
【理解必須】 明日から実践可能なパフォーマンスが向上する4つのロンドタイプ解説
今回の記事では重要なサッカーのトレーニング形態の1つであるロンドについて深堀りしていけたらなと思います。
【参考動画①】 ”知らないと恥ずかしい”ロンドでギャップ(縦パス)を通す方法徹底解説
過去にも多く取り上げているテーマなので、「またロンドかよ」と思われた方もいるかもしれませんが、これだけ異なった角度で取り上げるということはそれだけプレーヤーのパフォーマンス改善において重要な役割を果たす形態だという認識の元、自分が指導をするバルセロナの育成現場でも多くのスペイン人指導者がトレーニングに導入しています。
そんなロンドですが、間違った認識のもと実行してしまっていないか?を今一度に見つめ直す必要があります。
なんとなく遊びにしかすぎないという認識の楽しむだけのロンド。もちろんそのような利用シーンもあるわけですが、ロンドに対する基礎マインドの部分を変えていかないといけないなと正直思ったりするわけです。
現バルサ監督 キケ・セティエンが考える「ロンド」の重要性。 pic.twitter.com/MJ3738KyUj
— Jun Takada / 高田 純 (@ney10jun) March 30, 2020
ということで今回の記事では、「ロンドを行う際に最低限意識する3つのパスラインと4つのロンド実行タイプ」というタイトルで皆さんに共有していきます。
指導者としてもしくはプレーヤーとしても理解しておかなければいけない内容なのでぜひ最後までご購読ください。
※この記事の内容を動画でご視聴されたい方はこちら↓
【この記事を書いている人】

ロンドで意識するべき3つのパスライン
まず初めに、ロンドを実行する際に選手が意識しないといけない、指導者としては最低限キーファクターの材料として理解しておかなければいけない3つのパスラインについて触れていきます。
この内容に関してはこれまで他記事の中でも少しばかり触れたこともあるので、よりコンパクトに触れた後に、今回のテーマである4つのロンド実行タイプについて触れていきます。

画像上にも書かれている通り、3つのパスラインとは次の3タイプを指します↓
❶ 1ライン : 継続サポート
❷ 2ライン : 固定サポート
❸ 3ライン : 前進/超えるサポート(最終目標)

ご覧の通り3つのパスラインの背景にサポートを行う戦術意図と当てはめながら定義をしています。
【参考動画②】【前編】サッカーにおける6つのサポート種類 徹底解説
❶と❷のパスラインを見るだけでも、自分がボールを受けるための継続サポート、自分が受けるのではなくそのサポートによって相手を固定(ピン留め)し、味方に利益を与える(縦パスをつくためのパスコース生成)サポートと、この小規模なロンドの中だけでもボールを”受ける”以外にも、小学生の低学年からでも植えつけることは可能なわけです。
また❸にもある「前進」ですが、この戦術意図を達成するためにはもちろん❶のような”配置的要素”も重要なのですが、それ以上に根本的な”プレーリズム”が重要となります。配置だけを切り取って考えても前進という目標は達成できません。
プレーリズムに関しても、プレーリズムを上げる=早くプレーする=ワンタッチでプレーするのマインドは危険です。プレーリズムというのは何も上げるだけではなく緩めるも含まれ、いかに緩急(休憩を交えた)をプレーに与えることができるかが重要と考えます。
画像上には以下の3つのポイント(キーファクター)もまとめています↓
❶縦パスのオプション(前進サポート)となる→フリーで受けられるスペースを認識
❷近くの選手は継続サポート,遠くの選手は前進サポート
❸体の向き→一方方向にしかプレーできないことを防ぐ
❶ですが、例えば育成年代でもトップの試合でもビルドアップにおいてよくあるエラーの一つに”ボール保持者は遠くにいるフリーマンを認識できているが、受け手の選手が自分がフリーマンだということを認識できていない”ことがあります。この認識不足によって受け手の選手がコントロールをミスしてしまったりとボールを失ってしまうケースは多くあります。
トレーニングの中でもよく指導者がボール保持者にだけ向かって「顔を上げて遠くを見ろ」「フリーマンを見つけろ」などの指示を出すことが多いように思いますが、同じく受け手の選手への意識づけも重要となります。
また❸の体の向きについてですが、もちろんプレーの選択肢をもつために体の向きを作ることを意識することは重要です。ただ、特にプレー展開が早いロンドにおいて体の向きを作ることが間に合わないモーメントも発生することはもちろんあります。そのような時に便利で有効になるのが以下の動画でも紹介しているノルマです。
【参考動画③】バルサコーチから聞いたロンドで失敗しないための2つのノルマ(効果絶大注意)
また、前進サポートとは書いているものの画像の例に挙げている4vs2のロンドでは、縦パス(前進)が通ったとしてもまたロンドがすぐに再開されるので、試合への転換作業という意味ではあまり効果的ではありません。
そこで今から紹介するロンドタイプを見ていただければ、そのような不完全な部分を補えることにつながります。
ロンド4つの実行タイプ解説
次に見ていくのが、今回一番発信したかったロンド4つの実行タイプになります。数々の種類があるこの練習形態においてみなさんもたくさんのバリエーションを持たれていると思います。
何なら今の時代、ネット上でたくさんの練習パターンお情報が取得できる中で、それだからこそ改めてロンドのタイプを言葉にして整理すべきです。今回は自分の中で名詞化をしている4つのロンドタイプを順番に見ていきます↓

❶ベーシックロンド
❷ダイナミック(2ゾーンロンド)ロンド
❸ポジショナルロンド
❹ダイナミック+ポジショナルロンド
❶のベーシックロンドに関しては先ほどの例にも出てきた4vs2のように、1つ縮小されたグリッドの中で行うタイプになります。
そこから少し発展をさせたタイプが❷のダイナミックロンドです。このタイプを見たときに、グリットが2つに分かれていることやプレーの参加人数から見て「あれ、これロンドじゃなくてポゼッション形式なんじゃないの?」と思われる方もいるかもしれませんが、スペインの指導者学校でも定義されているようにロンドというのはあくまでもポゼッション形式の1つのタイプとして定義がされます。
正直この辺りの分類方法は人それぞれなので正直そこまで重要ではなくて個人的にはこの❷もロンドの1つとして定義をしています。
また、初めにも言いましたが前進という目的を達成するにはまだ不十分なベーシックロンドからこのダイナミックロンドというはボールを届けないといけない明確な方向性が生まれるタイプです。つまり試合へのリアリティが増します。
以前の記事でも触れた「プログレッションメソッド」内でも触れましたが、こちらで紹介している4つのロンドタイプも徐々にトレーニングの難易度/複雑性が増加されてることがわかるかと思います。
その次の❸ポジショナルロンドでは真ん中の線を省き、よりプレーヤーに自由を与えながらデザインを行います。ただここでさらに可能な分類としては、このポジショナルロンドの中でも試合を想定したポジションいわゆる「あなたはSBであなたはボランチね」のような特定されたポジションで実行するパターンと決められたポジションはなしで行われるタイプに分けることができます。それぞれの利用シーンについては初めにも共有した動画内で説明していますのでぜひご覧ください!
そして最後❹ダイナミック+ポジショナルロンドでは、❷と❸を融合した形となります。ここまで4つそれぞれを別々のタイプと説明してきましたが、一番重要なのは先ほども少し触れた「いかにメニューの難易度の段階を作れるか?」このスキルが求められます。
ということで今回は改めて、ロンドの重要性を唱えながら何点か重要なポイントを整理した発信となりました。
他にもたくさんのタイプに定義ができるロンドです⤵︎
【PART 1】小学生からできる、パフォーマンス改善に有効なロンドメニュー6つ。 pic.twitter.com/tdm2JdtHPg
— Jun Takada / 高田 純 (@ney10jun) June 26, 2024
冒頭にも触れたように、自分も10年間バルセロナの育成を見て現場に出ていますが、やはりこのロンドに対する認識と重要性はどの指導者もものすごく高いです。
少しでもみなさんの指導のヒントになることがあればなと思います!
自分が運営をしている「MLT FOOTBALL THEATER」では、このようなスペインフットボールのリアルな発信と、普段忙しく活動される指導者の皆さんが時間がなくても学びを続けることができる環境をテーマに日々アップデートを繰り返しながらサービスを提供しています。

-スペインサッカーを時間の無駄なく最短7ヶ月で学びたい方はこちら!
https://www.barcelonamltcamps.com/mlt-college
・スペインフットボールを知りたい!
・時間に言い訳なくフットボールを学びたい!
・指導現場での効率化を図りたい!
このような思いがある方はまずはぜひ、HPから詳細をご覧ください!