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心が備え付けられる場所
10歳
うちの愛ロボット・ルンバ吾郎が
最近やたらと充電してばかりいるので
わたしはドッグを隠した。
休む場所をうしない
きれぎれになりながら
一生懸命はたらくルンバ吾郎
最後のほうはもう何も吸いこんでなかった
実にあわれな姿だった
その死を悼み
翌日新しいロボット掃除機を買った。
そんなわたしの行ないに
家人からの非難が集中した。
要はわたしが
ロボットに対してつめたい
という話である。
そんなことで近未来をやってゆけるのかと。
わたしはSiriにいろいろ尋ねるし
読書は9割電子書籍だ
献立はアプリで探して決めて
仕事はクラウドとSNSでやっている。
でもロボット犬が立とうがふせようがかまわない。
だってそれは
プログラムされたなにかだからだ。
こないだはキャンキャンうるさいので
電源を切った
それを見て
この子にだってこころはあるよと家人は泣く。
あのね
わたしは反論する
ロボットじゃない、なまみの人間だけなんだ
人間の入り組んだ脳細胞や神経のありかたを
心とよぶんだ
いくらできのいいシステムだって
かんたんに信じてはだめなんだ
スマホもネットもロボット犬も
きみたちを愛してはくれない
人間は
人間とつきあうしかないんだよ
と。