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音楽とSF


岡田斗司夫がよく言うんだけど、日本の経営者がダメなのはSFを読まないからだ、と。


僕はSFオタクなんですが、自信たっぷりに「今後、未来はこうなる」っていう時はだいたいSFのパクリです

牧野修「傀儡后」で描かれた未来の日本では、喉につけるボイスチェンジャーが一般化していて、子どもたちは生まれながらの声を「生声」と言って嫌悪し、変調されたアニメ声で会話するっていうシーンがあります。これ絶対将来こうなると思う

音楽とSFでいうとさらにおすすめしたいものがありまして……

こちら今年の作品なんですが、これまでに読んだ音楽SFの中で一番ものすごいものでした。架空の世界の、架空の音楽文化が描かれているんですが「人にとっての音楽の意味」を再構築する物語でした。

間違いなく、今の日本のSF作家で想像力の先端にいるのはこの人です。遠い世界の話を日本語で描く際、私たちが知っている言葉が、ズレた意味で使われているというテクニカルなことを貫き通して描かれています。

僕が感動したところを抜粋しますと、この世界で子供が生まれたら、名づけをする職人のところに連れていくんですね。そこで集落に伝わる様々な旋律を聴かせて、子供が反応した旋律が名前になるんです。そうして、集落全体が一つのオーケストラの楽曲を奏でるような世界観になっているんです。美しすぎる......

酉島伝法さん、大阪芸大のグループの美術専門学校の出身だね。たしか米津玄師もそう。はよ、本屋に行こう。


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