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21/22 スキージャンプW杯 個人第2戦Nizhny Tagil レビュー
冬らしくスキージャンプっぽい景色
第1戦は小雪。第2戦は本格的な雪が降りしきる天気となったNizhny Tagil。
ここ数年、ドイツとポーランドで開幕戦を行なっており
ジャンプ台以外は雪がなく、なんとかして開幕に漕ぎ着けた印象がありました。
そうした中で雪景色の開幕戦は、冬の到来を感じさせ
冬のスポーツであることを、少し思い出させてくれました。
小林陵侑の失格
プレビューで不安要素の一つに失格を挙げました
今季、彼を止められるのは雪、風、コロナ、怪我、失格といった外的要因しかないのではないかと感じています。
強すぎれば当然マークされ、粗が見つかれば簡単に失格になるのがスキージャンプ競技。
ちなみに、ワールドカップデビューの新人なんかもマークされ
新人の洗礼を受けて第1戦の予選で失格になっている選手が何人かいました。
踏切が乱れ、今は良い流れと言えない陵侑。
流れを断ち切られるような失格ではないので、個人的には心配していません。
総合争いに出遅れ感が出ますが、アジャストして連勝すれば
すぐに差も埋まると思っています。
惑わす雪と風
この3日間で一番条件が悪かったと思われるNizhny Tagil。
Stoch(POL)の2本目進出を阻んだり、昨日予選落ちしたZajc(SLO)を4位に押し上げたりと
元気に試合をかき回していました。
公式成績表↓
そうした中で昨年の総合覇者であるGranerud(NOR)が強さを見せつけました。
まだつけ入る隙はあるので、昨年ほど突き抜けてはいませんが
「強いものは強い」
勝つことに、難しさを感じていないような印象です。
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2位に入ったのはGeiger(GER)
こちらは風や雪をものともせず、高い位置で安定した飛躍を何本も繰り出しており
その安定感でイエロービブを守りました。
昨年の傾向から見るとジャンプ週間終了までは、この調子を維持していくと思われます。
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3位にKraft(AUT)
前日にまさかの予選落ち、この日の予選、1本目と芳しくないジャンプ
そこから、2本目はラウンドトップの得点を叩き出し11人抜きでの3位。
近年は悪い風への耐性が弱まったのか、はたまた運が本当に悪いのか。。。
安定感に欠ける印象があるKraft。
昨年の開幕戦では2本目に進出できず、今年は予選すら通過できませんでした。
そうした中での2戦目は、なんと表彰台獲得、、、
昨年の世界選手権もですが、今日もめちゃくちゃ良い条件を引いたわけではなく
そうした中で、しれっと表彰台を射止めてくるので、予測不能です 笑
「悪くはない」「良くもない」そんな状態で上位をもぎ取る集中力。
非凡ではなく、侮ることができません。
日本チーム
佐藤幸椰が14位。
2本とも、全体の流れは悪くないように見えましたが
2本目は、雪による影響をやや受けてズレが生じたかな?
なんて個人的には見えました。状態は悪くないと思います。
中村直幹が19位。
昨日の流れのままに、1本目はトップ10を肉薄し一気に流れを引き寄せたかに見えましたが
2本目は、やや失敗。順位を8つ落としてしまいました。次のRukaも期待していきたいです。
伊藤大貴さんが21位。
条件に左右されながらも、安定したジャンプで2試合ともポイントを積み重ねました。
ここでのコメントを体現していくような形の滑り出しとなりました。
小林潤志郎さんと佐藤慧一は2本目に進むことができませんでした。
この条件では仕方ないとしか言いようがありません。。。
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陵侑個人としては流れに影響ないと思いますが。
日本チームとして見ると、良い流れを断ち切られた感がある失格でした。
エース不在の日本チームの印象値でのパワーダウンは大きく。
更には不安定な風も相まって、この試合では良い成績を残せた選手がいませんでした。
風に振り回される地域ばかりである前半戦。
全く想像できない戦いが続き、楽しみである反面、心配ではあります。