作品に登場する女性像 【歴史奉行通信】第三十七号
こんばんは。
今夜も伊東潤メールマガジン
「歴史奉行通信」第三十七号を
お届けいたします。
〓〓今週の歴史奉行通信目次〓〓〓〓〓〓〓
1. はじめにー
拙著に登場する女性について
2. 伊東潤的
「リアルタイムで好きな女優ベスト10
(国内部門)」
3.伊東潤作品内
「好みの女性ベスト10」
4. 終わりに / SNS投稿ご協力のお願い /
Facebookファンページのお知らせ
5. 伊東潤Q&Aコーナー
6. お知らせ奉行通信
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1. はじめにー
拙著に登場する女性について
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随分と暖かくなってきましたね。
普通なら
この季節になるとうれしいものですが、
私は筋金入りの花粉症なので、
極めて辛い季節でもあります。
それでも三年ほど前に
レーザーで鼻腔内の粘膜を焼いたので、
それからは楽になっていますが、
粘膜は数年で再増殖しますので、
再来年くらいにはまた焼く必要があります。
さて、3/3は雛祭りでしたので、
今回は拙著に登場する女性について
語っていきましょう。
私は男臭い作風を得意とし、
女性の登場が少ないのはご存じの通りですが、
それでも作品によっては
女性を描かねばなりません。
しかし正直な話、女性を描くことには
前向きになれませんでした。
愛と性を描くことが
私の作家としてのテーマではないので、
モチベーションが上がらないのです。
そこで困っていたのですが、
容易なことから解決策が見つかりました。
「あて書き」をすればよかったのです!
「あて書き」とは、
執筆する際に特定の役者さんを想定し、
脳内で映像化しつつ書くことです。
それによってキャラクターの一貫性が保てるだけでなく、
「この人にこんな演技をさせたら、
こういう台詞を言うだろう」
ということが容易に想像でき、
執筆がはかどるようになりました。
こんな方法があるなんて
知らなかったのですが、
塩田武士氏が『騙し絵の牙』という作品で、
大泉洋であて書きしたと聞き、
そんな方法もあるのかと知り、
自分も試してみたらうまくいったのです。
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2. 伊東潤的
「リアルタイムで好きな女優ベスト10
(国内部門)」
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ということで、まずは
「リアルタイムで好きな女優ベスト10
(国内部門)」
から語っていきましょう
(なんでそうなるのか、
自分でも分からないけど)。
10位
深田恭子
9位
内田有紀
8位
竹内結子
7位
松雪泰子
6位
沢尻エリカ
5位
米倉涼子
4位
中谷美紀
3位
木村佳乃
2位
井川遥
まあ、1位は何の落ちもない話なの
でやめておきましょう(笑)。
とはいうものの、
ご存じない方もいらっしゃるので
申し上げると、
「日本の古都」で何度も共演した
高島礼子様 です。
私は以前から礼子様の大ファンで、
彼女の主演作はほとんど見ていました。
2016年のことですが、突然、
「日本の古都」への出演オファーがあり、
飛び上がるほどうれしかったのですが、
いざお会いする段になると緊張しました。
いよいよ収録日となり、
初対面のご挨拶をした直後に、
福知山城の石段を一緒に登るという
シーンの収録がありました。
その時は声の収録がなかったので、
石段を登りながら雑談ができました。
そこで私が大ファンであることを告白し、
「足の震えが止まらないんです」
と言ったところ、なんと礼子様は
「伊東先生、がんばれー♪」
だって。
礼子様はとても気さくな方なのです。
それ以来、世代も活動範囲(横浜南部)も
ほぼ一致していることから意気投合し、
収録の合間には
おしゃべりに花を咲かせました。
今年の1/29も『天使と悪魔』の公演に行き、
楽屋で挨拶をさせてもらいましたが、
以前と変わらず陽気でした。
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3. 伊東潤作品内
「好みの女性ベスト10」
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それでは本題に入りましょう。
拙著に登場した女性で、
私の好みでベスト10を決めてみました。
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10位
まつ(芳春院)
『毒牙の舞』(『国を蹴った男』所収)
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9位
お吟(架空の人物)
『二心なし』(『池田屋乱刃』所収)
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8位
阿野廉子
『野望の憑依者』
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7位
ラシェル・クールベ(架空の人物)
『武士の碑』
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6位
春澄栄子(架空の人物)
『悪左府の女』
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5位
小よし
『義烈千秋 天狗党西へ』
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4位
鍵屋の阿茶
『黎明に起つ』
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3位
北条政子
『修羅の都』
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2位
桂姫(桂林院)
『武田家滅亡』
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1位
桜井紹子(架空の人物)
『ライトマイファイア』
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10位のまつとは、
ご存じ前田利家の正室の
芳春院のことです。
大河ドラマ『利家とまつ』では、
松嶋菜々子さんが演じていましたね。
それを悪女として描いた短編が
『毒牙の舞』です。
賤ケ岳合戦を舞台に、
佐久間盛政という軍事の天才が、
まつという「蟻の一穴」から
瓦解していく様を描きました。
9位のお吟は架空の人物です。
夜鷹でありながら志士の一人である
福岡祐次郎の想い女として、
純粋な恋に身を焦がします。
女郎特有の気の強さを持ちながら、
惚れた男のために尽くす
けなげな女として描きました。
松雪泰子さんあたりがしっくりきます。
8位の阿野廉子は後醍醐天皇の継室ですが、
天皇のブレーンとして、
足利尊氏・直義陣営と対立していきます。
主役の高師直と同じ
野望に取り付かれた一人として、
外連味たっぷりに描きました。
礼子様が演じるとしたら、
まさに『大奥』の役柄そのものです。
7位のラシェルは架空の人物ですが、
村田新八のパリでの日々に彩りを添えます。
彼女の生きざまが村田に影響を及ぼし、
村田は「死ぬべき時と場所」の
大切さに気づきます。
そしてあの衝撃のラストへと
つながっていくのです。
イメージとしては若い頃の
ジュリエット・ビノシュか
イザベラ・ロッセリーニですね。
6位の春澄栄子は架空の人物ですが、
保元の乱の鍵を握る一人として
登場させました。
様々な苦難に遭いながらも、
けなげに生きる女として描きました。
イメージとしては、
ずばり杏ちゃんです。
5位の小よしは、
儚げで薄幸な女として登場させました。
小よしは遊女として
藤田小四郎と出会い、
恋に落ちた実在の人物です。
しかし彼女について、
それ以外のことは何も分かっていません。
歴史に一瞬だけ顔を出して
消えていった存在感の薄い女性ですから、
若い頃の戸川純さんや
藤谷美和子さんのイメージですね。
4位の鍵屋の阿茶も実在の人物です。
土蔵(金貸し業)の女主として、
若き日の伊勢新九郎(北条早雲)に
多額の金を貸していたという証文が
一通残っていることで、
実在と確認できました。
昔で言えば大地喜和子さんか
岩下志麻さんあたりでしょうね。
3位の『修羅の都』は
北条政子視点の正統派歴史小説です。
この作品は最初から
礼子様を想定したものです。
この作品の構想を語った時、
礼子様も大乗り気でした。
後に本郷和人先生と会った折、
「伊東さんの影響で、高島さんが
北条政子を演じたいと言っていたよ」
という話を聞きました(笑)。
2位の桂姫は当時、
新たな女性像を構築したという評価を
書評家諸氏からいただきました。
愛のためではなく、
平和のために力を尽くす桂の姿が
評価されたのです。
愛という個人的なものから、
政治という公的なものへと
女性像を飛躍させたことは、
今の時代を先取りしていたのかもしれません。
凛とした演技が際立つ竹内結子さんか
仲間由紀恵さんあたりが適役でしょうね。
1位の桜井紹子は架空の人物ですが、
その描写には力を込めました。
これだけキャラクターを練り上げた作品は
ありませんが、なかでも桜井のキャラクター作りには力を入れました。
ファムファタールという言葉がありますが、
まさにそのものです。
イメージ的には
沢尻エリカ先生しかありません!
**************
これから発売される作品群にも、
多くの女性が登場します。
『潮待ちの宿』では、
志鶴という女性の14歳から34歳までを
連作短編として描きました。
様々な史料から
当時の女性のメンタリティを学び、
多少の現代的価値観をトッピングして
キャラクターを造形しました。
若い頃の沢口靖子さんに
演じてほしかった役柄です。
『茶聖』では、
利休の妻・宗恩(りき)の
登場場面が多いのですが、
当初は礼子様を想定して描き始めましたが、
次第に中谷美紀さんのイメージに
なってしまいました。
やはり『利休にたずねよ』の影響は
大きいものがあります。
『凍てつく山嶺』では
米倉涼子さん風の編集長を
登場させていますが、
そのイメージを完璧にすべく、
官能作家の蒼井凛花師匠のアドバイスで、
ファッションから性格まで
丁寧に造形しています。
『覇王の神殿(ごうどの)』では
推古帝=木村佳乃、
皇極帝=井川遥を
想定して書いています。
蘇我馬子と入鹿が主人公なので、
女性は添え物とお思いかもしれませんが、
実は物語の中心なのです。
2019年には日野富子を描く
『黄金の室町』もスタンバイしています。
年下の男(なんとお相手は早雲!)との恋に
身を焦がす生身の女として
富子を描いていきます。
イメージ的には礼子様しかいないでしょう。
映像化された時は、
鍵屋の阿茶と一人二役で、
礼子様に演じてほしいものです。
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4. 感想・SNS投稿ご協力のお願い /
Facebookファンページのお知らせ
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さて、今回はいかがでしたか。
まあ、男を描くことに情熱を注いできた
私の作風からすれば、
「無理してる」感が強いかもしれませんが(笑)、
脳内でイメージを膨らまして頑張ります。
皆様のお好きな女優は誰ですか。
その方の出演した
どの映画やドラマが好きですか。
SNS上で、
いろいろお話をお聞かせいただければ幸いです。
尚、アップいただく際は是非
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是非覗いてみてください。
ファン同士の会話を楽しみたい方や、
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私も不定期で登場します。
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女性は一人も登場しません(笑)。
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5. 伊東潤Q&Aコーナー
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続きまして質問コーナーです。
Q.
伊東先生の初恋はいつ、
どんな相手だったのですか?
エピソードを交えて教えて下さい!
(Taq 様)
A.
あまりのタイミングのよさにびっくりですが、
難しい質問です。
私の場合、
切なくなるほど女性を好きになる
ということがありませんでした。
というか中高一貫の男子校だった上、
大学や会社も男性ばかりだったので、
そういう対象に出会えなかったからかも
しれません。
女優やアイドルにも
全く入れ込まなかったし(笑)。
まあ、平日はIBMの営業で、
土日はサーファーだったので、
真摯なロマンなんて育つわけがないよね。
ああ、悲しきバブル世代…。
(伊東潤)
***************
いつもご質問をはじめ、
ご意見、感想をいただき
有難うございます。
インタラクティブを心がけている
伊東潤のメルマガでは、
皆さまからの質問に最大限にお答えします。
是非お気軽に以下のリンクより
お送りください。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/bo8zaaehzFxfq4bR
ではまた!
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6.お知らせ奉行通信
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【読書会・イベント情報】
現在予定している、
読書会およびイベント情報一覧です。
3/16(土)
「佐賀藩と薩摩藩、そして大隈重信」
場所:佐賀県立佐賀城本丸歴史館
時間:14:30-16:00
詳細は下記のアドレスをご参照下さい。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/bo8zaaehzFxfq4cc
3/24(日)
第2回 伊東潤の城めぐり 特別編
「『真実の航跡』発売記念
戦艦三笠 in 横須賀」
残席僅か!
『真実の航跡』発売記念オフ会です。
神奈川県横須賀市に保管展示されている
戦艦三笠(横須賀)を見学し、
当時から現代につながる航跡をたどります。
詳細・参加はこちらから
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/bo8zaaehzFxfq4cd
4/13(土)
第14回「伊東潤の読書会」は
連作短編集『家康謀殺』の
プレビュー読書会
今週から募集を開始しました。
詳細・参加はこちらから
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/bo8zaaehzFxfq4ce
5月
第3回「城めぐりオフ会」
『武田家滅亡』1泊2日ツアーを計画中。
日程は5/11(土)、5/12(日)の予定です。
一日目 : 新府城・武田八幡宮・躑躅ヶ崎居館・恵林寺(宿泊は石和温泉)
二日目 : 勝沼氏館・天目山方面(大善寺・四郎作古戦場・鳥居畑古戦場・景徳院・栖雲寺)
6月
第15回「伊東潤の読書会」は
『潮待ちの宿』の
プレビュー読書会を予定
8月
第16回「伊東潤の読書会」は
『茶聖』の
プレビュー読書会を予定
9月 7日
第3回「城めぐりオフ会」講演会
&山中城見学ツアー at 三島
10:30から三島市民文化会館で開催される
伊東の講演「山中城と北条氏の城」(無料)の後、
路線バスで山中城に行き、
見学ツアーを開催します(小雨決行)。
大雨の場合は昼から懇親会を予定。
【TV / ラジオ出演情報】
☆「マイあさラジオ」
(4月以降も継続決定!)
NHKラジオのレギュラー放送は、
いつも通りあります。
私の担当は土曜日で隔週です。
だいたい朝の7:30から始まります。
今は第二と第四土曜になります。
http://fcew36.asp.cuenote.jp/c/bo8zaaehzFxfq4cf
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