フールプルーフを意識した仕組みづくり
フールプルーフとは、「人がミスをしようとしても出来ないようにする工夫」のことで、安全工学などで用いられる用語です。
私のいるエンジニアの世界では、社内外問わず間違った(設計者が意図しない)使い方をされてクレームの入るケースがあります。
それを減らすために、言い方に語弊がありますが「バカでも間違わないような設計にしろ‼︎」と先輩から言われたものです。
ここで言うバカと言うのは、使う人の能力を指しているのではなく、”意識しなくても”または"考えなくても"という意味です。
デザインの世界では、アフォーダンスやシグニファイアといった言葉で説明されてる場合があります。
詳しくは、下記に載せたサイトに任せるとして。
この考え方は、ミスをしがちな発達障害の方に有効だと思います。
例えば、ゴミを捨てるのをよく忘れる方だと、玄関の出入り口にゴミを置きます。
それを退けないと出れない状況にしておけば、忘れるということは減るのではないでしょうか?
物の片付けで言えば、他の物が入らない仕組みを作る。ハサミを片付ける場所には、ハサミがちょうど入る型に抜かれた枠を用意するなど。
それを作るのは大変なので、置く場所にテプラで明示しておくのも良いかもしれません。
発達障害でADHDの方だと特に、他に意識を取られて集中できないケースがあると思います。意識がそれないように、周りに余計なものを置かないことが有効です。
動線を意識したり、不要なものを減らしたりして、できるだけ迷ったりせずにできるような仕組みを作るとミスや忘れが減ります。
自分なりにやり方を決めるのも良いかもしれません。
私の場合、職場にあるトレイには未実施のものしか入れません。終わったら整理するか処分(必要性に応じてスキャンしておく)します。机の上にあるのは未実施か取り掛かっている書類しかない状態にします。
データの移動・コピーであれば、デスクトップの左半分を移動元のフォルダ、右半分に移動先のフォルダを表示させています。そして、左から右へ(毎回、決まった方向に)移動・コピーします。
そうするとデータの移動モレや移動先のデータを誤って削除するリスクが減ります。
デザインや動線で対応できない場合は、私のように自分がやりやすい決まったパターンを作って守る。というのも有効だと思います。
こだわりの強いASDの方だったら得意かもしれませんね。
自分が考えた方法よりも楽で効率の良い方法があれば、こだわりすぎず変えていくことも必要です。
仕事の中には、技術の進歩で自動化できたり、その当時は必要であっても今では慣習でやってるだけで不要ということはよくあります。
定期的にやり方を見直すことも忘れずに。