【チェルシー】フィリップ・ヨルゲンセンの獲得は正解か…
見出し:Filip Jørgensen - 選手プロフィール 23/24 | Transfermarkt
チェルシーは7月24日、ビジャレアル所属のデンマークU21代表のフィリップ・ヨルゲンセンの獲得交渉に入った。
賛否が分かれている動きのため考えてみる。
自分のスタンスとしては正直否定的な立場ではあるが。
【今回のチェルシーの交渉】
ジ・アスレティックの報道によるとチェルシーは
マレスカはボールを持つキーパーを好んでいて昨シーズン後半戦スタメンを務めていたペトロビッチのステータスに不満を持っているとされていて、新しいキーパーの獲得に動いているとされている。
チェルシーとしては他の候補もリスト入りはしている上に、レスターのヘルマンセンも上位にリストアップしているとされているが交渉に入ったともなればヨルゲンセンがメインターゲットなのだろう。
チェルシーのキーパー事情とマレスカ
チェルシーは昨シーズン前半戦ではロベルト・サンチェスを。離脱後はペトロビッチが守護神の座に就いた。
2人とも結果はある程度残したうえで特に後半戦のペトロビッチの活躍は素晴らしかったといっていいだろう。
そもそもこのキーパー二人とも昨夏に獲得したキーパーである。
この夏そもそもキーパーを優先順位として挙げていたファンはほとんどいなかった。これがすべてだろう。
ペトロビッチは確かにスタッツ的に足元の技術が高いわけではない。が、セービングに関しては素晴らしい結果を残した。逆にロベルトサンチェスは安定しているときはよかったが後半は不安定感も目立ち足元、セービングともに不安の残る終わり方ではあった。
昨シーズン、ペトロヴィッチは90分あたり32回のパスと4.2回の正確なロングボールで76.4%のパス成功率を記録。
一方マレスカが昨シーズン率いていたレスターでの守護神ヘルマンセンは、90分あたり平均44.7本のパスで83.1%のパス成功率をあげ、さらに90分あたり平均4.3本の正確なロングボールを記録した。
マレスカ的には昨シーズンのヘルマンセンに比べたらペトロビッチの足元は不満ということにはなるだろう。
他の候補とヨルゲンセン
【足元に関して】
上記に昨シーズンのペトロビッチのデータを記載した。
そのうえで昨シーズンのヨルゲンセンはパスを31,2回、ロングボールを4,9回、成功率78%というデータを記録した。
さらにペトロビッチなどと比べると傑出してるのがロングボールのデータ。
成功率が42%とペトロビッチやヘルマンセンよりも明らかに素晴らしいデータは出した。
昨シーズンのビジャレアルの保持率はチェルシーよりも少ないため目立つデータにはなるだろう。
ビジャレアルのカウンターでのゴール数が多いことには間違いなく貢献しているだろう。
が、マレスカはインタビューでできるだけボールを保持することを望んでいると話していた。
ヨルゲンセンの足元に関してはショートパスの数的にはペトロビッチと変わらない。
そのうえで武器はカウンターに生かせるロングボール。
確かに攻撃の手段として武器にはなるがマレスカの要求に本当にあっているといえるのだろうか。
【セービングに関して】
昨シーズンヨルゲンセンはラリーガでのセーブ数1位に輝いた。
が、これも素晴らしいと手放しで喜べるデータではない。
ビジャレアルは昨シーズンラリーガでもっともシュートを被弾したチームで失点数はリーグで3番目と明らかに守備に課題があるチームだった。
当然被シュートが多ければセーブ数は増える。
ではセーブ率ではどうだろうか
ヨルゲンセンの昨シーズンのセーブ率は72%でリーグ平均程度。ストッパーといえる数字ではないのは事実ではあるだろう。
セーブ期待値でもリーグ下位。クロス対応の数字でもリーグ下位となっている。
つまりセービングに関しては決して現時点で優れているというのは難しいかもしれない(あくまでもデータ上は)
【金銭的に関して】
ヨルゲンセンには契約解除金として4,500マンユーロが設定されている。
その中で2000万ユーロ程度で獲得が出来れば交渉自体良いものといえる。
しかしそもそもといえば昨夏ロベルトサンチェスを2200万ユーロでペトロビッチを1600万ポンドで獲得しているとなると少し個人的には不安感は残る。
他の候補はどうなのか
現状ヨルゲンセン以外に噂が出ているのはママルダシュビリ(バレンシア)とヘルマンセン(レスター)くらい。
ママルダシュビリに関してはセービングは文句のつけようがない。昨シーズンのラリーガではセーブ率でも上位。チームも失点が少なく、この夏のEUROでも結果を残した。が、足元に関しては成功率自体は悪くはないのだがそもそもとしてタッチ数が圧倒的に少ない。マレスカのサッカーには合わないといっていいだろう。
ヘルマンセンに関してはフィットに関しては誰よりも問題ない。昨シーズンレスターでマレスカとともにプレーもしているし結果も残している。
が、ヘルマンセンの個人的に考える懸念点は市場価格とのギャップだ。
トランスファーマルクトによると市場価格は900万ユーロ程度。レスターの要求額は最低4000万ポンド。これがすべてとは思わないが昨シーズン2部で活躍したキーパーに4000万ポンドはいくらなんでも高い。
この値段になってしまうならヘルマンセンも少し不安だろう。
現状噂のニュースにはなっていないが現地のサポーターなどが期待している選手は他にもいる。
まずはニースのブルカ。元チェルシーユース所属でもあり昨シーズンはリーグ1ベストキーパーだったといっても過言ではない。足元は圧倒的なデータというわけではないがペトロビッチ以上ではあるし、セービングに関しては文句がない。身長もあるためクロス対応も問題ないと少しくらいは噂も出てほしかった。
2人目はラスパルマスのバレス。間違いなく昨シーズンヨーロッパの中でトップクラスのスイーパーキーパーだ。積極的にボールを受けようとしてスイーパーの能力を発揮。マレスカの欲しいタイプとしてはこういう選手だろう。セービングとしても破綻してるわけではない。唯一の懸念点としては26歳であること。今のチェルシーがこの年齢の選手に熱心になるかといわれたら難しい。
他にはマドリ―のルニンなどの名前も見たがその他ワールドクラスのキーパー(メニャンやディオゴコスタ)を含めその他の名前はないのだろう。本当に悲しいが。
個人的な感想
個人的にはヨルゲンセンの獲得には否定的ではある。
確かに昨シーズンブレイクした選手ではあるが、圧倒的なスタッツであるわけではないし元々の実績がある選手でもない。
そもそも自分はペトロビッチの評価が高く、ロベルトサンチェスの評価があまり高くない。
その中でペトロビッチを売却してまでサンチェスとヨルゲンセンでの競争。不安である。
正直に取るならビッグネームであってほしい。確かにキーパーに高額な移籍金はリスクが高い。実際にケパに高額な移籍金を払った。
キーパーの移籍金歴代2位でも6000万ユーロ程度とほかのポジションに比べたら高くはない。
その中でアリソン、オナナ、エデルソンとランキング上位に入っているキーパーはある程度金銭的なリスクを背負って獲得はしている。
正直に2000万ユーロでヨルゲンセンを取るリスクよりもよりビッグネームに高額なオファーを出したほうがリスクはないのではないかとも感じてしまう。実際1年間で2000万ユーロ程度でキーパーを3人獲得していることになる。難しいリスクの取り方だなとは感じる。
さらにヨルゲンセンがマレスカに完全に適したキーパーならまだしも現時点ではそうだとは言えない。
ならバレスに2000万ユーロのほうが特徴的な選手にという点でもまだ納得はできる。
個人的には最低限でもブルカ以上の名前のあるキーパーをもし取るなら取ってほしいという気持ちはある。
が、ヨルゲンセンが来るなら最大限応援する。結果を残して自分の不安が間違っていたことを証明してくれることを願っている。