第99回全日本選手権・ノルディック複合〜観戦記〜
だいぶ時がたち、記憶も薄れつつある中
今更感もある中で見てきた全日本選手権。
関連記事は書きましたが
ご指名も頂いていたので
観戦記というより、感想を書いていきたいと思います。
ゴリゴリの観戦記はこちらです。
そして、戦っていた方々も記録を残しています。
当日朝
天気予報通り、笑っちゃうくらいの暴風雪。
2日前から荒れる天気予報でしたが、想像を超える悪天候でした。
選手控室を覗いてみましたが、臨戦体制の選手はおらず
試合をやってくれるのを願いつつも「どーせPCR採用だろう」という空気が流れていました。
2日前に行われたPCR(予備ラウンド)は、晴天では行われたものの、風がひどく不本意なジャンプだった選手も多かったはずです。
だからこそ「やってほしい」という選手も少なからずいたでしょう。
しかし、案の定PCR採用。
ジャンプ台が暴風雪ということもあって、クロカンもタフなレースになることが容易に予想できました。
レース展開の予想
予想は難しくありません。国内では高い走力を持つ3人が15秒以内に1.2.3を占めて、三つ巴の戦いを展開する。
海外レースのように、ちんたら牽制していれば1分後の湊さんが迫ってきますが
そんなレース展開はぜったいないと分かっていました。
3人がどうやってレースを展開し、勝利を掴み取るかを注目していました。
ただ、優勝予想は少し難しかったです。前日の走りを見て
1番調子が良かったのは傳田翁玖。しかし未だに勝利がない選手。
一方名寄で逃げ切り勝利を掴んだ曽根原郷。
走力があるものの、今季いまだに勝利がなかった小山祐さん。
誰が勝ってもおかしくなく、スキーの滑り次第な面もあるので、ここから更に絞るのは、個人的には無理でした。
後半までの長い時間
早々に前半が中止になったので、
応援にきていた同期の丸山雄と、引退する柴草陽佑の父を連れて家に戻りしばしゆっくりと
昼前に家を出発し、近所の彩未で辛味噌ラーメンに舌鼓をうち、クロカン会場に向かいました
会場に着くと。相変わらず雪と風が強く
下の硬い雪面に、湿った雪が張り付き、スキーが滑らない状況。
白旗山特有のゴールに向かうときに吹く、強い向かい風もいつも以上に強かったです。
レース展開
予想通り、傳田と小山祐さんで前を追い、自分のペースで逃げる曽根原という展開。
2週目の途中で3人の集団へ。予想通り。
ここで出来ることがあるとすれば、Lahtiの時の暁斗さんのような動きですが
まあ、リスクを冒す必要もないので普通に3人の集団へ。
レースを動かしたのは傳田。
4週目の序盤の登りでペースチェンジ。ここで小山祐さんを振り切ると、曽根原もやや離されました。
しかし登りの後に、長い下りがあるコースレイアウトなので、スキーが滑っていた曽根原が追いついそうです。
奥のきつい登りでも、同じ事が起こったらしく
グラウンドに帰ってきたときの先頭は曽根原で帰ってきました。
グラウンドに入ると最初は追い風。
カーブを回ってゴールに向かうストレートは向かい風。
曽根原の動きが向かい風をもろに受けてやや鈍り、スピードが少し落ちたところを見逃さず
傳田がすかさず後方から前に出て、ゴール前ストレートで差し切り優勝しました。
社会人5年目。これが初優勝。しかも全日本選手権。
嬉しかったと思います。
曽根原よりもスキーが滑っていなかったのにも関わらず、15秒ビハインドからの逆転。
前日の調子の良さをそのままに、この大会で優勝を掴み取りました。
レースを振り返る
レース前は湿った雪が降っていましたが、レース中は雪が止み、レース前にコース整備が入ったことによって
思ったよりはスキーが滑っていたかなと思います。
宮様大会
伊藤杯
全日本選手権
3試合のラップタイムを比べると、伊藤杯が一番滑る状況っぽく見え
感覚的にもそうだったようです
雪質は違ったので、選手の得意不得意や、レース展開によってラップタイムも変わってくるはず
ラップタイムでの比較では当てにならないのも現状です。
祐さんのレース展開から見ると、2人でジャブを打ち合っていた宮様。
前を追っていた伊藤杯はラップが早くなるのは想像しやすいので
そう考えるとやはり、この全日本選手権もスキーは走っていたのかなと考えられます。
また、3試合とも同タイムの選手もいる。連戦の疲れもあることを加味すると
体感はともかく、3試合比較でのスキー速度には大きな差がなかった可能性が否めません。
この全日本選手権ということに限ると「連戦のダメージ」が一つキーポイントのなったと考えられます。
クロスカントリーは後ろを滑っている方が楽なのは間違い無いですが
とはいえ、全身運動であるのと同時に後ろで滑ると、下から上りなどの所で力の入れ具合など難しくなります。
一方で先頭を走っていれば、自分のペースとリズムを刻めるので、力のコントロールは必要ないです。
私の所感だと牽制していても、そういった力の抜き方やスピードコントロールが上手な選手ではないと、結構疲労感が溜まっていくと考えています。
ランニングで、同じタイムでゴールしてもペースを揺さぶられるときついアレです。
レースが少なく、小規模チームが多い日本。人と一緒に走る機会が少ないような気がします。
そういった点でも、ワールドカップを回っていると毎週のように、レースの中で集団で走る事ができたりするので
色々学べることが多いのかなと感じます。
アドバンテージが大きい国内組です。。。