『はじめての映画』
『はじめての映画』0810 2021初出
叔父に連れられて映画を観たのは、小さき頃のことだった。
はっきり覚えていないが、映画の題名とその迫力だけは覚えている。
「白鯨」
みなさんはご存知だろうか、小説家ハーマン・メルヴィル原作の長編小説が映画化されたものだ。
調べてみると1956年公開とあった。
生まれる前の映画。
おそらく、再上映されたものだろう。
白鯨と船長の壮絶なる戦い、しか記憶にない。
この記憶さえ、後から話かもしれないが、もう叔父は他界して聞くことはできない。
英語もわからない、たぶん日本語もよく知らないガキを、よく連れて行ってくれたものだ。
この叔父は、ちょっと強面で、両切りの缶ピースの煙草を吹かしていた。
彼のことが好きだった。
正義感が強く、理不尽なことは大嫌い。
その辺の若造がくだらんことをしていると、怒って注意をしていた。
お酒を飲むと、あの怖い顔から笑みがこぼれるのがまた素敵だった。
叔父に連れられて行った映画館。
その後も、映画館で観ることが当たり前だった青春時代。
観てきた映画が、自分の心・気・血を作ってくれたんだなと思っている。
この日は、marvel studios 制作の「ブラックウィドウ」という映画を観に行っていた。
アベンジャーズシリーズのスピンオフしたものだ。
「END WAR」の作品 を観た人は、エンドロールの一番最後の場面が面白いと感じるはずだ。
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