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はじめてのアイドルの特典会は頭真っ白になるぐらい緊張した

ワタクシ、アイドルオタク歴は10年ぐらいになってきましたが、最初の特典会はそれはもう緊張したものでした。

アイドル好きの友人ができて、まあ話のネタにでもという感覚で、おすすめアイドルを聞いてみたら、それにドハマりしてしまって、え、特典会というものに行けば握手もできて直接お話もできるんですか?という塩梅ではじめての特典会に赴くことになりました。

特典会といわれるものに時間がどれくらい許されているのか、その時間内にどの程度のやりとりができるのかって調べてみても全然わからない。
とりあえず「がんばってください応援してます」的な定型文じゃない、一言二言で言える良い塩梅の少しだけ個性が残るようなやつを前日から練っておりました。

会場は200人キャパぐらいの箱でした。
それまで声優さんのライブにたまに行くぐらいのライブ経験値で、基本ホールのライブしか見たことなかったんですよ。
なので、そのサイズだともう近い!さらにあの聴き込んだアイドルさんが目の前にいる!存在感すごい!かわいい!かっこいい!輝いてる!って感じで興奮したものでした。

その後特典会となり、並んでいる最中それはもう緊張してました。
そのときの特典会は握手のみだったんですが、ライブハウスのステージ上でやってたんですよ。
どうあれステージの上に立つなんてはじめての経験でええ?いいんですか?という感じだったし、まわりからすごい見られてるじゃないの…とソワソワしました。

そんなハチャメチャが押し寄せてくる中、前日から練ってきた言葉を反芻しておりました。
いざ自分の前の人の番になり、ようやくアイドルさんとファンとの会話が耳に入ってくるぐらいになったんですが、自分の前の人が、ワタクシが練りに練ってひねりだした言葉とほとんど同じような言葉を言ってたんですよ。
やられた。盗まれた。脳を読まれた。許せねぇ。

これには焦りました。
そんな馬鹿なと焦る間もなく自分の番がやってきてしまいます。
前の人と同じことを言う人として一生を終えるわけにはいきませんでした。せっかくお話できるんだから、できるだけの好印象を与えておきたいというのが人のサガ。ひと味違うのねというところを示しておきたいのです。
おまえならできる、このはいどうぞと言われてアイドルさんの前に到着する1、2秒ほどの刹那で新しい気の利いた言葉が創造できるはずだ。
やれるやれる自分を信じろあきらめるながんばれがんばれ。

結果的にはまったく新しい言葉を創造できずにアイドルさんと握手をして、ハァカワイイチッチャイ握手シテルゥ!とさらに緊張で頭真っ白になり、無言で握手するだけの存在になり果てました。

「どうしたのー?」なんて言ってもらえて
「ききき緊張してます」みたいな戯言を垂れ流したところ
「わたしも緊張してるよ!」と笑顔で言ってくれました。
その笑顔で、真っ白だった頭は若干の色を取り戻し、
「がんばってください応援してます」
と定型文を吐き出して、ターンエンドとなりました。

ワァすごい、あのアイドルさんと握手しちゃったししゃべっちゃった!という感動と、いい歳ぶっこいて緊張感を駄々漏らし恥ずかしいという感情を胸に深く刻んでワタクシのはじめての特典会は終了となりました。

今となっては良くも悪くも特典会でそこまでの緊張をすることはなくなりましたが、最初の一歩の難しさっていうのはめちゃくちゃあったなぁ…とたまに思い出します。

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