私の婚活100連敗日記 ♯002~港区(汚部屋)男子~

港区男子
-東京都港区に住む、高学歴、年収1000万円以上の20〜30代の男性を指す。

ステータス重視で、異性をお財布やアクセサリー扱いする
港区男子・女子と呼ばれる人たちには苦手意識のある私だが、
そんな私にも港区男子といい感じになった経験がある。
正確には、港区男子に憧れる地味男子。
身長は180以上、私の好きな縄文顔。

出会いはマッチングアプリ
何回目かのデートでお酒を結構な量飲んだ勢いで
そのまま彼のマンションまで行ったわけです。

彼の仕事は金融のITエンジニア。
知らなかったけど、エンジニアって稼げるんですね。
彼は西麻布の高級マンション住み。
マンションの駐車場には外車しか停まってない。
人間の欲望を具現化したみたいなギラギラした建物。

でも、彼からはいわゆる港区男子の鼻につくウザさがなく、
自慢話もしないので、なかなかいいじゃないかと思ったのだ。その時は。

彼の部屋に一泊し、さわやかな二日酔いとともに起床。
ベッドを抜け出しトイレへむかった。
トイレを済ませようやく目が覚めて来て、鳥肌がたった。
床に無数のちぢれ毛が落ちている。。
おもわず「ひっ」と声が出た。

私が突然お泊まりしちゃったから、掃除機かけてなかったんだな。
まあそういうこともあるよね。
(後から知ったが、彼は掃除機を持っていなかった)
洗面台で手を洗う。
なんと、剃ったお髭の残骸が洗面台のあちこちにちらばっているのだ。
「んぎゃー」ですよ。今回は心の声にとどめましたけども。
思い出すだけでごはん食べられなくなっちゃうわ。

部屋に戻りながら、冷静に部屋を見渡す。
床には髪の毛、埃。キッチンはカビだらけ。
そしてまあなんといっても、物が多い。
驚くべきことに、玄関には天井まで山積みに段ボールが置いてある。

その時点で私には目に見えない菌すらも見える気がして
ベッドに戻ることなどできるはずがなく
私はソファに腰掛けた。

たしかね、確か。
前日の夜、告白をされたんですよ。
それで、たぶん付き合っているということに、なっているんですよ。

正直、酔いが覚めたと同時に、恋心もすっかり覚めてしまいまして。
その後も何回かデートはしたけれど、どうしてもベッドに入るのが嫌で
結局、自然消滅。

彼の汚名返上のためにお伝えするのだが、
彼は決して悪い人ではなく、私が「部屋を掃除してほしい」と伝えたところ
さっそく玄関の段ボールを解体し(中にはほぼ何も入っていなかった)
ルンバを買い床の毛どもを一掃し、
さらにはダサすぎてもはや面白いくらいの個性派ファッションを変えるため
私とのデート用にユニクロで服を買い揃えた。
ある日のデートには花をプレゼントしてくれたり。

めちゃくちゃいい人。
でも、どうしても一度覚めた気持ちって戻ることはないのだよ。
と、いうよりは
彼のことをそこまで好きじゃないという事実に、
部屋の汚さをきっかけに気づかされたという方が正しい。
汚部屋に目を潰れるほど、それを上回る「何か」がなかった。

というのも、過去に3年ほど付き合った元彼の部屋は、
汚部屋を通り越してもはや屋外。
だいぶ本格派のワイルドライフという人間だったのだ。
でも、不思議ですね〜好きだとそれも許せてしまう。

結局のところ、恋は盲目。
冷静でいては恋などできないのだ。
少し狂ってるくらいじゃないとね、むり。
だれか私の両眼を潰してください。

最近婚約した同僚のAが曰うことには、
 『彼の嫌なところは数えたらキリがないくらいある。
  でもそれ以上にいいところや尊敬できるところがあるから、
  嫌なところも許そうって思える。』
ですってよ。聞きました?聞いてます?
私はこの言葉を掛け軸にして、心の床の間に飾ると決めた。

いつか私が汚部屋を掃除してあげようと思えるくらい
好きな人が現れますように。まじで頼む。

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