「キャンプ 便利グッズ」を探す
私は車を持たず、乗りもしないままゴールド免許を所持しているペーパードライバーである。ゆえに大荷物を抱えた外出は出来ないし、しない。2泊3日の旅行でもスポーツバッグとリュック1つに荷物をまとめて公共交通機関を利用する。もちろんキャンプになど行かない。ただ、キャンプをしないくせに「キャンプで使う道具を眺める」のが好きだ。あまりにも珍妙な趣味である。自分のことなのに自分で理解しがたい不思議なことをやっているし、その自覚もある。
Amazonで「キャンプ 便利グッズ」と調べるといろいろな商品が出てくる。それらを見て「わあ便利そう」などと適当なひとりごとを吐き出す。恐らく本当にキャンプを楽しんでいる人からすれば「そんなもの不要だ」と思うようなものが多くあると思う。そんな商品を「ほしい物リスト」に放り込んだりして楽しんでいる。いや、キャンプに行きもしないくせに何が楽しいんだ、これ。なぜこんなことをしているのだろう。やめられないのだろう。考えてみることにした。
「キャンプ」という趣味は、モノ・情報に溢れた現代社会を抜け出して自然のなかで過ごすことで「不自由を楽しむ」という側面がある(と私は理解している)。ということは「キャンプを快適にするための便利なグッズ」というものはそもそもそれ自体が矛盾した存在と言えるのではないだろうか。その違和感が「キャンプ 便利グッズ」に惹かれる理由になっているのではないだろうか。
そこまでのことを潜在的に感じ取っているかどうかは分からないが、答えが出たとしてもきっとキャンプに行くことはない。いつまでも本当に使えるかどうか分からないグッズを眺めて楽しむだけ。でもそれでいい、十分楽しいから。