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選手を恐怖で支配するヤバい指導者の4つの行動とは?

いきなりですが、育成年代の選手たちが何かを学び、成長していく過程に弊害になることって何でしょうか?

みなさんの頭の中にもいくつか思い浮かぶことがあると思いますが、個人的にはそれは間違いなく「ミスをすることを恐れながらプレーすること」だと思ってます。

これからの成長著しい彼らにとって、これほどに弊害になることはないです。指導者の皆さんも昔に自分がプレーをしていた頃、ミスをすることを恐れながらプレーし、ミスをするたびにコーチや親の機嫌を伺っていたことってあるんじゃないでしょうか?

ではなぜこのようなことが起きてしまうのか?やはり原因は常に大人。我々指導者、もしくは保護者の言動にあります。

ということで今回は「選手の恐怖心を掻き立てる、指導者がやってはいけない4つの行動」というタイトルで共有していきます。

特に最後の4つ目の行動は、みなさんが良かれと思って普段から行っていても、実は選手にとっては恐怖心が生まれる行動だと思っているのでぜひ最後までご購読ください!

【当記事を動画視聴】

【この記事を書いている人】

高田純 // JUN TAKADA


なぜ恐怖心を持ちながらプレーすることが危険なのか?


選手の恐怖心を掻き立てる指導者の4つの行動の紹介に入る前に、そもそもでなぜミスすることを恐れながらプレーすることが育成年代の選手にとって大変危険なことなのか?を具体化していきます⤵︎

①プレーの積極性を失う
②創造性を失う
③楽しむことを失う

①プレーの積極性を失う

「ミスすると怒られる…」が頭によぎれば、プレーへの積極性/主体性を失うことは一般的には当たり前なことです。ピッチ内で自分を表現することをせず、できる限り露出の少ないプレーの選択を迫られることにもつながります。

②創造性を失う

ミスをできる限り無くすためには、選手たちは可能な限り安全なプレーを選択する習慣を身につけてしまいます。もともと備えているその選手のクリエイティブな部分をもかき消してしまうことになるわけです。能力を買われ、ステップアップしたクラブ先で思うようなプレーが発揮できず、失敗への恐れが増加する際にもよく見られる現象です。(育成年代から移籍文化が根付いているスペインでもよく見られる光景です)

③楽しむことを失う

これが一番怖いことです。特に育成年代、それもより早いカテゴリーにおいてです。「楽しい」という子供の純粋な気持ちからスタートしたフットボールが彼らにとっての「ストレス」へと変わる。これほどに残酷なことはありません。

※【参考】サッカー育成年代における3大重要要素とその優先順位⤵︎

選手の恐怖心を掻き立てる4つの行動

ここから本題に入ります。僕が指導者という立場ということもあり、同じ指導者の方へのメッセージとしてメインに書いていますが、これから紹介するNG行動に関しては、サッカーをプレーしている子供の保護者にも十分に当てはまるものとなります。


①エラーを罰し、エラーを学ぶための宝として見ない
②怒りと共にリアクションを行う
③選手を攻撃しながら修正をする
④過度なFEEDBACKを与える

①エラーを罰し、エラーを学ぶための宝として見ない

選手がエラーをした際、我々指導者の行動は大きく2つに分けられます⤵︎

①エラーに対し罰を与え、「あなたはミスしたんだ」追い討ちをかけるように指摘する(そんなこと選手自身はわかってる)
②成功体験を生成するために、エラーを1つのプロセスとして見る

②にもある成功体験を与えることの重要性はみなさんも一度は聞いたことがあると思いますが、この成功体験を与えるまでのプロセスには彼らにとって経験すべき必要なエラーがあるということを理解する必要があります。(失敗+失敗=成功)

そんなエラーに対して、罰走などの罰を与えるようなことをしてしまうと「また次のプレーでミスしてしまうと、罰走だ…」とトライをやめてしまうことはごく普通なことです。

特にまだサッカーをスタートしたばかりの小学生年代においては、必要なコンセプトの習得段階にいる中で、指導者自身も忍耐を持ちながら「今の彼らにとって必要なミスなんだ」と理解しながら現場に立つことが求められます。

【参考動画】選手が犯す3つのミスタイプを徹底解説


②怒りと共にリアクションを行う

何かミスが起こるたびにベンチから苛々を表現し、怒鳴ったりジェスチャーに明らかに現れたりするような指導者がいると思います。

選手たちは僕ら指導者が思っている以上に我々のことを監視し、分析しています。この1つ1つの過度なリアクションが彼らにとっての恐怖を掻き立てていることを理解しなければいけません。

選手もまずは人間ですから、「誰かに評価してもらいたい」「褒めてもらいたい」という感情を持つことは普通です。そんな彼らが、ベンチやスタンドの様子を見た時に、怒りを露わにする指導者や保護者の様子を見ると、それが次のプレーへの恐怖心へと変わるのです。

【参考動画】練習”開始前”に行う4つの”コツ”とは?

↑こちらの動画でも紹介していますが、トレーニングの始めの3分は彼らがそのメニューや巡り合う状況に適応していくために必要な宝の時間です。これは試合においても同様です。

試合開始直後から、ミスが生じるたびに選手に怒鳴り散らかす指導者がいますが、これもまた経験すべき必要なエラーということを理解する必要があります。

③選手を攻撃しながら修正をする

何か修正を計らう際に攻撃的な姿勢で行ってしまう。これもまた彼らの恐怖心を掻き立てる原因となります。

暴言や汚い言葉を用いて彼らに発言することは論外ですが、もう少し具体的に言うと例えば練習中のミーティングや、ハーフタイムの際に”個人”よりもチーム全体に対しての”集団メッセージ”を意識することが重要です。

【参考動画】指導者のハーフタイム5つのNG行動を解説!

チーム全体のミーティングの際に、個人名を出しながら何か個人的な指摘や修正をしてしまうと指摘を受けた選手にとっては何か公開処刑を受けているような感覚になることもあります。

明らかな個人エラーが生じた際でも、指導者は一歩我慢してチーム全体の前ではそれを指摘はせず、後に個人に歩み寄り会話をする時間を設けることが大事です。

④過度なFEEDBACKを与える

指導者の重要役割の1つに、彼らのパフォーマンス向上を図るがあると思います。
ただ、その際に行うFEEDBACKの量的側面やタイミングには注意しなければいけません。彼らのなかで、指導者からの”過度”な指摘やFEEDBACKを受けた時、何かネガティブな感情や恐怖心のようなものが芽生えてしまうことがあります。

本来彼らのためにと思い、行っているはずの修正や指摘が彼らにとって何か1つの”罰”のような認識に変わってしまうことは一番避けたい事です。

このような現象を防ぐための解決策の1つに「エラー後の修正ではなく、アクションの成功後のFEEDBACKを優先させる」があります。


【参考動画】【選手のパフォーマンスを向上させる】正しいFEEDBACK実践方法


以上ここまでが「選手の恐怖心を掻き立てる、指導者がやってはいけない3つの行動」の紹介となります。1つでも当てはまるような指導者/保護者の方がいたら、少しでも参考になればと思います。


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