ものづくりの未来に関する研究成果を海外で発表して気づいたこと、2017年振り返り
年の瀬なので、2017年を振り返ると、色々とデジタルファブリケーションに関する発明して、特に海外で発表した年でした。
Denverで開催されたCHI では、ピンディスプレイとバキュームフォームを組み合わせて高速かつ再利用可能な2.5Dプリンターを発表しました。
LAで開催されたSIGGRAPHでは、これと回路印刷を組み合わせたツール ActMoldのワークショップ展示をしてきました。
オーストリアのLinzで開催されたArs Electronicaでは、展示会全体のテーマがAIということもあり、以前開発した半自動筆記装置dePENdを発展させ、AIとポエムを共作する作品を展示しました。
https://www.aec.at/ai/en/author-rise/
カナダのケベックで開催されたUISTでは、固く再利用可能なインフレータブル形状を造形できる手法を発表しました。これはベスト13であるhonorable mentionに選出してもらいました。
特に夏あたりは月1で海外に出張して展示/発表しました。この他にも、企業との研究開発でSXSWで展示したり、各地でワークショップや講演、ラジオ出演の機会がありました。EKジャパン・ファブラボ鎌倉との共同開発したFABWALKERは色々なところでワークショップ展開させていただきました。。
この一年は、本当に恵まれた環境の中で、研究に専念することが出来、発表する機会も得ることが出来ました。川原ERATOのメンバーを始め、慶應筧グループ、海外の共同研究者たちのお陰さまで、とても感謝しております。
振り返ると、HCIコミュニティのデジタルファブリケーション界隈では、何となくインパクトは残せたのかなと思います。あまり既存の3Dプリンタとかと違って、そもそも違う手法を発明していたので。大量生産で使われる技術(真空成形法やブロー成形など)とコンピュータを組み合わせることで、今までできなかったこと(高速化や再利用性)を実現したかったということです。そこから踏み込んで、情報の高速実体化による人とのインタラクション部分がこれからどう変わるかみたいなところを見せれたのかなぁと。さらには、AIと文章を手書きするあたりは、そもそもモノを作るとは何なのかを議論しておきたかったところもあります。
こうした流れで、来年は、単に便利なツールを作るだけではなく、創作時の人、素材、機械の関係性についてより深めて行きたいなと思ってます。特に興味深いのが、クラウドソーシング/AI/ライブパフォーマンス/マテリアルサイエンス/伝統工芸/発展途上国のものづくり/インターネットアート、このあたりを調べていきたいなぁと思っております。
そんなこんなでこれからも継続して、面白いものを作ってまいりますので、ご支援のほどよろしくおねがいします。(noteも更新していきます)