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世の中の表と裏

この世には表と裏がある。

どちらも同じ人間が作り上げた世界だ。
例えば、誰もが持っているお金にも表と裏がある。
これは、人間の真理にいつの間にか植え付けられている事だと思うが、表は堂々としたもので裏は何か秘密めいたものを感じる。

表を見た後に、裏返す時は、見てはいけないものを見るような気持ちになる。

人間は、この見てはいけないものを見るのが好きだ。なぜならそこには自分が考えもつかないものがあったりするからだ。

4月23日から始まるWOWOWの連続ドラマW「フィクサー」はまさに、普通に世の中を生きてる限り、目にする事はほとんどない世界がものの見事に描かれる。もちろん、フィクションの世界なのだが、本当にこんな世の中なのではないか?と錯覚を起こさせる。

僕たちの仕事はそれをリアリティーを持って、それを演じる訳だが。時にリアルに感じてしまって、少し絶望感に苛まれる時もある。いや、だからこそこの仕事は面白いし、こういった世界にならないように皆様にメッセージを伝えなければならない。

しかし、一概に悪とは言いきれない事も多々ある。悪が悪を黙らせる事もるからだ。毒を毒で制するという言葉があるが、必要悪というジャンルも確かにそこに存在する。

時に、表の人間が裏に頼るという事もあるだろう。裏が表を修正し、表を正常化させる。それは最早、表なのかもしれない。そして、我々が表だと思っている世界が、実は裏なのかもしれない。

しかしそれは、誰が決めた訳でもなく、自分の中での価値観であり、相対性を持った人間のみの感性である。

人間の共通意識はとても大切だ。だからこそ、この世には表と裏が存在する。

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要潤
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