ツイッターにはいなさそうだけど実際は存在するITエンジニアについて語ってみる

<2024.11.19夜>
全体的に見直して文章構成も改め一部加筆しました。また、同時にタイトルも底辺という言葉は好ましくないと思い改めました。

ツイッターにいるエンジニアだけがすべてではないことを知っていただきたくこの記事を書いている。正直、彼らがエンジニアを名乗ってSNSをやってるorエンジニア関連の議論に参加しているとは到底思えないと思うのが当時彼らの間近で働いてた者の感覚である。エンジニアのレベルに高低あって、下の方に位置する人々はIT土方とか限界SESとかいろんな呼び方があると思う。FizzBuzz書ける書けない?など具体的な基準もあると思う。ただ、技術の高低云々以上に意識の差が予想以上にあることを知っていただきたい。

この記事で想定されるエンジニア

二次請けSIerかさらにその下で派遣的に働いているエンジニアのことである。以降で触れる実務の内容はSI傘下の大規模開発がメインだと思ってほしい。二次請けクラスのすべてがレベルが低い訳ではないが、体感5割近くのエンジニアがそれであると思っている。また、二次請SIerという用語が重要であり、SIerすべてを対象・批判するわけではない。

私は別にSIer的に上流だけをやることを否定したりはしない。そして、そういう人はこの記事の対象ではない。対象は一応ソフト・システムの実装に関わるエンジニアである。エンジニアという肩書を間違いなく持ってる人たちである(多分名刺や採用時の職種にそう書かれている)。基幹系システムの開発がよく批判の文脈で語られるのは、こういうエンジニアが関わっていることが一因であることを知ってほしい。関係者にとっては常識だと思うけど。

私もかつては彼らと一緒に働いていた者であり、その低意識さに呑まれかけたこともあったが、今は脱却して転職している。これから解説する彼らの特徴やエピソードは実際に私がつきあった人々のものだったり、転職してから聞いた情報だったりする。

アンテナの張り方が決定的に違う

私がかつて勤めてた会社の話になるが、完全なブラック企業である。残業代未払いやハラスメント横行など大変問題のある異常企業だった。でも、そこで関わった社員たちは意識はかなり低かったけど、決して無能だらけという訳ではなかった。私はそこから転職して今はそれなりの幸福を掴んでいるわけだが、同じように転職できる力を持つ人は10人は超えていたと思う。私のように完全にWebオープンの自社サービス系に転向するのは難しいけど(それでも二人ほど行けそうな人がいた)、マトモなSESは他にもいくらでもあるわけ。このレベルのブラック企業なら年収5%下がっても転職すべきなのに(独身者は特に)、転職をしない、意識が地に落ちているような社員が多いようで、平均勤続年数は10年を超えてるようである。容易に転職できる10人は確かに力のあるエンジニアであるが、それ以外にスキル感が怪しいけど、転職するだけなら+10人くらいがあのブラック企業から脱出できてたと思う。これは私が転職した際の企業の難易度から判断している。ただ、これは景気とか時期による。

この階層にいるエンジニアたちはツイッターアカウントを作ってる可能性は極めて低く、作っていてもエンジニアを名乗って情報収集や議論に参加したりすることは皆無だろう。収集や議論をするレベルならとっくに転職していると思う(特に私と同じような企業にいる力のある人々)。ツイッターにいる多くのエンジニアというのは上澄みだらけだと思う。元底辺出身者は多いと思うけど(私もそう)。もしかしたら、基幹系システムに関わった際に指示として受けるSNS禁止を真に受けているのかもしれない。でも私は明確に禁止された覚えはなく、連絡先登録は名字だけにしろという指示だけは受けていた。ちなみにSNSの発信内容で業務内容を伏せるのは基幹系とか自社サとか関係ないと思う。自社サの場合は宣伝になるから積極的に名乗ってやれというのがあるだけかな。

当時、同じ会社の30代くらい(経験10年目くらい)の社員と会話した内容だが、私が普通に知っていた「AtCoder」や「競プロ」といったワードというか世界を知らなかったし、今では入門する場合の第1の選択肢になりうる「VS Code」の存在も知らなかった。これはWeb寄りである場合でも知らなくても問題ない(VimやEmacsを使いこなせるならそれで良い)けどね。ちなみに、競プロに関しては非ITエンジニア職の人も参加しているのが取り上げられていたような気がする。
誤解してほしくはないのは競プロやって鍛えろ!とかVSCodeで家でも作り学びまくれ!という話ではないことには注意してほしい。
また、生成AIが登場したわけだが、彼らがChatGPTを使ってなにか組ませたり、動かしたりして「おおー」と驚く姿が想像できない。若手はさすがに触ってるのかな。。
彼らのITに関する情報収集の仕方がなんとなく分かると思う。

能力的なところ

このような情報感覚なので能力もおおよそ想像通りである。私の体感的なところではあるけど、基幹系システムの開発でFizzBuzzが書けないエンジニアは現場に存在したのは間違いなくて(実際に見ていて)、全体の2割近いと思う。次にぎりぎりFizzBuzzを書く、でもコーディングする期間から離れると書けなくなってしまうようなエンジニアの割合が5割くらい。2割はFizzBuzzはさすがに余裕で書くエンジニア、でもそれ以上に勉強するかというと微妙。1割くらいはかなりできる感じで言語の本が机に上にあったりする。

ちなみに10行程度の簡単な条件分岐の修正を丸一日かけて書いていた派遣さんとかいたのを覚えてる。

私の観測時期が2020以前である。時が進んでこの割合が改善する方向に動くかは微妙である。その理由は一言でいえば人手不足である。FizzBuzz以上のモノが当たり前に書けるエンジニアはWeb・オープンやゲーム系に吸い取られており、基幹系システムの二次請け以降に好んで入ったりしないからだ。Webでシステム実装しようという募集の口は基本増えてると思う。金に関しては一次請けSIerならかなり良いだろうけど、二次請け以降だと≒なケースがほとんどでその点で選んだりもしない。なので、悲惨な開発力はそう改善したりはしないのだ。

生成AIを導入して多少は変わったりするのだろうか。

SEになろうとしてなった訳ではないのが大半

上述したような状態になるのは何故?というと

彼らの大半は新卒就活でなんとなく試験もなく楽に入れるIT企業に就職できたor不景気(リーマンなど)で仕方なく入ってきましたという人々が大半であ
るからだと思う。勿論、そこから目覚める人も多いのだと思うけど

私の入社経緯については別記事で書こうと思っている。私はブラック企業に新卒で入る前からPaizaでSランク取るくらいの能力はあったし、javascriptで落ち物ゲーを作るとかも容易だった。

ちなみに情報学科出身だけど全くITに興味なく(学生時代にプライベートでコーディングしてアプリ作りすることはなく)、でも学力はあって普通に卒業はして、情報学科なのでIT関連の企業(SIerとかユーザー企業とか)になんとなく入りましたというケースもある。この人たちは上流側で元請やユーザー側のSEとして関わり、彼らと無関係という訳ではない。”場の低いIT意識”については大いに関係してくると思うけど。

基幹系システムの開発はきついから、意識が低いなら辞めてるんじゃない(ITから他業界へ)?という声があると思う。三次請クラスの派遣はそういう人が多いと思うけど、2次請クラスは給与はまぁまぁだから辞めない人が意外と多い。勿論2次請からの離職率は決して低い訳ではない。

二次請けクラスは私が勤めていたところもそうだけど、30前に日本の平均年収くらいはなんだかんだもらえるし、30過ぎからリーダーになる人とかは550~650とか行くようだ。他業界へ転職してもこの年収を維持するのは難しいから、ITへの適正や興味がアレでも、なんとかしがみついてる人が多いのだと思う。また、オフィスでスーツを着て働けるという事に価値を見出している層もいるのかなと思う。

結局、ITが好きかどうかの話

プライベートで小アプリを作るかどうかというと、二次請SIer以下のエンジニアの9割がNoであると言い切っていい。別に年がら年中作り続けるって話ではない。アプリではなく、RやPythonの統計分析をやったりするのも含めていい。理工系出身だったら、普通にやってそうに思うけど違うのかな。ここは結局ITというかPGが好きかどうかという話である。
正直、システム開発の実装にまつわるメンバーでこの興味がない、好きではないという意識の人間が過半数を超えたら、もうなにか失敗している(炎上するかバグだらけ)んじゃないかと思う。実際、基幹系システムの開発はそればかりだと思う。

未経験エンジニアの需要はここにある

未経験でITエンジニアになりたいです!という人は昨今SNSでよく観測される。当然入門レベルだから実力はその時点でかなり低いだろうけど、意識は多くの低意識エンジニアに勝っている可能性がある。もちろん、未経験エンジニアからのスタートで実力がつかず、意識が続かず、上述したようなエンジニアになる可能性はあるんだけど

私は何ヶ月か前に知り合いのSESの社長と会話している。今でも未経験を雇ってることを知り、それについて理由を聞くと
意識の低い3~5年目より、やる気のある未経験が勝つケースが多いから
とのこと。
この意識の低い3~5年目とは間違いなく上記で説明したようなエンジニアたちだ。新卒の甘い基準(情報系知識のテストなしが大半)でなんとなく入社したJava3年でなんとなく転職しようとしている人より、やる気に満ち溢れてる未経験が勝つのは想像に難くない話である。ただ、やる気をどう測るかが難しい。ちなみに私は未経験エンジニアを積極的に歓迎しない立場である。何回かツイートしているけど、これからの時代は入社前のタイミングでゆめみの課題をさっくり仕上げられるパワーがないときついと思っている(この点は別記事にしようと思う)。


<2024/11/24 追記>
この記事は別の記事を書く際に、こういうエンジニアの存在が~という事を説明したく先に書いたものである。冒頭であえて「二次請SIer」という単語を使ったのは意味があり、この二次請SIerとなる存在自体が問題であり、二次請SIerのような名乗りを許す環境が、上述したようなエンジニアの存在を許し、地獄を作っている原因になっていることを次の記事で説明したいと思っている。

この話はITに限ったモノではないと思っている。要は自分を高めようとしている、環境に問題があれば改善しようとしている、自分を高めるためにお互いを高め合う環境に身を置くという意識を持った人間とそうではない人間の違いの話だ。私は決して強強エンジニアではないが、資格習得にはそれなりに成功し、年収もかなり満足している状態である。レベルの高低より、資格習得とか高年収を目指すという目標を持って努力しているかの方が重要かもしれない。
基幹系システムの開発に関わるエンジニアの大半がこういった目標を持ってなさそうであり、それゆえに環境も悪化するし、ブラック企業であっても手を上げて改善を目指すとかそういう話になりにくいのである。目標を持ち日常の色んなところの改善意識に燃えている側の人がそういう環境に入ると病んでしまい、辞めるのは当然であり、より環境が悪化していく。
基幹系システムに関わる一次請SIerは高学歴が多く努力してきた人間が多いと思う。しかし、ITに対するモチベーションに関しては正直微妙な人が多い。これは情報系知識0で入社可能だからだ。ゆえに環境をよくしていこうという考えが希薄になりがちなのだ。

この記事で述べたエンジニアの存在を疑う人がいるかもしれないが、MARCH以上の大学を出る割合やNISA口座を開設する割合も全体の2割を切るそうで、実は上昇志向を持つ人の割合も似たようなものだと思われる。なので、多くの人口を抱える基幹系システムに関わるエンジニア達がこういったレベルなのは当然な話なのかもしれない。また、ツイッターで受動的でなく意見を主張し、ある時は議論する等も実は結構な敷居がある行為なのだ。

こういったエンジニアがいて何が問題なのかといえば、皆の生活に関係する基幹系システムの開発にそういう人たちが絡んでいることだと思う。そういうレベルの低い人達は派遣で、仕事の内容は簡単で従属的なものなんでしょ?と言われるかもしれない。実は決してそんなことはなく、彼らはではなくの立場で働いている事が問題になのだ。この点も次の記事で詳しく説明する予定だ。

最期に私が勤めていたブラックな企業について
本当に犯罪性が隠しきれない異次元な企業である。能力がないから平均年収をいただくために仕方なく在籍するのは分かるが、そうではない、能力のある人間たちが在籍し続けている。確かに35歳以上だと多少能力があっても別の企業に移籍することは難しいのかもしれないが、35歳以前の有能社員は結構いたのだ(20代も)。隠しきれない犯罪性を目にしながら、ハラスメントの犠牲者などを見ながら、辞められる能力がありながら辞めないのは人間性をかなり疑うところである。辞めないどころか、かなり社員同士で馴れ合ってるし、社長に感謝してるような、忠誠を誓うような社員も存在する(ここ以外に勤めたら年収300万代になる人はそうなるのかな?)。本当に異次元な空間に生きているエンジニア達が存在するのである。こんな異次元な犯罪企業であるが、某SIerから信用・重用されているということについても次の記事で詳しく説明したい。

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