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AI時代におけるデザイナーのキャリア「変わる役割と変わらない本質」

ここ数ヶ月、生成AIの進化を目の当たりにし、デザイナーの役割が大きく変わる可能性を感じています。そこで、今回は「AI時代におけるデザイナーのキャリア」をテーマに、私自身の考えを共有したいと思います。

AIに取って代わられるデザインプロセス

データ駆動型のタスクや反復作業

AIは、大量のデータを高速で処理し、傾向を見つけ出すのが得意です。例えば、以下のようなプロセスはAIによって効率化されるのかなと

  • A/Bテストの結果に基づいた最適化

  • 既存のデザインテンプレートを活用したレイアウトの自動生成

  • ワイヤーフレームの初期案作成

  • 配色・フォントの提案

  • ルールベースのデザイン(マージン、カーニングなど)

実際に、FigmaやAdobeなどのツールでは、既にAI機能が組み込まれ始めており、単純なデザイン調整や提案は自動化されつつありますね

デザイナーに残されるデザインプロセス

創造性、共感、倫理観、審美眼、リテラシーの理解

一方で、以下のようなプロセスは、人間の創造性や感性が不可欠であり、今すぐにAIへ代替されることは難しいのかなと

  • ユーザーの感情や文化的背景を深く理解し、ストーリーを紡ぐコンセプト設計

  • プロダクトが解決すべき課題を定義する上流工程(デザイン思考の「共感」や「問題定義」フェーズ)

  • ユーザーの潜在ニーズを引き出す対話や観察

  • ブランドの個性やビジョンをデザインに反映させる戦略的な意思決定

  • AIが作成したアウトプットの評価

人間関係の構築、チーム間のコラボレーション、ステークホルダーとの調整

デザイナーが他者からの曖昧なフィードバックを解釈し、具体的な改善につなげる柔軟性は、人間の強みです

0→1で仕事を作り出すこと(課題を見つけること)

当たり前ですが、人間が指示を出さなければAIは動きません

仕事(業務)を完遂すること

AIはコンテキストを理解できますが、人間のリテラシーを完全に理解することはできません。求められるものを完璧にキャッチアップし、形にする能力は人間に残ります。AIはあくまでも手段であり、目的(ゴール)を設定するのは人間です

これからのデザイナーに特に求められる能力って?

AI時代にデザイナーとして生き残るには何が必要か

  • デザインを作れる、評価できる力
    圧倒的な審美眼と、自分で手を動かせるクリエイティビティ。AIに頼るだけじゃなくて、自分で作れる技術力が根底にあってこそ評価もできるのかなと

  • コラボレーションとコミュニケーション
    チームやクライアントと一緒にものづくりを進める力、AIにはできない“人と人”のやりとりですね

  • 問いを立てる力
    仮説を立てて、言語化するスキルは必須かなと

    • ロジカルシンキング(論理的に考える)

    • クリティカルシンキング(批判的に見る)

    • ラテラルシンキング(横に広げて考える)

今現在(2025年3月)だと、これらがあれば、AIをうまく使いこなしながら、自分らしい価値を出していけるのではないでしょうか

最後に

AIの進化は、デザイナーの役割を大きく変える可能性があります。しかし、人間の創造性や感性、コミュニケーション能力は、これからも必要不可欠です。
AIを恐れるのではなく、積極的に活用し、自身のスキルを高めていく。そんな姿勢が、これからのデザイナーには求められるのではないでしょうか。

この記事が、皆さんのキャリアを考えるきっかけになれば嬉しいです!


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