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最終話(離婚後…・8話)
納車後連絡が途絶えて
数ヶ月も経ってから…
完全に諦めようと思っていた頃、
コウが私のLINEのストーリーを見た記録がついた。
それを見たと同時に怒りが込み上げてきて、
私から怒りのLINEを送ってしまった。
私の伝えた言葉を無視されて悲しい
プライドと外側ばかり気にして、
私と向き合っているわけじゃなくて、
あなたは、あなたの理想とだけ向き合ってる。
最初は自信なくてもいい、不器用でもいい、私を人として女性として素直に向き合う覚悟がないなら 同窓会以外の連絡はもうしてほしくない。
と伝えて終わった。
2週間ほど経ってから既読がついた。
そして、私はコウとのトーク履歴を削除した。
……そんな風に伝えてしまったけれど、
だんだん冷静になってきた。
20年30年コウの気持ちに気が付かなかった?本当はどこかなんとなく気づいていた…けれど、受け取りたくなくて無視して忘れていたんだよね?違う?
心の深いところでガーンとなった。
それならこれは…因果応報なのかな。
そう思ったら、
ハッとした!
プライドと自分の理想に向き合ってただけで、
心から相手と向き合おうとしてなかったのは……私だ!?
「昔酔ってプロポーズしてくれた事あったけれど、今再婚活中だからまだ有効だと嬉しいな」とか相手が心を開きやすい言葉を最初に出せたはずだ、でもプライドと罪悪感でそうしなかった。
頭の中の妄想に作り出した誰かさんに恋してただけで、
コウとも旦那さんとも、ナリくん自身とも
本気で現実の彼らに向き合ってなかったのは、
私の方?!!?
あの怒りは、自分に向けたものだった。
ガクッと力が抜けた。
私がこの苦しい人生ストーリーを作ってたんだ。
この出来事から、私は男性に対してやっと
理想と期待のメガネをかけずに、相手と向き合う事の意味に気づいた。
期待って、ドラマやマンガに出てくるような
全て自分の事を分かってくれる脳内王子様を作って 勝手に相手に重ねて、比べて見て、ジャッジして、
期待通りに幸せにしてくれるでしょと
執着してきた自分に…
もう 嫌っ というほど気づかせてもらった。
とんだ悲劇のヒロイン茶番だ。
自分が地中に落ちていく感覚になる。
…そういう意味では、大きな「気づき」を得られた運命の人でもある。ナリくんもコウも
そして元旦那さんもだ。
コウは翌年お父さんを亡くされ、
そのまた翌年の1月 自営の社長だったお兄さんも亡くされたみたい。
多分今はコウが社長として頑張ってるはず。
この事は、なぜか頭に
「新聞のお悔やみ」が気になる とサインが来て
検索して どちらもたまたまのタイミングで
後日見つけたものだった。
お兄さんの不幸は突然だったんだろう。
その為なのか、
去年45歳の同窓会の連絡もハガキもなく…
開催されたかどうかも確認していないけれど。
それまでの私は
「悲劇のヒロイン」ぶっている思考でいた事が全てうまく行かない原因だった。
あるはずのない「幸せのゴール地点」を目指して
私の人生のハンドルを男性に委ねようとしていた事を気がつかせてくれた2人。
次にコウ会った時、謝る準備は出来ている。
気がついた時にすぐ謝るべきだったけれど、
愛を持って伝える伝え方を 意識して私が変わってきたのは今のパートナーと出会ってから
だった。
今のパートナーは直感ではなく、
「現実的に望む理想の私の在り方」をまず決めてから選んだ人だ。
人生を車の運転で例えたら、「どんな気持ち」で運転席のハンドルを握るか。
『パートナーが居なかったとしても、幸せでご機嫌な私像』いつもどんな気持ちを感じている自分でいたいのか…。
それは安心感。
愛を感じたり育んだりするのは、
現実にある肉体と現実に分かる言葉や態度で表現する事だから。
もちろん心の中の想いの力も大きいけれど、
どんな気持ちであり続けたいかという気持を
乗せたコミュニケーションあっての現実。
頭の中で妄想した愛では何も体験が残らない。
過去の辛い記憶を塗り替えてくれるのは相手ではない、自分で気がついて昇華するんだ。
心の奥からホッと安堵感を感じる事ができるような言葉を選び、行動を選ぶ。
相手の幸せを素直に願い合える愛の形を体験したい。
そして、それは自分を蔑ろにすることの無い
行動であり続ける、ちょっとの自分への気遣いを忘れない。
そしてそれが出来ると自分を信じる事。
今より先の事なんて分からない。
今をどれだけ大切にできるか。
死んだ時に後悔するのは、◯◯すればよかった
でしょ、きっと。
ツインレイと言えど、どの恋愛だって一緒だ、本当の素直な自分を見つけていって、愛にどんどん目覚めて行動していくだけ。
相手に伝えていくだけ。
ものすごくカッコつけて言うと
無償の愛とか無限の愛に近づけるかな。ってね。
だから、愛を持って人と接して言葉を伝えて…
自分に気づきを得ていくんだ。
またいつかこの考えが変わる時が来るのかもしれない
10年前とは恋愛の見方が180度変わった自分が今ここにいるからね。
おしまい 2025.2.9
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