【栄養学】火事場の馬鹿力はどうして生まれるのか?
こんにちは、じゅんえいです。
試合や大会で、いつもより力が出てきたり、いつもできなかったことができるようになるという経験はありませんか?
私はこれをかなり感じます。
たとえば、中学時代は器械体操をやっていたのですが、「練習ではあまりうまくいかなかった技が、試合になるとなぜかできるようになる」ことを「試合筋」と私のところでは呼んでいました。
また、大学時代初めてハーフマラソンに出場した時、練習ではありえない速さで走ることができ、完走した経験があります。
なぜ試合や土壇場で力が発揮できるのでしょうか。
興奮・緊張状態になるとどうなる?
人間が興奮したり、緊張状態にあるときは、アドレナリンが出るというのは、有名な話でしょう。
しかし、アドレナリン自体はエネルギーとなることはありません。ではどのように作用しているのでしょうか。
アドレナリンには以下のような効果があります。
・グリコーゲンの合成を抑える
人間はグルコースをグリコーゲンに合成することで、筋肉や肝臓にエネルギーを貯めています。これは、その働きを抑えてしまうということです。
お金でいうと、「貯金するのを辞める」といったところでしょうか。
そしてもうひとつ。
・筋肉や肝臓に貯められたグリコーゲンの分解を促進する
これまでに貯めてきたグリコーゲンをグルコースに分解して、エネルギーを作るための準備をします。
こちらもお金で例えると、「貯金を銀行からおろしてきた」という感じでしょうか。
そして、ここから生み出されたグルコースは、解糖系で消費され、短期間の間に多量のエネルギーを作り出すことができるのです。
つまり、人間はアドレナリンが出ると、エネルギーを作る材料であるグルコースを一気にエネルギーに変えて、普段ではありえない力を出せるようにしてくれるということです!
すごくないですか!?
人間がエネルギーを作り出す方法については、過去にシェアさせていただいています。
生物としてどのような意味があるのか?
この「火事場のバカ力」は生物として、どのような意味を持つのでしょうか?
一つは、天敵から身を守るためだと思います。
例えば、山の中でばったりクマと出くわしてしまったとき、このアドレナリンの効果でいつもよりも早くその場を離れることができるかもしれません。
また、獲物を狩るときはどうでしょうか。
マンモスにやりを刺すときは、さぞ興奮するでしょう。そうするといつもよりも強い力で仕留める事ができます。
このように、生物として、最大瞬間風速的に力を発揮することは、生き残るうえでとても大事なことなのです。
繰り返しになりますが、人間の身体は、筋肉に貯めこんだグリコーゲンを、アドレナリンをトリガーとして多量にエネルギーに変えることで「火事場のバカ力」を発揮します。
ですので、いつでもその力を発揮できるように、筋肉のグリコーゲンが消費されると、なるべく早くエネルギーを貯めたがります。
だから筋トレなどでグリコーゲンが使われると、吸収率がよくなるのです。
最後に
試合中にいつも以上の力を発揮するためには、自分自身を興奮させることで、アドレナリンの分泌を高め、筋肉に多量のエネルギーを作らせる状況を作る必要があります。
ですので、(スポーツやチームによって様々ですが)声を出したり、円陣を組んだり、相手を威嚇したりすることは、理にかなっているといえます。
皆さんも自分を高めるための方法を見つけ、本番でいつも以上の力を発揮できるようにしていきましょう。
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