ある夫婦の再生のその後
こんにちは。以前、熟年夫婦の長い時間のすれ違いで起こる
夫婦の危機に付いてのお話を書きました。夫が妻と向き合い
夫婦が再生していく過程は、夫の言動から始まる事
今回は、再生の一歩を踏み出した夫婦のその後を
書いていきたいとおもいます。
夫は、日々の暮らしの中で、妻の言動の変化に少し安堵した。
ただ、何かしっくりこない感情も残っていた。
毎日の暮らしは刺激がなく、定年後の生活は思っていたより
退屈でぼんやり過ごす事も多い。
しかし妻は、朝から忙しくスマホと向き合っている。
今日の予定は、午前中は趣味のテニススクール
そしてテニス仲間とランチ、午後4時位の帰宅と言う。
妻は週3日は外出し、夕食も済ませて帰ってくる時もある。
一人でスーパーに行き、総菜を買ってきて夕食を済ます時
妻はいつも俺の帰りを待ち、作った夕食も俺を待ちながら諦め
一人で食事をしていたんだなと考えると、改めて深いため息が出た。
仕事ばかりの人生を30年いや40年過ごしてきて
定年したら仕事関係の人脈は、あっという間に消えていた。
多くの時間を仕事、その付き合いに使い充実し満足していた日々は
定年後は何も残っていない。
山のようにある名刺を見て、誰一人からも連絡が来ない現実に
自分の人との付き合い方は、薄ぺらい利害関係だけの繋がり
だったんだと、やっと気付いた。
今からどうしたら新しい友達を作っていけるのか・・。
いままでの会社組織での肩書など邪魔なだけだと気づいた時
情けなさと悔しさと虚しさで、怒りと共に泣けてくる感情を
抑える事が出来ない。
妻が帰って来た。「おかえり。」と声をかけた。
妻、「ただいま。」
妻、「今日、テニス仲間の人と話をしていて、あなたの話になったの。」
夫、「僕の話って!」
妻、「お友達のご主人がテニスを始める事になって
あなたさえよければ、ご一緒しませんかと誘われたんだけど
どうします・・。」
夫、「テニスかあ・・。初めてだけど出来るかなあ‥。」
妻、「・・・。」
夫、「行く! 行くよ。何か始めようと思っていたんだ。
まだ、65歳。君と出来るスポーツを始めるよ。」
妻、「良かった! 二人の人生も、また、ここからね。」
おわり
熟年離婚が増えている背景は、長い夫婦関係の中でお互いへの
思いやりや関心のない態度の積み重ねが、いつしか相手を
傷付ける言動をしても気づかず、いつしか大きな溝が出来
信頼という夫婦にとって一番大事なことが無くなってく事が
大きな原因だと感じます。
元は他人の夫婦です。今一度、夫婦として信頼関係を
取り戻す行動をとれるかが、熟年離婚回避には必要だと感じます。
「熟年離婚、エネルギー 半端ない!」