【スプートニクショック】制作費100分の1?のDeepSeekがもたらした第一波でNVIDIAはよろめいた。
1月20日にリリースされた中国製の生成AI、DeepSeek R1が、世界に激震を起こしていて、「スプートニクショック」という1957年の言葉も聞いた。
簡単にまとめると、NVIDIA製の中国向け低性能GPUを使った同AIは、制作費600万ドル。従来の3%の学習コストでトレーニングされ、GPU構成は従来の10分の1ですみ、その性能はGPT-4oに匹敵する。それが無料で公開された。
もう高価なGPUは売れなくなるのではないかということで、27日にNVIDIAの株が売り込まれ、1日で17%下落、日本円で90兆円が消えた。AI関連株も軒並み下げた。
DeepSeekは中国のプロジェクトであるため、データは中国国内のサーバーに保管される。企業、個人、うっかりすると軍事情報も、世界中から中国のサーバーに集まることになる。そこに中国当局がアクセスすることを止める手段はおそらくない。
それを回避する方法もあって、オープンソースなのでシステム丸ごとダウンロードすればよい。どこかの企業なりがサーバーを立ててくれれば、ネット経由でもかなり安全に使うことができる(はず)。
アメリカからと思われる大規模なサイバー攻撃が行われて、しばらく新規利用受付ができなかった。しかし、GPT-4oと同等のAIが無料で使えるなら、多くの人がなだれこむわけで、AppStore日本版の無料アプリランキングでは本日現在1位。
アメリカのAIへの77兆円もの大規模投資が話題になっているけれど、インターネットの時とちがって、AIはこの先どこへ向かうのか、何が実現できるのか、それは良いものなのか、もうひとつよくわからないまま、みんなが走り出しているように思える。
しかしもう、止まることなはいし、止めることもできないのだろうな。