三脚とグリッド
三脚とグリッド
去った人を惜しみつつ、(いえ、正確には去った人を惜しむ人の心情を追って) ふとある思いが浮かびました。三脚のことです。
一本足は不安定(それが許されるのは王選手だけでしょう)。二本足でもまだ不十分。安定して立つためには足は三本必要ではないか。三脚のように。
三脚はその脚を伸び縮みさせることで、斜面でも、でこぼこした場所でもどっしりと立つことができます。
三脚が浮かんだのはただの連想ですが、例えば三本の脚を人の考え方に当てはめたらどうだろう、ということが思い浮かんだのです。対立する考え、価値観だけではない、もう一つの考え方はないだろうか、と。
しかし、二つ(二極)ならば陰(-)と陽(+)、善と悪、理想と現実などとすぐ思い浮かびますが、三極となるとなかなか浮かびません。三権分立、魏・呉・蜀、三国鼎立が浮かぶぐらい。(詰めこみ教育の残滓)
うーん。
三極真空管、というのもありますね。二つはたぶんプラスとマイナス、あと一つはなんでしょうか。
調べてみると、
「グリッド」と言うらしいです!
カソード、プレート、グリッド。
説明はリンク先にゆずりますが(実はわかっていません)、グリッドへの電圧の加減によってカソードとプレート間の電流量を調整する役割を持つようです。
https://korgnutube.com/jp/tube/
話は戻って。
二極に三極目を加えることによって、その加減を制御することができる、と考えます。
善・悪・グリッド。理想・現実・グリッド。善だけ、理想だけでは存在できなくて、悪の部分や現実の部分も否応なく存在する。でも、三極目(グリッド)を間に挟むことによって、それを制御できる。
最初に考えた三本足とは少し趣が変わってしまいましたが、これも魅力的な考えだなと思いました。
電子は常に陰極から陽極へ向かいます。電流に逆らって。
でも三極目を持つことでその量、大きさは自分で加減することができる。
今は強く。今は少し弱くしようかな。音の大きさを丁度良い加減に調整するように。
そうすることで、よりどっしりと安定できるのだとしたら、何だか少し気が楽になりませんか?
グリッドは鳥かご、四角四面に幽閉されるイメージでしょうか。
さにあらず、破ってただの金網として使い倒してやりたいものですね。(了)
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