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ロバ映画EO


  2023/5/5公開してすぐ、休日昼のヒューマントラストシネマ渋谷でEO見てきました。単館系のポーランド映画でいろいろ賞もとっているみたいです。悪天候でしたがほぼ満席でした。前の人の頭で少し見えづらかった💧

  ロバが主役のロードムービーということで画面の真ん中にずっとロバが映ってます!ロバ充できます!!重大なネタバレですがロバは死にません、よかった~。ですがロバがいろいろな持ち主のあいだを渡り歩いていくのを描くなかで、家畜や野生動物が殺されるシーンはあります(撮影で動物を傷つけることはしていないそうです)。ロバのEOちゃんも屠殺されそうになったりするのですが、ちょっとした偶然でなんとか生き残り羊牧場にたどり着きます。

  EOちゃんは小ぶりで体毛はグレー、目の周りは白、耳や背中に濃い茶色の線が入っているという標準的なカラーリングのロバです。性格は優しく、離れてしまった飼い主のお姉さんを思い出してご飯が食べられなくなるといった繊細な面がみられます。馬や犬におびえつつも荷馬車を引く仕事はしっかりする真面目なロバです。EOちゃんが前の飼い主を追いかけて脱走してしまうシーンがあるのですが、家畜が自分から安全圏を出ていくようなことは実際には考えづらいかとも思いました。物言えぬ動物の視点を通して、人間の身勝手さや自分で自分の運命を決められない理不尽さを描きたかったのでしょうね。そのため真面目で働き者のロバが選ばれたと思うのですが、ロバってあんまり人間のことなんて考えてなさそうな感じがして、そこがかわいいというか、アホっぽさがあっていいと思ってるので、そこは私の考えるロバ像とは違うかなと思いました。ロバの鳴き声も声をあげられない弱者の悲痛な叫びの比喩表現なんだと思うけれど、ロバの鳴き声ってもともと「う゛ぃや゛やあ゛ぁ゛ぁ~~!!あ゛-!あ゛ー!あ゛ー!」っていうびっくりするような大声だし、むしろ機嫌がいいときに鳴いてる。あと同じロバ映画の「小さき麦の花」でも思ったけれど、なんで子供がロバをかわいがってるほほえましいシーンとか雄大な自然の美しいシーンで悲しい音楽が流れるんだろう?それがアートなのかな。セリフもあまりなくて、ストーリーもこれで終わり?って感じだったけど映像としてきれいで、とにかくロバがかわいい!ロバが演技するのがすごい!のでオススメです。


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