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熟議の国会:政治資金のあり方について

一昨日、無事、補正予算が衆議院を通過し、参議院に送られました。

物価高騰対策、能登復興、地方創生、今後の成長への投資など待ったなしの項目が含まれる重要な予算が、少数与党であっても衆議院で可決されたこと、まず安堵致しました。各種の事前調整や修正がありましたが、最終的には以下のような決議となりました。
・賛成:自民党・公明党・国民民主党・日本維新の会
・反対:立憲民主党・れいわ新選組・共産党・他
 
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さて、今国会の議論の本丸の一つが政治資金規正法の改正です。

私自身、「政治改革に関する特別委員会」の一員として、連日議論に参加しております。木曜日・金曜日とそれぞれ6時間超の審議を行い、月曜日も6時間の議論を予定しています。多くの論点がありますが、与野党で一致点を見出せるか、今週・来週の終盤国会にかけて最終的な詰めの段階に来ています。

本当は、政治家の生活を「金帰火来」と呼ぶように、金曜日から月曜日は地元にいたいのですが、金曜日・月曜日ともにびっしり本件の議論となっていて、今の期間は土日しか戻れず、一刻でも地元に戻りたい新人としては、なかなか心苦しいところです。

しかし、与野党から9本の議員立法が出ていて、憲法との関係含めて「政治」というものの根幹に関わる本件の議論に参加できることは、政治家として一歩を踏み出す中で、重要な糧になるものだと思っています。

いわゆる「政策活動費」の禁止について一致点を見出す

 今回、政治と金の問題で、大きな問題となったのは、「国民の目から見て不透明な資金が存在すること」でした。それを無くすのが「政策活動費の廃止」です。(尚、もう一つの旧文通費については与野党の大筋合意となり歳費法改正が今国会に提出される予定です。)
 
「税金を使うものは公開をする」

この原則がなければ理解を得られないという点は選挙期間中、自分自身も訴えてきました。
 
今回の自民党提出法案、立憲他皆さんの提出の法案は、いずれも「渡し切り」と呼ばれる、政党から議員に渡っていた公開を必要としない、いわゆる政策活動費を廃止するものです。

その範囲について政治団体全体なのか、それとも政党・国会議員関係団体なのか、いわゆる政策活動費と呼ばれるものの定義は何なのか、どんな支出が対象となり・ならないのか。対象や範囲等、さまざまな観点で塞ぐべき穴が無いのか。今まさにその点が各党の質問によって精査され、議論が深まっています。
 
公開に工夫を要する支出とは何か?
 
そして、「抜け穴」等と報道されていた「公開工夫支出」についても、具体的な例示とともに、その必要性について野党の中でも理解が深まってきたように思います。

これは、公開を一切しないということではなく、本来、全ての支出について年月日、相手の名前、住所、金額、費目の一覧が出てくる中で、機微なものについて、具体的な日付(年・月は書く)・相手の名前・住所を伏せることを認めるものです。また、ただ黒塗りに…ということではなく、第三者機関には領収書を提出した上で、これは配慮が必要だね、と認めてもらうプロセスを経てそのような対応をとるものです。
 
どんなケースがあり得るのでしょうか?
 
・例えば、外交上の秘密です。政府の官房機密費等を使用するにはそぐわない、政党・議員で行う外交の時に、特定されるような情報を公開できない場合。公開するということは、自国民が見られるだけではなく、脅威となる国も含めて全世界の人の目に触れることです。例えば、わが国として国交がない国など政府としての対応で難しい場合に、議員外交が有効です。また政府とは別のチャンネルで議員連盟などを通じて各国との関係を築いていることは、わが国として重要なことです。現実に、台湾との外交は党で担っています。そういった公開にそぐわない時に対応が必要です。
 
・もう一つは、政策の策定過程において招聘した企業や個人が、公開されることによって不利益を被ってしまうケース。例えば、DVや性被害に関する法律を変えるにあたって被害者の方にお越しいただいてお話しいただくこともあります。重要な営業秘密の観点など企業として党との関係性を明らかにしたくないケースもあると理解しています。お支払いが生じたときにお名前や住所が公開されるとなれば、相手の方は受けられなくなってしまいます。本件は、政治団体や党の方が勝手に「これは公開しない」決めるのではなく、相手から「伏せてほしい」とのお申し出を書面でもらうことを前提としています。
 
こうしたケースについて、公開の前提に立った上で、本来の公開費目の中の一部分、日付(年月は書く)・名前・住所について公開をしないということを認めるものです。それらの支出を公開しないことの妥当性については領収書を第三者機関に提出した上で精査・判断することとなります。
 
マスコミでは安易に「抜け穴だ」と報じられる傾向がありますが、一つ一つについて「どうすれば本来の目的が達成されて、その上で、抜け穴に使用されない・濫用されないような仕組みにしていくのか」ということを冷静に・丁寧に議論していく必要があります。
 
尚、上記のようなケースについて、国民・維新が理解や憂慮を示す一方で、立憲民主党は、「そんなケースは無い」と断じています。本当にそれが責任ある立場なのか、今までは、「反対していたが押し切られた」という説明も可能だったことですが、与党が多数派ではない今、法案成立に向けて、本当に現実的かを精査しなければなりません。旧民主党が政権を取ったのちに、企業・団体献金を再開したことは記憶に新しいですが、「政権をとってみたら、実は、そういうケースも必要でした」と言われる事態にならない議論が必要です。その為にも、自民党としても、現実的で、濫用の可能性が無い制度設計をして、冷静に相互の理解を得られるよう議論を尽くしていく必要があると考えます。
 

本質的な問いに正面から向き合う「熟議」のプロセス

企業・団体献金のあり方、データベースの構築、世襲の取り扱い、個人献金の税優遇のあり方、第三者機関の在り方。各党から提出された法案を元にまだまだ多岐にわたる論点があります。
 
さらに言えば、
・   そもそも、選挙と政治にお金がかかりすぎること
・   民主主義のコストは誰が負担をするのか
・   政治への参加の自由がある企業を規制することの憲法上の取り扱い
・   個人献金が善で企業が悪であるという立場に立てるのか
・   労働組合の関係団体から議員個人への献金、機関紙の発行による事業収入、それぞれの政党の成り立ちが異なる中での政党助成金への依存を減らしていく手段としての分散・選択肢のあり方
より幅広い視点で本件についての熟議が必要だと痛感しています。
 
自民党の中での議論では、「新人だからこそ」と党内の会議でも積極的に発言し、新人同士でも議論して課題を提起をしてまいりました。また、総務会においてどのような過程で法案が最終的に提出される判断に至ったのか、その議論の場にも立ち会うことができました。

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政治家となって最初の委員会の本格議論が、各党から出された議員立法で、しかも少数与党としてぎりぎりの中で、この政治の根幹、国民からの信頼の根幹に関わることであるということに緊張感をもって臨んでいます。

今回の選挙・今までの政治活動を通じて頂いた厳しいお声を忘れず、将来の政治のあり方を考え、有権者に最も近い感覚を持つのが新人であることを自覚して活動して参ります。

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