「ご遠慮ください」の意味を理解できますか?
「ご遠慮ください」というのは、禁止を柔らかく言った婉曲表現として使われます。
ところが“遠慮”に、言動を控えるという意味があるので、禁止と理解されていない人が2割いたそうです。
発達障害の方が、相手の言動を理解できない。または文字通り受け取ってズレが生じるケースの多いことから、このテーマを取り上げました。
日本語には曖昧な言葉が多くあります。
例えば、「検討させてください」や「結構です」は、その言葉だけでは要るか要らないかハッキリしません。(たいてい断り文句として使われるケースが多いです)
「〇〇を意識して」と言われても具体的に何をすれば良いのか分からない。
ハッキリ言うと角が立つこともあるので、婉曲表現を使われます。しかし昨今では、言葉の曖昧さが逆に相手を苛立たせ、角を立てているケースが増えてきているように思います。
婉曲表現を理解できないのは、義務教育の問題や日本人の能力低下と言うのは簡単です。
前後の文脈や周囲の状況から読み取って判断する力は、世界的にみても高い能力が要ります。
ハイコンテクスト・ローコンテクストなんて区分されて説明されることもあります。
日本は、そのハイコンテクスト(文脈が多くの情報を持つ・言葉以外の表現に頼るコミュニケーション方法)社会であり、空気を読んで忖度する文化圏。
直接コミュニケーションする機会が減ってきていることや、読書量が年々低下している日本人の傾向。
YouTubeの書籍等の要約動画で、30分どころか5分でも回りくどくて長いと言う人がいます。
婉曲表現の理解に乏しい人が一定数いるのは、仕方ないように思います。
言い方に気をつけないといけませんが、ハッキリ言う方が良いと思います。
逆に曖昧な言い方をされたら、意見のズレがないように具体的に聞くことも大切だと思います。
婉曲表現は、相手への優しさや気遣いから生じている場合が多いです。その日本人らしさを否定したい訳ではありません。
しかし、理解できない人が一定数いる以上、特に公的な場では婉曲を避けた方が良いと思います。
発達障害者のコミュニケーションは、曖昧さを理解しづらいことから誤解を生む・与えるケースが多々あります。
そのコミュニケーションのすれ違いを減らすためにも、婉曲表現を避けて明確にする方が良いと感じました。
さらに、割合としてハイコンテクストよりローコンテクストの国が多いです。世界の人々と付き合っていくことから、多数派(グローバルスタンダード)のコミュニケーションに慣れておくことが大切に感じます。
誤解が生じることを分かった上や、理解ある相手に応じて、意図的に婉曲表現を使うなら良いと思います。
(参考)「空気を読む」ことについて
参考書籍:コミュニケーションに関する学習として