狼森と笊森、盗森と ばぁさん
宮沢賢治の狼森と笊森、盗森を読んでいた…
「こゝへ畑起してもいゝかあ。」
「いゝぞお。」森が一斉にこたへました。
みんなは又叫びました。
「こゝに家建てゝもいゝかあ。」
「ようし。」森は一ぺんにこたへました。
みんなはまた声をそろへてたづねました。
「こゝで火たいてもいいかあ。」
「いゝぞお。」森は一ぺんにこたへました。
みんなはまた叫びました。
「すこし木きい貰もらつてもいゝかあ。」
「ようし。」森は一斉にこたへました。
………
ふと…すごく印象的だった 子供のときの記憶を思いだした
お盆に 山に住んでいるばぁさんの家に遊びに行ったときのことだった
家の中に大きなオニヤンマが入ってきた…
そして じぃさんの肩に一瞬とまって 飛んでいった…
ばぁさんが言った
あらぁ (前日に亡くなった)◯◯さんがあいさつに来てったんだぁ あはは
と。
その言葉は
あの…エナメル質な 人工的な不自然な言葉ではなく
雛鳥の産毛のような やわらかな 自然な言葉だった
うちのばぁさんは イーハトーブの人だった。