『夜叉の都』発売記念ロング・インタビュー【人間発電所日誌】第一〇一号
こんばんは。伊東潤です。
今夜もメールマガジンをお届けします。
〓〓今週の歴史奉行通信目次〓〓〓〓〓〓〓
1.はじめに
2. 『夜叉の都』発刊記念インタビュー①
「何かを守ることの厳しさ」
3. 『夜叉の都』発刊記念インタビュー②
政子は本当に悪女なのか?
4. 『夜叉の都』発刊記念インタビュー③
「混沌」を描く面白さ
5.『夜叉の都』発刊記念インタビュー④
本作の読みどころ
6. おわりに/質問コーナー
7. お知らせ奉行通信
新刊情報 / イベント情報 / Voicy・ラジオ出演情報
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1.はじめに
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いよいよ寒くなってきましたね。私の場合、人間発電所なので暑いより寒い方がましですが、急に冷え込むと、さすがに辛い年齢になってきました。
ここ5~10年ほど、早朝の1時間ウォーキングと午後の水泳1kmが習慣となり、たいへん良好な健康状態を維持しています。また三種の総合漢方薬も飲み始めてから8年ほどになりますが、これも続けていることで効果が出てきていると思います。
最近始めた健康法がマウス・テーピングです。まだ効果のほどは分かりませんが、少なくとも熟睡できるようになり、また寝ている最中に咳き込んだり、喉が渇いたりといったこともなくなりました。自分の場合はショートスリーパーなので、昼寝や居眠りする際もテーピングしているほどです(苦笑)。
健康法は人それぞれですが、あまりに多くの選択肢があり、その中から選ばねばならないので迷いますよね。それでも何かの理由で選択したサプリメントや健康法は、自分でなく体が選んだものだと思っています。つまり選んだものが最も自分に適したものなのです。
さて、今回はメルマガも101回ということで、タイトルを「人間発電所日誌」に変えて再出発をします。メニューや内容はさほど変わりませんが、今までより身辺雑事を少しだけ増やしていこうと思っています。もちろん「どこに行った」「何を食った」という話ではなく、何かをすることや行くことで「何を学べたか」「何を得たか」を語っていきたいと思っています。
ということで本題に入ります。11月22日、拙著としては4カ月と1週間ぶりの新刊『夜叉の都』が発売されます。本作は、これまで小説として描かれることが少なかった鎌倉時代初期を描いた本格歴史小説です。今回は『夜叉の都』についての発刊記念インタビューをお届けします。
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2. 『夜叉の都』発刊記念インタビュー①
「何かを守ることの厳しさ」
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――今回も圧倒されて一気読みでした。鎌倉時代初期というのは、すごい時代だったんですね。
ありがとうございます。鎌倉時代初期の小説は、永井路子さんや高橋直樹さんが取り組んでいたくらいで、作品数が比較的少ない時代です。しかし実際は先の読めない苛酷な時代で、小説に取り上げるには格好の素材だと思います。それに気づいた一人が三谷幸喜さんで、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が実現したのでしょうね。それほど鎌倉時代初期は面白いので、本作でも飽きさせない展開になっていると思います。
――本作を書いたきっかけはなんでしょう。
冗談で「大河ドラマに便乗」などと言っていますが、実際は、すでに文庫化成った『修羅の都』の続編構想というのが前々からあり、それを実現しただけです。テーマとしては「何かを守っていくことの厳しさ」や「何かを継続していくことの難しさ」を描きたかったんです。頼朝の死によって、鎌倉幕府が危機に瀕していると知った政子は、自らが矢面に立たねばならないと思うようになります。そしてどのような犠牲も厭わず、頼朝の遺産である武家政権を守っていくわけです。その意味では、女性の強さを描いた作品でもあるわけです。
――ということは、本作は『修羅の都』の続編と考えてよろしいですね。
そうです。平家の滅亡から頼朝の死までを描いた『修羅の都』の続編という位置づけになります。ただし、それぞれ独立した作品としても読めるようにしてありますので、『夜叉の都』から読んでいただいても全く問題ありません。
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