【困ったときはこれ】 4vs4+3フリーマンが最強なワケ 【パフォーマンス識別トレーニング】
「今日のトレーニング何しようか?」
「アイデアが思いつかない…」
サッカー指導者をしているとこのような経験は誰にでも1度はあると思います。バルセロナの育成年代で指導をしていても、リーグ戦の対戦相手の情報が十分にありその相手への準備を明確にできればTR設計も簡単ですが、場合によってはスカウティングの時間がなく相手の情報がなかったりそれ以外にも怪我人が続出していて思うようなTRができないような時に「何をしたらいいかわからない…」ような状況は長いシーズンを通して必ず訪れることです。
そんな時に、「迷った時はこれをやる!」のような必殺な練習メニューを持っておくと便利だとは思いませんか?
そこで登場するのが4vs4+3フリーマンな訳です。
と言うことで今回の記事ではなぜ4vs4+3フリーマンの形式が便利なのか?なぜチーム状況や背景に関係なしに有効活用できるのか?具体的な理由とともに説明していくのでぜひ最後までご覧ください。
こちらの記事を動画で視聴されたい方はこちらから。
【この記事を書いてる人】
-バルセロナの育成現場が少しでも気になる方は以下必読!-(定員残り4枠)
パフォーマンス識別トレーニングとは?
まず初めに、タイトルにも書かれている「パフォーマンス識別トレーニング」の定義について説明していきます。
パフォーマンス識別トレーニングとはズバリ以下の定義です↓
我々が生きる育成年代という世界。もちろんチームとしての勝利を目指しシーズンを過ごす部分もありますが、やはり1人1人に目を向け適切なパフォーマンス向上がなされているか?を評価することは我々の責務でもあります。
そのような時に、シーズンの中で定期的なピリオドで彼らのパフォーマンス評価を下せるようなメニューがあればいいですよね。
では一体どのようなメニューがこのパフォーマンス識別TRに適しているのか?
それこそが今回紹介する4vs4+3フリーマンな訳です。
なぜ4vs4+3フリーマンなのか?
ここからメニュー自体の構造も含め、なぜ4vs4+3フリーマンが有効なのか?
結論から言うと「各モーメントごとに選手が必要とする普遍的コンセプトの習得をバランスよく行うことを可能にする」です。
では実際に、4vs4+3フリーマンにおいて彼らがどのようなコンセプトを改善し、習得できるのか?を見ていきましょう。
4人構成のチームを2つ作ります。守備チーム(赤)は4人全員がグリッド内で守備を。攻撃チーム(青)はグリッド外(図のような配置)でボール保持に努めます。3人のフリーマン(黄)の配置は2人が外(両サイド),1人がグリッド内です。
また細かいようですが、この形式を”ポゼッション形式”の1つとして定義をする指導者も多いですが、個人的にはロンドの一種として定義します。
※参考動画
外側のフリーマンの立ち位置はあくまでも参照です。プレーの流れによって動的に高さを調整する必要があります。
これら3つのテーマは優先的に固定して彼らに発信しようといったものとなります。
※③に関してはコチラの動画で詳しく説明をしていますが、個人的にはこの夏日本に帰国しセッションを行なった際もそうでしたが、日本人プレーヤーが苦手なコンセプトの理解の1つかなと思います。ボール周辺にはいない遠い選手は「自分には関係ないや」と足を止めてしまう。ゾーンを2つに分けて行うようなポゼッション形式でも同様です。ボールがあるゾーンとは違ったゾーンにいる選手の思考と足が停止してしまいます。
どのくらいの回数と頻度で行うべきか?についてですが、最低でも月に1度、多くても毎週1度は導入できると彼らのパフォーマンスのプロセスが十分に観察できると思います。
例えば、リーグ戦文化なバルセロナの育成年代では次節の準備の必要性がまだ薄い週初め月曜日のセッションのタイミングでこのような”背景(プレーモデル)なし”のメニューを導入することは多いです。
歴史から見る4vs4+3フリーマンと現代版4vs4+フリーマン
ここでこのメニュー形態を少し違った角度から見ていきます。時代は遡りオランダの名称クライフがバルサを指揮していた頃にも頻繁に導入されていたこの4vs4+3フリーマン。
当時はメニュー内でより攻撃面つまりボール保持時に発生するコンセプトにフォーカスを当てながら行なっていたコチラのメニュー。それが時代が進みグアルディオラがバルサに就任した頃は、構造自体は同じでもよりボールを失った直後のプレスに焦点を変えたという背景がありました。
攻撃チームが4本以上ものパスをつなぐのを見ると、すぐさまグリッド内で守備をするチームに檄を飛ばしトランジションが発生しやすい状況を引き立てていました。
何が言いたいかというと、メニュー自体の構造は同じでも指導者が優先する/焦点を当てるコンセプトが変わればメニュー自体も変動してしまうと言うことで、固定テーマは持ちながらもどこにより着目するのか?を各自持つことが重要となります。
モーメントごとの具体的な目標
ここから実際にこの形式を扱うことでどのようなコンセプトの習得が可能になるのか?をモーメントごとに整理しながら見ていきます。
まずは攻撃時のコンセプトから以下の10個
-参考記事-
次にボール非保持時の目標は以下の2つ
-参考記事-
-参考メニュー動画-
選手が飽きないためのバリエーション構築
ここまで、構造とメリットも含め4vs4+3フリーマンを見てきましたが、1つ言えることは常に同じ構造で実行してしまうと選手も飽きてくると言うこと。
バリエーションを加えてあげないと刺激がなく、モチベーションも上がらない。と言うことでここからはいくつか4vs4+3の参加人数は同じですが異なったバリエーションを見ていきたいと思います。
例えばコチラのトレーニング↓
構造は以下のようなものです↓
明らかにGKと言う特定のプレーヤーが配置され、攻撃チームは中央の小ゴールを目指し、守備チームがボールを奪うと大ゴールに向かって速攻をトライします。より継続性と強度も上がるので、1つのバリエーションとしては非常に有効なメニューです。
もう1つと大きなバリーションとなるのが、スペースの調整です。例えば図の左のような設定だと、深さというよりはベースゾーン(相手のファーストラインDFの後方のゾーン)のスペースの方が大きいことが見れるのでここでのプレーに興味があります。
逆に右側のように幅よりは深さの確保の方があるので、リアリティを表現するために前後のフリーマンにGKを導入してみても面白いかもしれません。
どのような発展方法が考えられるか?
最後にここまで見てきた4vs4+3フリーマンをどのように発展させることが可能か?を見ていきます。ここまで見てきた4vs4+3フリーマンはどちらかというとミクロなシチュエーションでのトレーニングでしたが、最終的に我々はトレーニングで行なったことを実際の試合へと転換作業をしないといけないという責務もあります。
スペースの大きさや参加するプレーヤーの人数を含め、リアルを求めたいとなるとここから発展させていかないといけません。
発展の方法は複数存在しますが人数構成と配置から見ると、特に7vs7が転換しやすいと個人的には思っています。皆さんはどう考えますか?
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