ハウツー本ぽい見た目をした人生に関する本〜続ける思考/井上新八
悪い習慣を断ち切れず悩んでいたり、身につけたい習慣がなかなか身に付かなかったり。
そういう人、多いんじゃないでしょうか?
自分の周りを見ていても、ウォーキングやジョギングを習慣にしたいけど挫折した方がたくさんいらっしゃいます。
週に3回ジョギングをしようと決めたけど、雨が降ったからと数日延期したら、結局身に付かなかったといった声をよく聞きます。自分もこの気持ちはよくわかります。人間は、びっくりするほど言い訳を探すのが上手ですからねw
本書は、何かを続けたい・習慣化したい人に向け、習慣化の鬼 井上新八さんが経験を踏まえてコツを伝授してくれる1冊。自分は割とこういったビジネス書やハウツー本の類はエビデンスがないと納得できないなぁと感じてしまうタイプなので、本作はそれとは反対N=1の経験則となりますが、さすがに20年の試行錯誤の結晶とでも言いましょうか、具体例含めて非常に説得性が高く、ふむふむと思いながら一気に読んでしまいました。
最大のポイントは、やると決めたら毎日やること
習慣化の最大の阻害要因は、人の心の弱さ、かもしれません。
上に書いたように、ジョギングをしようと思っても、二日酔いだから、天気が悪いから、足が痛いから、疲れているから、と言い訳は無限に捻出できます。
それを防止するために井上さんが導き出したルールは、「どんなに小さくしてもいいから毎日やれ!」というもの。
良くも悪くも、言い訳して習慣を止める余地をそもそも残さない。
やるやらないで悩む時間をゼロにするというある種、強行策とも言えます。
でも、この主張に対して大半の人はこう思うでしょう。
「毎日なんて忙しくてできない!」
これには一つ工夫が必要で、井上さんは ”習慣” をめちゃくちゃ細かくすることを推奨しています。
例えば、1日一冊読書をする習慣をつけたいとしましょう。
多分、大抵の人は2日くらで挫折するかとw
そしたら、もっと簡単にできるくらいに粒を細かくして、まずは続けることだけを目標にする。
読書の例で言えば、5分読む、10ページ読むでもいいし、最悪、本を手に取って開くという行動だけでもOK。そんなところから続けてみましょうということが述べられています。
記録を続けることで世界が広がっていく
本作の中での大きな気づきは、
あるものを好きになるには一定の苦労を伴う
ということ。
確かに、自分の身を振り返ってみても、首肯する部分が多々。
振り返ると、中学高校時代には親に制限を掛けられるくらいのめり込むものがなんとかありました。
テレビゲーム然り、洋楽然り。
自分は一時期洋楽のロックとパンクに猛烈にハマり込み、蔦屋でレンタル→M Dにダビングして聞きまくるというのを繰り返していました。
それも、小遣い節約のために蔦屋の割引の日を狙って・・w
記録=定点観測のための一定の労力 と捉えると、どうしてあんなにハマったのかが理解できる気がします。
サブスクリプションで音楽も映画も制限なく見られる今の状況は、当時から比べると天国のような環境です。
ただ、苦労したからこそ大事に鑑賞するという部分は失われ、ある意味では意識的にならないと好きになれない状況になったとも言えるのかもしれません。