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三角、四角関係??@東京 Life is complicated.
恵比寿にある東京写真美術館に行ってきました。
米国のアレックス・ソス写真展と、日本の新進作家5人の「現在地のまなざし」展示の2フロアだけなのでゆっくり観ても1時間もあれば十分でした。今回面白いと思ったのは、新進作家5人の作品でした。それぞれユニークです。
その中でも金川晋吾さんの「明るくていい部屋」に考えさせられました。写真作品の被写体は若者2~3人で、各自または皆んなで部屋でくつろいだり、カメラに向かって金川さんと会話しているような優しさとリラックス感がでているものでした。
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「明るくていい部屋」の被写体の若者の背景が分からないと、単に、いい感じの若者の人物像の写真か、で終わりそうでした。が、説明を読んでみて、おお、なるほど、そうゆうことだったの、とちょっと観る目が変わるんです。⇩
私(金川)は2019年の2月から美術家の百瀬文さんと映像作家の斎藤玲児さんと三人で暮らしています。この三人での暮らしや関係を誰かに説明するときには、女男男の三人で住んでいて、女性は男性それぞれとパートナーであり、男性二人も友だちであり生活を共にするパートナーです、と住み始めたころは言っていました。ただ、この生活を続けていくうちに、私はもう少し別の言い方をしたいと思うようになりました。この言い方だと、どうしても二組の男女のカップルの関係がまずあって、そこから派生した付属的な関係として、私と斎藤さんとの関係があるような説明になってしまうような気がして、そのことに違和感を覚えるようになりました。三人の関係のはじまり方はたしかにそうだったのですが、一緒に暮らすということに関してはそうではありませんでした。私は斎藤さんがいたからこそ、この生活をはじめようと思ったのであり、斎藤さんも同じように感じていると思います。
なんか日本語だと隠微に聞こえますが、「三角関係」で明るく一緒に住んでいるってことなんですね。3人ともアーティストです。さらに展示会場の説明文には、百瀬さんはもう一人別の男性とも付き合い始めたと記載されていました。あれ、四角関係に進んでいる。
それぞれが自由な発想でアートを創作し、コラボもされる仲間でもあります。友愛というか、ひとつの愛の表現か、そうゆう言葉の域をも超えている関係でもあるような印象を受けました。
後日、「写真家・金川晋吾さんが考える、人を『好き』になること、恋愛のかたち」というコラムを読みました。彼、悩んでますねえ。そこからアートが生まれるのかな。
日本財団のサイト(⇩)です。
一般的に、誰かを「好き」になったとしたら、その人をその後もずっと変わらず終生好きでい続けること、不変的で永続的な愛を目指すことになっていると思います。不変的で永続的な愛こそが本当の意味での愛であり、途中で好きでなくなったとしたら、それは本当の意味では「好き」ではなかったことになる、そういう考え方がなんとなく共有されていると感じます。このことにも、私は乗り切れなさを感じています。
不変的で永続的な愛を目指すということは、「もう他の人は好きにならない」という前提とは少しちがって、なんとなくの理想として人々のあいだで共有されていることのような気がします。実際のところ、多くの人は、終生変わらず一人の人のことを好きでい続けるなんてあまり現実的ではないと感じているのではないでしょうか。
不変的で永続的な愛は存在しないものかもしれません。でも、人は結婚に際して、永遠の愛を誓うものです。結婚してから他の人を好きになることは不倫なので、許されることではないでしょう。二人の約束・誓いを破るわけですから。それなら結婚しないほうがいいです。結婚制度の中で愛を誓わない人なら、そりゃ何人でも好きになればよろしいかと思います。
「光の君」を観ても、平安時代には三角、四角、五角関係などなど、かなり自由に生きていたわけです。人にはそれぞれの価値観があって、何をよしとするか、本来は自分で決めれば良いのです。(人に迷惑かけなければ)
仙人のように山の中で一人で住むなら別ですが、社会生活をする上ではいわゆる社会の通念や常識、慣習や決まりなどと、どう折り合いをつけながら生きるかも視野に入れねばなりません。
まあ、人生いろいろあってむづかしいけど、自分に素直に生きるのが一番、と私は信じています。
Life is complicated…but stay true and honest to yourself.