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【これ理解しないと練習がムダ】 TRメニューにおける4つのフェーズ解説 【コーチ必見】
※今回の内容はサッカーコーチにとって絶対に理解必須な内容となっています。
今の時代、インターネット上にはたくさんのトレーニングメニュー動画や説明が広がっています。携帯片手にとてつもない量の情報が見れるわけなので、とても有難い時代だなと思う一面、そのネット上に広がるメニューをそのままコピーしても意味がない。
また、「このTRいいな」と言って何の意図や背景もなく単的にそのTRを切り抜いてチームに落とし込もうとしてもほとんど意味がなく、それよりも重要なことはその1日のTRの中にパフォーマンスの前進が見られるかどうか?そのためのデザインができているかどうか?にあります。
以前こちらの動画ではその1日のTRの設計方法「プログレッションメソッド」を紹介しましたが、これはみなさんが行う1メニューの中にも同様で理解すべきフェーズが存在します。
【参考動画】プログレッションメソッド 徹底解説
ということで今回は「TRの質が倍増する、1メニューにおける4つのフェーズ理解 」というタイトルでインプットしていきます。
みなさんが指導をする選手たちが、パフォーマンスを改善するために指導者として理解必須な内容なのでぜひ最後まご購読ください!
【この記事を書いている人】
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【当記事をさらに詳しく動画で視聴】
TRの豊かさを生み出す4つのフェーズ理解
結論から言うと、15-20分ほど行われる1つのTRメニューの中には4つのフェーズが存在すると言うこと、そしてその各フェーズごとに僕ら指導者は異なった介入の方法を行う必要があります。
4つのフェーズはこんな感じです⤵︎
1.適応フェーズ(ADAPTACIÓN)※5分
2.習得フェーズ(ADQUISICIÓN)※7分
3.パフォーマンスフェーズ(RENDIMIENTO)※5分
4.疲労フェーズ(AGOTAMIENTO)※3分
メニューが全部で20分と仮定したとすると、個人的な各フェーズのタイムは上記の通りですが、この時間も以下の条件によって左右します⤵︎
-新しく導入するメニューなのか?
-常にルーティンとして導入するメニューなのか?
-選手が集中しているかどうか?
-準備したキーファクターの量は?
-選手の疲労レベル(身体的/メンタル的)は?
分かりやすい例を挙げるとすると、スペイン育成でもほとんどのチームが導入をするロンドのような、そのチームにとって一種のルーティン化されているメニューと、週末の対戦相手も加味したメニューではそれぞれのメニューへの適応に要する時間は変化します。
それではここから順に、各フェーズの目的と指導者の具体的な行動を見ていきます。
①適応フェーズ(ADAPTACIÓN)
初めのフェーズは適応フェーズ。選手たちがそのメニューの:
-メニュー構造
-ノルマ
-巡り合う状況
-ポジション(そこから見える景色)
etc…
これらのポイントに適応していく重要なフェーズです。
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先ほども話した通り、そのメニューが普段から何度かリピートされているのであればこのフェーズの時間は縮小されます。どとらにせよ、指導者が事前にこのフェーズの存在を理解し定義できていると、ファーストプレーにおけるアクションミスから怒鳴り散らかすようなことはなくなります。
このフェーズにおける指導者のタスクは以下:
-最初から起こしたい現象が100%出ることはないことを伝える
-技術的エラーへの指摘は極力控える
-選手が、メニューの構造やノルマに理解を示せているかを観察
-フリーズは行わず、極力プレーに継続性を与える(失敗させる)
②習得フェーズ(ADQUISICIÓN)
次に出現するフェーズが習得フェーズです。選手たちは、第一フェーズを通しそのメニューの構造やノルマの理解、直面する状況や問題を把握しました。
この第二フェーズにおける選手の目標は以下です⤵︎
-問題に対するソリューションを思考する
-より適切なソリューションを決定する
4つのフェーズの中で、選手にとって最も頭を使い脳的インテンシティが増加するフェーズでもあります。
このフェーズにおける指導者のタスクは以下:
-過度な介入を避ける
-簡単に解決策を与えない(忍耐)
-中立的な立場でフィードバックを与える(このスペースを見てみて!◯◯に注意して!)
【参考動画】正しいFEEDBACK実践方法解説
③パフォーマンスフェーズ(RENDIMIENTO)
直面する問題を解決するための効果的な策を見出した第二フェーズの後はパフォーマンスフェーズの出現です。
見出したソリューションを、何度も何度もトライしパフォーマンスとして成功体験へと持っていくフェーズでもあります。
起こしたい現象がなかなか出なかった第二フェーズに比べても、現象がみられることの多くなる第三フェーズにおける指導者のタスクは以下:
-達成したい戦術アクションに関わる技術エラーの修正を行う(技術と戦術は切っても切り離せない関係です)
-ポジティブな声かけを意識する(成功体験の記憶化させる)
-フリーズを導入するのもあり→彼らの中で見出せなかった異なったソリューションの提案
【参考動画】指導者が練習に介入することで生じる3つの弊害とフリーズを行う際の2つのポイント
④疲労フェーズ(AGOTAMIENTO)
最後に訪れるのが疲労フェーズです。
これまでの3フェーズを重ねる中で選手たちはそのメニューにおける最善策を見出し、プレーとしても現象を起こしてきた中で、彼らにとっての刺激が減少し、メニューに対する集中力や認知力が一気に減少するフェーズになります。(メニュー自体は残り3分ほどのイメージ)
そんな最終フェーズにおける指導者のタスクは以下:
-メニューに休憩を置き、振り返る時間を与える
-見出した解決策と実際の週末の試合とをリンクさせ重要性を訴える
-新たなノルマを導入する(第三フェーズの残り数分からでも可能)
ここまでが今回の記事で紹介したかったTRメニューにおける4つのフェーズ内容です。今一度、みなさんも自分の指導を振り返ってみて、少しでも改善できるようなことにつながっていると嬉しく思います。
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