2021年 最新 「アナリスト」を徹底解析 中編
今回の記事では前回の記事”前編”の続きを書いていきたいと思う。
記事の流れがあるので、前編をまだ見ていない方は是非見て欲しいと思う。
1,【定量分析】と【定性分析】
では本題に入っていくのだが、前回の記事では「分析のプロセス」の②【情報分析】で終えたかと思う。
そこで出てきた【定量分析】と【定性分析】の具体的なメリット・デメリットから見ていきたいと思う。
まずは①定量分析
以下の図にも書かれているとおり、定量分析のメリットには大きく分けて3つがある。
❶数値化した情報やデータを分析する ❷客観的で判断のプレが少なくなる ❸コミュニケーションやプレゼンに説得力が増す
逆にデメリットとしては2つ。
❶大局的な情報を読みとれない可能性がある。❷過去のデータに基づく
一方で定性分析のメリット・デメリットを見ていこう。
まずはメリットには大きく分けて3つがある。
❶数値で表せない情報やデータを分析する ❷過去に囚われない ❸全体の問題や論点を大局的にできる
一方でデメリットには2つあり、
❶客観性に欠ける ❷評価リスクを考慮する必要がある。
となる。双方の分析方法にメリット・デメリットが存在するわけだが、ここで一番理解をする必要があることは、どちらが正解という絶対はなく双方の分析法を使い分けていくことが大切となる。
また、私自身ここの分析法のタイプまたはメリット・デメリットに関しては、現在スペイン・バルセロナの4部リーグに所属するeuropaというチームで現役のアナリストをされている西崎氏のセミナーにて多くを学ばさせて頂いた。
ただ、彼が言っていたのは2つのある分析法においてもスペインの現場では圧倒的に【定性分析】を用いるアナリストが多いと発言していた。
2,プロセス③ 「レポートの準備」
次に、三番目のプロセスである【レポートの準備】を説明していく。
ここの作業で作成したレポートをもとに最後の段階【情報の伝達】に進むことになるので、より整理されたレポートの作成が重要になる。
まずはレポートを作成する際の項目の基準から見ていきたいと思う。
以下に6つの項目が書かれているが、実際に資料を作成していく際もこの順番で作成されることが望ましい。
❶敵チームの選手情報 ❷前節のスターティングメンバー ❸プレーの構造と選手交代パターン ❹集団的分析 ❺個人的分析 ❻セットプレー
また、これらを作成していく際に「書面報告」と「視聴型報告」に分けて作成していく必要がある。
その中でも、「集団的分析」・「個人的分析」・「セットプレー」の項目の関してはテキスト+動画の両面で作成する必要がある。
また、以下のように的チームの情報分析をする際に、完全にテキストに起こしたページと画像付きで説明されているページに分けて作成をするとより選手や監督に対して伝わりやすくなる。
ちなみにこの画像に起こして説明をする方法をスペインの現場では「マップ化」と表現される。
この作法は、プレーモデルを作成する際にもおすすめとなる。
ここでは動画を記載することはできないが、例えばセットプレーの分析でも動画に追加して以下のような画像とテキストが記されているページがあるとより具体的な説明が可能になる。
ちなみに、ここまで載せてきた画像は私が実際に3シーズン前にアナリストとして帯同していたチームで使用していた資料の一部だ。
当時衝撃だったのは、これまで記事内で話してきたような内容を小学生年代の低学年から毎週のように行われていることだった。
グランドには、ビデオセッションを行うプロジェクター付きのビデオルームがあることが当たり前の環境。素直に彼らが羨ましいとも思えた。
少し話は逸れてしまったが、今回の”中編”はここで終わり。
次の後編記事では、最後のプロセス「情報伝達」について話していきたいと思う。
ありがとうございました。