつ、「前回来てくれた人は?」に多くの観客が手を挙げるも「なのに立たない?」と返し、再び笑いを呼んだ。
前回は持ち曲が1曲(デビュー曲のみ)だったが「今回はなんと、倍です!」「これはいろいろ広がりますよ!」の声に沸き上がるフロア。「持ち曲1曲を何度も繰り返す前回とは違う」と見栄を張りつつ、「宇宙人コント」へと突入していった。
芸達者な2人ゆえ、歌だけでなくトークでも十二分に盛り上げられるが、DJのみならずSEやVJなども担当したDJサブローと、コーラスには“コーラス☆バンバン”として、テレビ東京『テレ東音楽祭2023夏』に出演し、SNS総再生数10億超を誇る男女混声5人組ア・カペラ・グループ、“ラビキャ”ことRabbit CatからMiki、はつみ、優輔の3名が参加し、ステージに花を添えた。
「恋にシズンテイカ ~Electric Piano Ver.~」では、ナンバラ☆バンバンがメロウなエレピの音に合わせて、地球に降りてから住んで来た場所を語り掛けるように、リサイタルっぽく歌う場面も。「四国の香川の高松にスンダ」「上京して横浜の学校に通うために川崎の武蔵中原にスンダ」「『お笑いスター誕生!!』で優勝して賞金二人で分けて、やっと東京にスンダ」などと歌うなか、コーラスの女子2人に「あなたはどこにスンダ~?」と振る。そのうち、鈴木奈々ぽい感じにも見える“はつみ”(TikTokの「#ハモりたがーる」タグで人気)が「武蔵…溝の口にスンダ~」と応えると、フロアからは拍手喝采。ナンバラ☆バンバンも「武蔵中原と2駅しか違わない、意外と近いところにスンダ~」と驚きながら反応していた。その後は、最前列の観客にも振るなど、楽しいやり取りを展開。
そこから「恋にシズンテイカ」のヴァースやフックへ雪崩れ込むのだが、卓抜なアレンジスキルを持つダンス☆マンゆえ、原曲とは全く異なるアレンジで料理。別曲に感じるほどで、同じ楽曲を繰り返しても飽きさせない工夫がなされていたのは見事だ。
「ダンス部部長南原」では、ダンス☆マンが一旦ステージアウトしたナンバラ☆バンバンを招きつつ、「宇宙人として覚醒する前、彼はダンス部の部長でした!」と言うと、ナンバラ☆バンバンが「芸能人社交ダンス部」で見せたダンスステップで沸かせる。コーラス隊やDJサブローまでをクルクル回すダンスデュエットも披露するなど、賑やかなステージを繰り広げた。
本編ラストの「NanbaraBangBangBang2」を終えて、アンコールを迎えたが、ここまで「NanbaraBangBangBang2」「恋にシズンテイカ」ともに2回ずつ演奏していたため、何をやるのかと思ったら、南原が藤田ニコルの結婚式の主賓として呼ばれた話(どうして主賓に選んだのかと聞くと「(人柄とかではなく)南原さんが、私が今レギュラー番組を持っているなかで最年長者だから」と言われたとのこと)やら、“めるる”こと生見愛瑠が連載を持つファッション誌『CanCam』で撮影した話やら、DJサブローのプレイ、コーラス☆バンバンのコーラススキルの披露など長めのトークコーナーの後で、制作中の新曲をいち早くお披露目してくれた。
新曲は、和田アキ子「KANPAI FUNK」のプロデュースを共に手掛けた縁から交流を持ったmeiyo(以前、ダンス☆マンが主題歌を担当していた『ニャンちゅう!宇宙!放送チュー!』で現在主題歌を担当しているのがmeiyoという縁も)に依頼。まだアレンジもタイトルもないが、ワンコーラスがあがってきたということで、ダンス☆マンがこのステージのために打ち込んできた仮アレンジを鳴らしながら、ファンへ歌唱のプレゼントをするサプライズも(meiyoに依頼しておいて申し訳ないが、違う人が歌った方がいいんじゃないかとこぼして、笑いを呼んだりも)。1stライヴで約束したという、クリスタルキング「大都会」をイメージして「大地方」という楽曲も制作中とのことで、次回のライヴは一気にオリジナルが2曲増えるかもという嬉しい報せをもって、3回目の「恋にシズンテイカ」でエンディングを迎えた。
ナンバラ☆バンバンが目指す「お笑いと音楽の融合もあっていいんじゃないか」というコンセプトの端緒ともいえそうなエンターテインメント・ステージ。歌い終えて、ナンバラ☆バンバンが締めの言葉を話しているところで、ダンス☆マンとコーラス隊(優輔はボイスパーカッションで低音を響かせていた)によるハモりが大きくなり、ナンバラ☆バンバンの話を遮るというオチもつけて、終始歓喜と笑いが絶えないステージを貫徹。観客を楽しませるプロフェッショナルの真髄も垣間見えた。終演後にフロアに飛び交う朗らかな声と笑顔の波が、このライヴの成功の証左といえるだろう。
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<SET LIST>
00 INTRODUCTION~ダンス☆マンのテーマ~秘密戦隊ゴレンジャー(inst)
01 恋にシズンテイカ
02 宇宙人コント~回転寿し~
03 宇宙人コント~告白~
04 YATTA! ~Guitar Ver.~
05 NanbaraBangBangBang2 ~Guitar Ver.~
06 恋にシズンテイカ ~Electric Piano Ver.~
07 ダンス部部長南原
08 NanbaraBangBangBang2 ~Long Ver.~
《ENCORE》
09 New Song
10 恋にシズンテイカ ~Long Ver.~
<MEMBERS>
Dance☆Bang Bang are:
ダンス☆マン(vo,key)
ナンバラ☆バンバン(vo,g)
DJサブロー(DJ)
Miki(cho / from Rabbit Cat)
はつみ(cho / from Rabbit Cat)
優輔(cho / from Rabbit Cat)
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【DANCE☆MANのライヴに関する記事】
2006/01/15 DANCE☆MAN@DOORS
2006/08/19 DANCE☆MAN@赤レンガ倉庫
2006/12/25 DANCE☆MAN@リリオホール
2007/09/09 DANCE☆MAN@ランドマークホール
2007/12/06 DANCE☆MAN@O-EAST
2009/09/05 DANCE☆MAN@横浜BLITZ 【追記アリ】
2024/11/08 Dance☆Bang Bang @恵比寿CreAto(20241108)(本記事)