7/3 応用物理学会 KOSEN SC 第1回 VR学術講演会に出席した話
こんにちは。昨日、高専卒の応用物理学会員の博士課程学生有志たちによる学術講演会@バーチャル空間が行われ、常時30人程度の参加者をキープしたまま朝から夜まで無事に終了しました。今回はその参加報告です。登壇はしなかったです('ω')
開催内容
https://sites.google.com/view/jsap-kosensc-vrmeeting
7/3 10:00 スタート(zoom内)
10:15-12:15 教授陣3名によるチュートリアル講演
(半導体ナノワイヤ、量子ドット、SPM)
13:30-16:00 若手8名によるオーラルセッション
(エピ薄膜の物性評価、イメージング、界面物性、多層膜などなど)
プラットフォーム移動でVRChatとYoutubeライブに分散
16:30-18:30 ポスターセッション(6名)
散会後 オンライン飲み会(zoom)
参加者の地域
神戸大院・東大院・九大院・北大院・旭川高専・東工大院ほか多数
配布物
講演論文集として発表アブストラクト14件とチュートリアルのスライド
(形式は応用物理学会学術講演会全国大会のものに準拠のものを事前提出)
利用されていたプラットフォームと機能
・Google サイト 大会告知、申込ページ、資料ダウンロードリンク設置など
・twitter (https://twitter.com/KosenChapter) 進捗、宣伝用
当日ハッシュタグ #kosenscvr #VR学会
・zoom 講演会用
・VRChat 講演会用ワールドを作成・発表ポスターを収集・設置
・LINEのグループ 緊急連絡用
(・Cluster 打ち合わせミーティング用・本番では未使用)
募集告知から非常事態対策まですごい手が込んでいて、運営5名の仕事のやる気をものすごい感じました。初開催の運営+ガチ登壇で準備期間約二か月半という超ハードスケジュールは私ではマネできる気がしない。
感想
「高専卒の学生さんは実験に対する抵抗感が無い」という高橋先生のコメント(一般の学生に対する印象として)がそのまんま体現されたような会になっていました。これは後で述べます。
会自体は非常によくまとまっており、10時に大体の参加メンバーが集結し、司会進行・座長・講演・質疑応答・ポスター会場への移行・中継などそつのない進行で丸一日を回し切っていました。
特に、質疑の時間が特徴的で、各発表に必ず質問がつき、その内容は領域の専門家のものであったと言えます。場が凍ったら私がアホな質問をしてハードルを下げようと思っていたのに、その必要がまったく生じなかったのがすごい(私がいる意味がその時点で消えたw)。アブストが事前提出だったこともあり、座長質問が準備されていたようにも思えます。
学会なので、研究者同士の「議論が出来る」という事が研究会の価値につながると私は考えていますが、この体験がきちんと提示できていた事を確認できたので、実質的な学術講演会として機能したと思います。
いやあ、他の研究会運営の方々に見てもらいたい内容だったなぁ…と思わされる内容でした(登壇者の研究内容が非公開のものも含むため一般公開は無し→(7/7)公開確認後、編集済みビデオが一般公開されました!下の方にリンク置きました)。
閉会後、運営メンバーにお誘いされたので、オンライン飲み会に参加して舞台裏を聴かせてもらいました(半分くらいは私が学会本番中に飲み込んだ質問を投げてただけだけど)。
参加者目線ではあまり気づかない部分で実はバタバタしていたようで、開始30分前にHPが何故かダウンしたときは割と絶望感が漂ったらしい。HPが落ちた後すぐに個別メールとグループラインを使って、情報へアクセスするのに必要なリンクなど一揃い送られてきたので事なきを得ました。
一週間の追い込みでかなりイベントの仕上がりが良くなったとのことでした。そしてもともと運営メンバーが日本中に散在していることもあり、準備期間中どのメンバーにもリアルで会っていない状況のまま開催までこぎつけたとの事です。きわめて今風です。
初の試み、本当にお疲れ様でした。上で書いた作業量は、誰か偉い人から「やれ」と言われても絶対出来ないので、もう完全に自分ゴトの実験モードでそれぞれが進めていたのだろうなと思います。「手が動く」という高専卒大学院生の強みが最大限生きていました。
(7/7追記 イベント開催の様子が編集・公開されたようです)
私とのかかわり
さんざん持ち上げといてアレですけど私べつに高専卒じゃないんですよね('ω')研究室時代に尊敬していた先輩がことごとく高専からの編入組だったお陰で性質を知っているというだけです。
きっかけのツイート
え、私、応用物理学会員だけどそんなん知らんかったぞ…?と二度見した後、つぶやいて様子をみる。
代表の中山さんが釣れる。
えっ、いいの…?じゃあなんか協力できる道を探そう。XRミーティングで登壇してもらえば種々のフラグを建てられるはずや。
まんまと登壇。ヒマなはずないのにヒマなのかな?と余計な心配をする。
本人に言ってないけど、ここに公開資料が載ることが実は一番重要だった。
これがあることで、わたしの前職時代の知り合いの先生方(アカデミア方面)に告知依頼をかける時の材料がそろう。お手伝い先のイベントカレンダーに掲載を取り付ける。
↑を元手にして、刺さる活動が出来るぞ、という確信がえられました。順次、NIMSの中の人に案内を投げ、博士コミュニティの運営の人に投げ、そしてサイエンスコミュニケータのメーリングリストに投げてみました。いろいろ組み立てていった結果、応用物理学会の北海道支部長(現職)名義で支部会員全員に開催案内が配られることになり、とてもありがたい感じになった。手間は最小で済みました。
とりあえず札幌で出来る事はやったのであとは頑張ってくださいなって感じでした('ω') 登壇もしようか迷いましたが、応物テーマの登壇を調整する時間が無かったのでそこは断念しました。結果論だけどももし登壇してたら、質問でころされてた気がする('ω')危なかった。
やらされでやったイベントって本人に何も残らない事が多々あるんですけど、主体的にやったイベントって、本人が思っている以上に内外の人の心にインパクトを残します。今回の運営メンバーも、まだあんまりわかんないと思うんですが、たぶん今回の経験が伏線になります。うまく将来に活かしてくれるといいなとオッサンは思います。ではでは。
ちなみに、私がなぜ手伝ったかというと、現場ミスマッチ&最新技術不要論という、ワタシ的二大失敗要因がなんと最初から無い条件だったからです(合理的判断だね!)。非VR民による、非VR的領域での日本初の完全に真面目な研究部会をやりたかったから、そのためにこれ以上ない条件だと5月に思ったのでやりました(秋のオンライン応物学会の本番に向けて、zoom向けスライド作りの指針が得られたのは副産物)。以上です。
(過去スライドの供養)