【スプートニクショック】AIは目に見えないザクになる。民主化とパーソナライズの先に起こること。
DeepSeekについて、その2。
とにかくコストの革命が起こってしまったらしく、DeepSeekの制作費は600万ドルということで、例えばChatGPTの1%くらいと概算、学習コストは3%、電力消費も応分に下がる。
そうすると、NVIDIAやGoogle、OPEN AI、Microsoftが支配してきたAI業界の構図が変わる。NVIDIAの株式は1日で17%下落した。
Open AIも、これまでの投資を回収できるのか不透明、というか何か別枠のことを始めない限り、現在のモデルでは無理だろうと思う。もう月に20ドルも課金してくれる人はいなくなる。
これまで、超大国の超巨大企業の手の中にのみAIは存在していて、それをたとえば日本の企業と隔てるのは莫大な開発費だった。お金がたくさんかかる、ということでいわば世界の未来を独占することができた。
それと同等のものを600万ドルで開発できるとなると、AIの民主化が起こる。一企業が、自社のためだけのLLMを作ったり、独自の個性をもたせたサービスを始められる。
その先にあるのは、やはりパーソナルAIというものだろう。コンピュータの世界でメインフレームがすたれてPCの時代になったように。今現在でも、DeepSeekを丸ごとダウンロードして自宅で使うこともできる。
でもそれは今のところ、ローカルAIというのに過ぎなくて、AIがパーソナルなものになるには、ユーザーの過去の言葉やプロジェクトの詳細、問題意識、ものの考え方を覚えていて、長く忘れず、1年、2年とともに過ごすうちに、より関係性が深まり、パーソナライズされていく、人間の拡張機能のようなものになるのだろうと思う。それは目に見えないザクなのか。
グローバルAI→ローカルAI→パーソナライズAI という流れが見えてきて、その第一歩が、価格破壊という形で踏み出されてしまったのだとすれば、これは従来の大黒柱が軒並みゆらぎ始めた可能性がある、と普通にいえるような気がする。