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完全保存版!伊東潤全作品情報    【歴史奉行通信】第三十八号

こんばんは。

春一番も吹き、房総半島では
菜の花が満開だと聞きます。
いよいよ春の到来です。

今夜も伊東潤メールマガジン
「歴史奉行通信」第三十八号を
お届けいたします。

〓〓今週の歴史奉行通信目次〓〓〓〓〓〓〓

1. はじめにー
 『悲雲山中城』非文庫化の理由は?

2. <完全保存版>伊東潤全作品情報
 2007年〜2013年

3. <完全保存版>伊東潤全作品情報
 2014年〜2018年

4. <完全保存版>伊東潤全作品情報
 2019年〜 / 作家にとって大切なものとは

5. 感想のお願い / 伊東潤Q&Aコーナー

6. お知らせ奉行通信

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1. はじめにーー
『悲雲山中城』非文庫化の理由は?

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さて、メルマガ読者の方から、
これまでの作家としての足跡を
教えてほしいという要望がありました。

そこで今回は、
私の作品記録を公開したいと思います。

私の場合、メジャーデビュー前、
自費出版ではないものの、
刷数の半数を買い上げる
協力出版という形で、

『戦国関東血風録 北条氏照修羅往道』
『悲雲山中城』
『虚けの舞 織田信雄と北条氏規』

の三作品を上梓しました。
これらの作品は、
形を変えて以下のようになっています。

2005~2006年
『戦国関東血風録 北条氏照修羅往道』
→『北条氏照 秀吉に挑んだ義将』
(PHP文庫)
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9bE

『悲雲山中城』
→未文庫化

『虚けの舞 織田信雄と北条氏規』
→『虚けの舞』(講談社文庫)
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9bF

初期作品で未文庫化作品は
『悲雲山中城』だけになります。
この作品がなぜ未文庫化なのかというと、
N賞を取った時に
即文庫化・電子化を図るという意味で
キープしている
戦略的待機作品だからです(笑)。

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2. <完全保存版>伊東潤全作品情報
2007年〜2013年

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それでは、これまでのキャリアを
振り返っていきましょう。

なお連作短編集や
歴史ノンフィクションといった
注記のないものは、
すべて長編小説になります。

*()内は発行月日と出版元
*リンクはアマゾンリンク

2007年
『武田家滅亡』 
(2/28 角川書店)
メジャーデビュー作。
長篠合戦後から滅亡までを描いた
多視点群像劇。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9bG
2018年に金属恵比須が
同名のサントラ・アルバムを発表。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9bH

2008年
『山河果てるとも』 
(6/30 角川書店)
文庫化に際し、
副題を付けて
『山河果てるとも 天正伊賀悲雲録』
に改題。
織田家の第一次・第二次伊賀侵攻を
描いた多視点群像劇。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9bI

『疾き雲のごとく 
早雲と戦国黎明の男たち』
(7/11 宮帯出版社)
文庫化に際し
『疾き雲のごとく』に改題し、
講談社から出版。
北条早雲をめぐる人々を描いた
連作短編集。
デビュー後初の短編集。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9bJ

2009年
『戦国奇譚 首』  
(6/5 講談社)
文庫化に際し
『戦国無常 首獲り』に改題。
首をテーマにした連作短編集。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9bK

『北条氏照 秀吉に挑んだ義将』 
(7/1 PHP研究所)
多視点群像劇の
『戦国関東血風録 
北条氏照修羅往道』を
氏照単視点に改稿して文庫化。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9bL

『天下人の失敗学』
(10/20 講談社)
初の歴史ノンフィクション作品、
初の新書。
人間の人格は、信長、光秀、秀吉、家康の
四タイプしかないと言いきり、
その成功と失敗が
個々の人格的特徴に起因していることを
説き明かしていく
歴史に材を取った実用本。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9bM

2010年
『戦国鬼譚 惨』 
(5/20 講談社)
吉川英治文学新人賞候補作品。
武田家の滅亡に際し、
家臣や国人の悲喜劇を描いた連作短編集。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9bN

『幻海 The legend of Ocean』
(6/25 光文社)
初の伝奇ロマン作品。
戦国時代の伊豆を舞台に、
海人族と豊臣軍の死闘を描く。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9bO

プロモ用ショートフィルムあり。
こちらから。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9bP

2011年
『関東戦国史と御館の乱』
(2/6 洋泉社)
自らmixiでスカウトした
乃至政彦氏との共著。
関東戦国史を俯瞰しつつ、
御館の乱の実際に迫った
歴史ノンフィクション。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9bQ

『戦国鎌倉悲譚 剋』 
(2/24 講談社)
戦国時代の古都鎌倉を舞台に、
武将と尼僧の悲恋を描いた
唯一の恋愛小説。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9bR

『北天蒼星 上杉三郎景虎血戦録』
(4/30 角川書店)
文庫化に際し、副題を取って
『北天蒼星』に改題。
越後国を舞台に、
上杉謙信の後継者争いに敗れた
悲劇の武将の生涯を追った作品。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9bS

『黒南風の海 加藤清正
「文禄・慶長の役」異聞』 
(7/15 PHP研究所)
第18回中山義秀賞候補作品
第1回「本屋が選ぶ時代小説大賞」
受賞作品
文庫化に際し、副題の一部を取って
『黒南風の海 文禄・慶長の役異聞』
に改題。
文禄・慶長の役を真正面から描いた
唯一のメジャー小説(当時)。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9bT

『城を嚙ませた男』
(10/18 光文社)
初の直木賞候補作品。
戦国関東で巨大勢力に屈せず
生き残ろうとした男たちの軌跡。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9bU

『武士の王・平清盛』
( 10/21 洋泉社)
平清盛の生涯を描いた
歴史ノンフィクション。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9bV

2012年
『義烈千秋 天狗党西へ』
(1/25 新潮社)
歴史時代作家クラブ賞(作品賞)
受賞作品。
水戸天狗党の顚末を
ロードノベル風に描いた作品。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9bW

『叛鬼』
(5/16 講談社)
戦国関東の風雲児・長尾景春を
主人公にして描いた唯一の小説作品。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9bX

『国を蹴った男』
(10/25 講談社)
第34回吉川英治文学新人賞受賞作
直木賞候補作
宝島社主催
「短編時代小説オールタイムベスト」
(表題作が第1位)
戦国時代に一閃の光芒を放った男たちの
生きざまと死にざまを描いた連作短編集。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9bY

2013年
『巨鯨の海』
(4/15 光文社)
第4回山田風太郎賞受賞作
直木賞候補作
第1回高校生直木賞受賞作
宝島社主催
「この時代小説がすごい2014」
作品賞・作家賞第1位
紀州太地を舞台にした鯨取りたちの
人間模様を描いた連作短編集
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9bZ

『王になろうとした男』
(7/30 文藝春秋)
直木賞候補作
信長家臣団の視点から
信長を描いた連作短編集
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9ca

『黎明に起つ』
(10/26 NHK出版)
北条早雲の生涯を描いた作品
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9cb

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3. <完全保存版>伊東潤全作品情報
2014年〜2018年

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2014年
『峠越え』
(1/9 講談社)
第20回中山義秀賞受賞作品
徳川家康の伊賀越えを描きつつ、
それまでの人生を回顧した作品
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9cc

『城を攻める 城を守る』 
(2/19 講談社) 
城郭攻防戦のあった26の城を取り上げ、
その経緯を記した歴史ノンフィクション。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9cd

『実録戦国北条記 
戦史ドキュメント』 
(4/9 H&I)
北条五代の軌跡を政治・軍事両面に
限定して書いた歴史ノンフィクション。
文庫化に際し『戦国北条記』に改題し、
PHP研究所から出版。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9ce

『天地雷動』
(4/23 角川書店)
宝島社主催
「この時代小説がすごい2015」
作品賞・作家賞第3位
長篠合戦を、徳川家康、羽柴秀吉、武田勝頼、
そして前線の一兵士・宮下帯刀の視点で
描いた多視点群像劇。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9cf

『野望の憑依者(よりまし)』
(7/9 徳間書店)
南北朝時代の混沌を
高師直の視点で描いた
ピカレスクロマン。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9cg

『池田屋乱刃』
(10/22 講談社)
池田屋で死んでいった志士たちの
鮮烈な生きざまと死にざまを描いた
連作短編集。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9ch

2015年
『死んでたまるか』
(2/20 新潮社)
文庫化に際し
『維新と戦った男 大鳥圭介』
に改題
旧幕府陸軍を率い、北関東から東北、
そして蝦夷地で戦い抜いた
大鳥圭介の軌跡を描く。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9ci

『武士の碑』
(6/19 PHP研究所)
西郷隆盛を側近の村田新八の視点から
描いた作品。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9cj

『鯨分限』
(9/20 光文社)
最後の鯨取り棟梁・太地覚吾の
生涯を描いた作品。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9ck

『天下人の茶』
(12/10 文藝春秋)
直木賞候補作。
利休の弟子たちの視点から利休を描き、
政治と茶の湯と密接な関係を描いた
連作短編集。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9cl

2016年
(以降の作品は2019/3/20時点で未文庫化)

『吹けよ風 呼べよ嵐』
(3/20 祥伝社)
北信国衆の一人・
須田満親の視点から
川中島合戦を描いた作品。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9cm

『敗者烈伝』
(5/20 実業之日本社)
日本史で敗者として扱われている
二十五人をピックアップし、
その敗因を分析し、
今を生きる読者の役に立てようという
評論集(歴史ノンフィクション)。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9cn

『横浜1963』
(6/8 文藝春秋)
1963年の横浜を舞台にした
ハードボイルドミステリー。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9co

『江戸を造った男』
(9/7 朝日新聞)
河村瑞賢の生きざまを通して、
人にとって仕事とは何かを問う作品。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9cp

『走狗』
(12/19 中央公論)
西郷に大恩がありながら、
自らの野心に囚われて
追い込まれていく
川路利良の生涯を描いた作品。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9cq

2017年
『城をひとつ』
(3/30 新潮社)
北条氏の潜入調略戦を担当する
大藤一族の活躍を描いた
連作短編集。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9cr

『悪左府の女』
(6/9 文藝春秋)
悪左府と呼ばれた藤原頼長と
ある女性の数奇な運命を描いた作品。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9cs

『北条氏康 
関東に王道楽土を築いた男』 
(9/16 PHP)
北条氏三代氏康に焦点を当てた
歴史ノンフィクション。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9ct

『西郷の首』
(9/29 角川書店)
加賀藩の足軽だった二人の青年の
軌跡を追いつつ、
幕末から維新にかけての
激動の時代を描く。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9cu

『幕末雄藩列伝』
(11/10 角川書店)
幕末維新期における
24の諸藩の動きを追った
歴史ノンフィクション。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9cv

2018年
『修羅の都』
(2/22 文藝春秋)
頼朝と政子の視点から
鎌倉幕府草創期を描いた作品。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9cw

『ライトマイファイア』
(6/22 毎日新聞)
公安と全学連の暗闘を描いた
ミステリー大作。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9cx

『男たちの船出』
(10/17 光文社)
千石船の開発に懸けた
男たちの群像を描いた作品。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9cy

『歴史作家の城めぐり
―― 戦国の覇権を競った
武将たちの夢のあと』
(12/14 プレジデント社)
東国35城(電子版は46城)の歴史や
構造を描いた歴史ノンフィクション。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9cz

2018末時点で44作品。
うち小説36作、
歴史ノンフィクション8作
(うち共著2作は0.5作としてカウントしているので、実際は9作)。

なお『悲雲山中城』は1作として、
『戦国関東血風録 北条氏照修羅往道』は
『北条氏康 秀吉に挑んだ義将』と
合わせて1作として、
同じく『虚けの舞 織田信雄と北条氏規』
は『虚けの舞』と合わせて
1作としてカウント。

決戦シリーズなどのアンソロジー参加作、
『合戦の日本史』(座談会集)や
『日本史の新常識』といった座談会本や
寄稿集はカウントしていません。

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4. <完全保存版>伊東潤全作品情報
2019年〜 / 作家にとって大切なものとは

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2019年
『真実の航跡』
(3/5 集英社)
太平洋戦争末期にあった事件に材を取り、
戦犯裁判を通して
戦争の不条理を描いた作品。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9c1

『家康謀殺』
(7月 角川書店)
戦国時代の主要な合戦における
人間模様を描いた連作短編集
(紙本は全六作収録)。
電子版はボーナストラックとして
『ルシファー・ストーン』を収録。
金属恵比須とのコラボ曲を制作中。

『潮待ちの宿』
(10月 文藝春秋)
岡山県笠岡市を舞台に、
幕末から明治にかけて力強く生きた
一人の女性を描いた連作短編集。
伊東潤初の世話物。

(以降は、
連載済および連載中作品のみ記載し、
発売時期は予定になります)

2020年
『茶聖』
(1月 幻冬舎)
千利休の生涯を利休本人の視点で描いた大作。

『もっこすの城 熊本築城始末』
(5月 角川書店)
熊本城築城までの苦難の数々を、
一人の普請役の視線から描いた築城ドラマ。

『覇王の神殿(ごうどの)』
(9月 潮出版)
蘇我氏四代を馬子と
入鹿の視点で描いた歴史巨編。

2021年
『凍てつく山嶺』
(1月 中央公論)
八甲田山雪中行軍遭難事件を
新たな角度から描いた
社会派サスペンス。

『北条五代』
(5月 朝日新聞)
故火坂雅志氏の絶筆となった
作品を引き継いで書いた超大作。

『琉球警察』         
(9月 角川春樹事務所)
終戦から沖縄返還までの激動の時代を、
一人の警察官の視点で描く
沖縄クロニクル。

********

今回は、これまでのキャリアを
総括しました。

作家にとって大切なものは、
「生産性」
「安定性」
「多様性」
だと常々言ってきましたが、
本が売れなくなり、
作家の過当競争が激しくなった昨今、
とくにこの三点が大切だと
思うようになりました。

生産性は
「自分が集中できる環境を、
いかにして作るか」
(私の場合、デニーズ通い)です。

安定性は強みを知り、
それを生かしていくことで
「ハズレなし」を達成できるということが
分かりました。

しかし多様性だけは、
自ら「いばらの道を進む」くらいの
気概を持って
取り組まなければなりません。

今は本が売れなくなった影響で、
作家のライフタイムも
短くなってきています。

自分では以前より格段に
上達していると思っても、
読者にとって
「何となく購買意欲がわかなくなる存在」
になってしまうのです。

不思議な現象ですが、
情報が溢れている時代の
一つの現象として、欧米では
「ペリシャブル」
というコンサルティング用語さえ
生まれています。

これは生鮮などで使う
「腐りやすい」という意味ですが、
ファッションなどでも、
ベストセラー・ブランドになりきれるか、
その前に「ペリシャブル」となって
廃れていくか、
熾烈な争いが展開されています。

これは役者さんや
タレントさんにも言えることですが、
ブレイクせずにそこそこの売れ方が続くと、
顔や名前に新鮮味がなくなり、
マンネリ的なイメージを持たれ、
徐々に仕事が減っていきます。

作家の場合、
デビューから5年~7年以内に達した
高度によって、後々のキャリアが
決まってきます
(森村誠一氏はかつて「十年高度」と
仰せでしたが、情報過多の時代を生きる
今の作家は五年~七年です)。

短期間でベストセラー作家という
ポジションを築けていれば別ですが、
中堅以下の場合、新しい何かをしない限り、
売り上げが先細り、
フェイドアウトということになります。

それを打破するには、
どうしたらいいか。

私の立てた仮説は
「多様性」を維持することです。

労を惜しまず
様々なジャンルに挑戦していくことで、
新たな読者を開拓でき、
ベテランになっても
ステップアップできると確信しています。

これからも多様な時代や
ジャンルの作品を書き続けていきますので、
応援していただきたいと思っています。

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5. 感想のお願い / 伊東潤 Q&Aコーナー

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さて、今回はいかがでしたか。

拙著で皆様の思い出深い作品のお話を、
SNS上でお聞かせいただければ幸いです。
メルマガの感想も大歓迎です。

尚、アップいただく際は是非
「#歴史奉行通信」
「#伊東潤メルマガ」
のハッシュタグをつけてください。

最後に質問コーナーです。

Q.
悪を以って善を成すということは
歴史上あったのでしょうか?

私が思いつくのは、
小説や伝説の中だけで、
例えば「雪之丞変化」の闇太郎、
ロビン・フッドです。
実在の人物ではどうなのか。
笹川良一はこのような側面が
あったのではないかと今様々な
本を集めている最中です。

もし歴史上、そのような人物がいたら
是非教えてください。
(わみわみ様)

A.
「悪を以て善を成す」
という言葉はあまり聞いたことが
ありませんが、歴史は勝者が作るもの、
つまり
「勝てば官軍、負ければ賊軍」
なので、
善悪の基準が明白ではないのも事実です。

ただし善を
「朝廷に忠義を尽くした者」
と解釈し、悪を
「朝廷に盾突く者」
とした場合、悪が善を制した戦いとしては、
何を措いても承久の乱が
思い浮かべられるでしょう。

この戦いは賊軍の鎌倉幕府が、
官軍の朝廷軍に完勝した戦いですが、
要は
「兵力差」
「鎌倉方が武器を扱うことに熟達していた」
「御家人組織が機能していた」
「北条政子という求心力がいた」
といったところが勝因でした。

つまり両陣営は、
善も悪もないほど
格差がついていたわけです。

後醍醐天皇と足利兄弟が戦った
南北朝の戦いも、
足利方を賊軍と呼べないことも
ないのですが、尊氏たちは
北朝の天皇を担いでいるので、
完全には賊軍とは呼べないですね。
(伊東潤)

***************

いつもご質問をはじめ、
ご意見、感想をいただき
有難うございます。

インタラクティブを心がけている
伊東潤のメルマガでは、
皆さまからの質問に最大限にお答えします。
是非お気軽に以下のリンクより
お送りください。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9c2

2週間ほど前の3/5に
『真実の航跡』が発売されました。
発売から半月程度が経ちましたが、
売り上げは上々です。

これもお買い上げいただいた
皆様方のおかげです。
謹んで御礼申し上げます。

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6.お知らせ奉行通信
新刊情報 / 読書会 / その他

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【新刊情報】

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伊東潤が放つ川中島合戦!
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上杉謙信と武田信玄が鎬を削る
北信濃の地で、
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紙本の35城収録に対し、
電子書籍版では11城
(浄福寺城・石垣山城・小机城
忍城・岩付城・関宿城
足利氏館・石神城・若神子城
戸石城・田中城)を追加、
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紙本の一部カラーに対し、
電子版では46城すべてをカラーで掲載!
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有難うございました。

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【講演会情報】
4/6(土)
14:00~16:30
「関東戦国史と城郭攻防戦」
場所 :
偕行社3階A.B会議室(市ヶ谷駅近く)
内容 :
講演時間に余裕があるので、
完全バージョンでお送りします。
開催概要は下記をご参照下さい。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9c8

【読書会・主催イベント情報】
現在予定している、
読書会およびイベント情報一覧です。

3/24(日)
第2回 伊東潤の城めぐり 特別編
「『真実の航跡』発売記念
戦艦三笠 in 横須賀」
おかげさまで満席となりました。
有難うございました。

4/13(土)
第14回「伊東潤の読書会」は
連作短編集『家康謀殺』の
プレビュー読書会

こちらも残席が少なくなって
参りました。
詳細・参加はこちらから
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9c9

5月
第3回「城めぐりオフ会 in 山梨
『武田家滅亡』ツアー」
お待たせしました、
『武田家滅亡』1泊2日ツアーの
募集が始まりました。
日程:5/11(土)-12(日)
一日目 : 新府城・武田八幡宮・躑躅ヶ崎居館・勝沼氏館跡(宿泊は石和温泉)
二日目 : 恵林寺・天目山方面(大善寺・四郎作古戦場・鳥居畑古戦場・景徳院・栖雲寺)
伊東潤ファンには思い入れの強い
『武田家滅亡』ゆかりの地をめぐります。
詳細はこちらをご覧ください。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9cA

6月
第15回「伊東潤の読書会」は
『潮待ちの宿』の
プレビュー読書会を予定

8月
第16回「伊東潤の読書会」は
『茶聖』の
プレビュー読書会を予定

9月 7日
第3回「城めぐりオフ会」講演会
&山中城見学ツアー at 三島
10:30から三島市民文化会館で開催される
伊東の講演「山中城と北条氏の城」(無料)の後、
路線バスで山中城に行き、
見学ツアーを開催します(小雨決行)。
大雨の場合は昼から懇親会を予定。

【TV / ラジオ出演情報】

☆「マイあさラジオ」
(4月以降も継続決定!)
NHKラジオのレギュラー放送は、
いつも通りあります。
私の担当は土曜日で隔週です。
だいたい朝の7:30から始まります。
今は第二と第四土曜になります。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/brnOaaenqNcvw9cB

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