見出し画像

「歴史から学ぶことの大切さ」とは?【歴史奉行通信】第六号

こんばんは。伊東潤による「第六回 歴史奉行通信」をお届けいたします。

〓〓今週のTopic〓〓

1.伊東潤Q&Aコーナー「伊東潤、強靭な身体づくりの秘訣は?」
2.新刊『幕末雄藩列伝』を通じて伝える「歴史から学ぶことの大切さ」とは
3.読書会のお知らせ「開催まであと半月!深重の海を伊東潤と語らおう」

━━━━━━━━━━━━━━━
1.伊東潤Q&Aコーナー
「伊東潤、強靭な身体づくりの秘訣は?」

━━━━━━━━━━━━━━━

前号より募集を開始したこのコーナー、早速メッセージが届きましたので今週はこちらをご紹介。

Q.
いつも楽しみに読ませてもらっております。私は季節の変わり目に風邪をひきやすく、そうとわかっていながらもなかなか体調をうまくコントロールできません。これから本格的に寒くなりますが、伊東先生がコンディション作りで意識されているものがありましたら教えてほしいです。
(東京都・かわしさま)

A.
とくに健康法はありませんが、スポーツジムに最低でも週三回は通うことは続けています。
強靭な肉体を作ることで、今のところ病から遠ざかっています。(伊東潤)

***************

伊東潤のメルマガはワンウェイでなくインタラクティブを心がけています。
皆様のお悩みを、歴史上のエピソードになぞらえてお答えしていきたいと思いますので、ご遠慮なく、是非お気軽にこちらからお送りください!

━━━━━━━━━━━━━━━
2.新刊『幕末雄藩列伝』を通じて感じる
「歴史から学ぶことの大切さ」とは

━━━━━━━━━━━━━━━

11月10日、歴史ノンフィクションの八作目となる『幕末雄藩列伝』を上梓しました。

本書の趣旨は、ずばり、
藩という視点から幕末と明治維新の真実を探っていこうというものです。

皆さんの持つ幕末や明治維新のイメージは、どのようなものでしょうか。
おそらく大半の方が、坂本龍馬や西郷隆盛、はたまた新選組の土方歳三
といった英雄豪傑を思い浮かべるのではないでしょうか。

確かに明治維新は、人によって成し遂げられたものです。時代の趨勢が後押ししたという事実もあるとは思いますが、やはり「これでは諸外国の植民地にされる」ことに危機感を抱いた志士たちによって、新しい日本が作られたのです。

しかし、そうした危機感を抱いた人々の大半は武士であり、出身母体があります。それが藩です。

江戸時代は幕藩体制と呼ばれるほど、徳川家の力が強かった割には、
中央集権よりも分権国家としてのイメージが強く、幕末に近づけば近づくほど、諸藩は独自色を濃く打ち出していきました。

藩とはいったい何なのか。

それは英雄たちを育てた巣であり、また、
英雄たちを飛び立たせていったマザーシップでもあるのです。

藩という組織なくして英雄たちは生まれず、その前半生は、多かれ少なかれ藩という組織と、その育んできた文化や教育に影響を受けていたのです。

すなわち英雄史観を排除し、藩という視点から幕末と明治維新の真実を探っていこうというのが、本書の趣旨です。

藩という組織の成り立ちや判断を知ることにより、
これまで以上に、幕末のリアリティを感じていただけることと思います。

取り上げた藩は十四に及びます。

取り上げた藩の中には、加賀藩のような百万石を超える大藩もあれば、
請西(じょうざい)藩のように一万石ぎりぎりの小藩もあります。
しかしどの藩にも、幕末の荒波は押し寄せ、過去の経験に囚われない
対応をしていかねばなりませんでした。

そこに様々な人間悲喜劇が生まれます。

些細な誤解や意地から故郷に多大な損害を出してしまった長岡藩や
二本松藩の例もあれば、変わり身の早さで藩と人々を守った彦根藩
のような例もあります。

また同じ藩内であっても主義主張の違いから骨肉の争いを演じ、
人材を払底させてしまった水戸藩の例もあります。

こうした藩の判断は、その時の首脳部によって行われました。

それを担った人々が優秀だったかどうかで明暗が分かれたのはもちろんですが、長岡藩の河井継之助のように、優秀であるがゆえに悲劇を招いてしまった例もあります。

ここから先は

1,824字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?