【HR/HMの教典】ディープパープルの「ハイウェイ・スター」
ディープパープルの「ハイウェイ・スター」は、その疾走感あふれるリフと、ロックとクラシックの融合が生み出すドラマティックな展開で、多くの音楽ファンを魅了しました。
この曲は、バンドがポーツマスへ向かうバスの中で生まれたと言われており、リッチー・ブラックモアがアコースティック・ギターでGのコードを押さえながら、イアン・ギランが即興で歌詞を付けたことから始まります。
その後、スイスのモントルーでの録音が予定されていましたが、モントルー・カジノが火事で全焼し、結局は使用されていないホテルの廊下で録音されたという逸話もあります。
この曲の中盤部分では、J.S.バッハの作品に典型的なコード進行が使用されており、ブラックモアとジョン・ロードのクラシック音楽への深い敬愛が感じられます。
また、ブラックモアのギター・フレーズは、ハードロックやヘヴィメタルのギタリストにとってのテクニックの宝庫であり、ギター教則本にもしばしば掲載されるほどです。
ガーディアン紙は、ライブ盤『ライブ・イン・ジャパン』でのブラックモアのギター・プレイを「バッハとジミ・ヘンドリックスの融合」と評し、新しいクラシックを創造したと絶賛しています。
さらに、コンサートでのキーボード・ソロとギター・ソロはほぼ即興で行われ、そのたびに新鮮な驚きを提供してくれました。多くのアーティストにカバーされ、アニメやCM曲としても使用されるなど、幅広い影響力を持つ楽曲となっています。
「ハイウェイ・スター」がすごいのは、その誕生の背景、音楽性、そして時代を超えて愛され続ける普遍的な魅力にあります。ディープパープルが放つエネルギーと情熱は、今聴いても色褪せることはありません。それが「ハイウェイ・スター」がすごい理由です。