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【アヤックスから学ぶ】 クリエイティブなサッカー選手の育て方と判断力を向上させる最新方法とは?

先日、以下のツイートでアヤックスアカデミーの施設が興味深いといった内容を投稿すると大変反響がありました⤵︎

今回の記事では、なぜこの施設が育成サッカー年代における施設として大変興味深いものなのか?をさらに具体的に深ぼっていくと共に、サッカー選手の判断力を改善させるための最新の方法を解説していきます。

ということで今回は「アヤックスアカデミーから学ぶ、クリエイティブな選手の育て方」というタイトルで皆さんにインプットしていきます。

ハード面(施設・環境)における発信なので、なかなか実践的な内容ではないかもしれませんが、今回共有する内容が小さなアイデアからでも身近に生かせるものでもあるのでぜひ最後までご購読ください。

【この記事を書いている人】

高田純 // JUN TAKADA

【当記事をさらに詳しく動画で視聴】

ストリートサッカーの減少がなぜ悪なのか?

アヤックスアカデミーの施設の話に入る前に、その施設に共通するテーマでもあるストリートサッカーについて最初に触れていきます。

現代フットボールに目を向けた時、毎回のように挙げられる弊害の1つにストリートサッカーの減少があります。

日本だと、公園でのサッカー/ボールを使ったアクティビティ禁止のようなテーマで話されることも多いと思いますが、このテーマに関しては僕が住むスペイン・バルセロナでも同様に近年頻繁に話される内容です。

実際のところ、外国人である自分から見るとまだまだストリートが健在なスペインの地域もたくさんあるのですが、それでも確かに初めて僕がバルセロナに来た10年前に比べると減少した印象を受けることも事実です。

公園でのボール禁止・高層ビルの増加・タブレットの普及 → ストリートサッカーの減少

上図のように、高層ビルの増加タブレット器具の普及などが要因となり、単純に子供達が外でボールを蹴るような光景を見かけることが少なくなったことはやっぱり悲しいことです。

ではそもそもでなぜストリートサッカーが減少することが育成年代の選手にとって良くないことなのか?

個人的にストリートサッカーが選手に与える重要な要素には以下の4つがあると思っています⤵︎

1. クリエイティブな選手の育成
2. 反射的要素の改善
3. エモーショナル要素の促進
4. 無意識の改善

1つ目の近代におけるクリエイティブな選手の減少は、著名人も口を揃えてその問題点に対する指摘を行っています。

「今の若者たちは、構造化トレーニングだけをする。そこに”自由”はないのです」

以前こちらの動画でも発信をしたラミンも、幼少期に少なからずストリートサッカーの環境下で育った選手の一人でもあります。

4のフットボールにおける無意識促進の重要性はかなりのボリュームになるので、また別の記事で共有する予定ですが、今回は一番伝えたかった3.エモーショナル要素の促進について見ていきます。

最適なプレー決断に必要なエモーショナルルートを整えるとは?

少しストリートサッカーからは脱線するかもしれませんが、みなさんは選手がプレーの判断/決断を行い実行をするまでのプロセスをどのように定義されていますか?

僕が10年前スペインの指導者学校でこのテーマを学んだ際は、以下の考え方を教えられました⤵︎

P(認知),A(分析),D(実行)+E(実行)のプロセス

このプロセスに関しては聞いたことある方も多いと思います。初め3つのPADが戦術的要素最後のEが技術的要素という教えから、戦術と技術は単体としては考えることはできず切っても切り離せないという考え方です。

しかし正直なところこの考え方はすでに古いものだと認識がされており、もはや従来の考え方としてスペイン育成でも話されることが多くなっていることが事実です。(カテゴリーによってはこの考え方が採用されることもある)

では現在の考え方を見ていきましょう⤵︎

5つのセミサークル要素を改善する

現在の考え方として、この判断/決断要素を促進するためにはその周りに存在するこれら5つの要素(無意識的要素、感情要素、意識的要素、経験要素、反射的要素)の改善が必要だと定義がされています。

5つの要素全てが重要となりますが、個人的にはその中でも反射的要素、感情(エモーショナル)要素の2つが重要な役割を担うと考えています。

この反射的要素に関しては、前フットサルU-20日本代表監督で鹿島アントラーズトップコーチとしても活躍をされている鈴木隆二氏も以前にフットサルやストリートサッカーを通して身につく要素だと話されていました。

ヨーロッパで活躍をする南米の選手を見ていても、この反射レベルの凄まじさが判断力の引き上げに貢献しているような印象を受けます。

ではもう1つの重要要素であるエモーショナル要素(感情要素)とはどういうことなのか?結論、この要素こそが、ストリートサッカーあるいはこの後に見ていくアヤックスアカデミーが掲げる施設へと密接に関連してくるわけです。

こちらの図でも見れる通り、エモーショナルとは少し言葉を変えて興奮を掻き立てると定義します。

そもそもでサッカー選手が何か新しいアクションやコンセプトを学ぶ際のサイクルの一番初めのプロセスには「興奮」があります。当たり前の話ですが感情的に、高ぶった状況でないと何かを学びたいという気持ちにもなれないという考え方です。

つまり、まずは感情的なマネジメントやトレーニングの構造(選手は競争が好きだから競争要素は必須)を整えてあげること=学ぶ姿勢を整えることが最初のプロセスつまり、感情がプレーの実行をコントロールするということです。

ではこの感情を生み出す方法にはどのようなものがあるのか?その1つにこのストリートサッカーがあると思っています。こちら上図の右にも書かれている通り、自然的に選手たちの好奇心を掻き立てるようなゲーム形式(ストリートサッカー)を行うことで、ドーパミンを放出し学びを行うための脳を整えることができるという構造です。

この考え方から見ると、それがストリートサッカーではなくてもチーム内の練習においてミニゲーム形式を積極的に取り入れることもかなりおすすめです。(ミニゲーム形式の重要性に関してはまた奥が深い内容なので別の記事でまとめて発信します)

アヤックスアカデミー施設の意図と魅力

これまでの内容を介して、最後にアヤックスアカデミー施設の価値について触れていきます。

こちらの動画内に流れる彼らの施設を見るだけでも、今回の記事で見てきた内容と通じる部分があることはわかると思います。

施設のメリットをまとめるとこんな感じです⤵︎

-異なったタイプ/サイズのスペース
-異なったタイプの地面
-指導者(大人)の介入がない
-1vs1, 2vs1, 1vs2のような縮小されたプレー状況

これらの異なった環境設定が選手の脳に刺激を与え、楽しみながらサッカーを学ぶというプロセスを自然に行っています。

ストリートサッカーの減少は時代の傾向として防ぐことの難しい要素となりつつある中で、その中でも可能な限りストリートサッカーとの距離を離さないような意図が見受けられると思います。

坂道ダッシュ用?陸上スペース
サッカーテニスコート?
バスケットコート

動画内には映し出されていない他施設の画像を共有しましたが、ご覧の通りフットボール以外の他競技のスペースが設けられていることがわかります。マルチスポーツへの重要性が近年特に唱えられる傾向にある中で、これだけを見てもたくさんの意図を持った環境設定が見られます。

あとはやはりみなさんもご存知、ヨハン・クライフが残した功績にはこのテーマに関するものもあり、クライフ財団が寄付をするクライフコートというものがバルセロナ市内にも至る所に設置されています。(日本にも1つあることを最近初めて知りました)

子供達が縮小スペースにおいてゴール付きのミニゲームを行うようなスペースな訳ですが、これもクライフの時代を読んだ意図があるのであればさすがだなと思うところです。

ということで今回の記事では、オランダアヤックスのアカデミー施設を題材に、サッカー選手の判断力を改善させるため、クリエイティブな選手を今の時代に育成する方法を紹介しました。

時代の流れとともに、たくさんの背景が変化するフットボールの世界ですが、我々指導者もその時代の変化に沼らず、日々アップデートをし続けていきましょう。


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